こんにちは、インフォマティクスの空間情報クラブ編集部です。
今回は空間分析についてご紹介します。
目次
空間分析とは
空間分析とは、位置情報を持つ空間データを使って分析する手法のことをいいます。
例えば、商圏分析では、出店予定の店舗地からの顧客が見込まれる「商圏」において、人口と連携させて分析したり、年齢別・昼夜別人口の情報を持つ位置データと連携させて分析したりすることで、その業種の集客力を定量的に把握できます。
また、標高値のメッシュデータや土砂災害警戒区域のポリゴンデータを背景地図に重ね合わせることで、各地域の情報を視覚的に知ることもできます。
このように空間分析は手法と扱う空間データによって様々な分析が可能です。以下、分析例をいくつかご紹介します。
空間分析例
特定の目的に合うデータを抽出
空間データの位置情報を利用し、特定の目的に合致したデータのみ抽出します。
例えば、住宅物件を検索する際、駅から○○m以内で、なおかつ、線路から△△m離れた領域を候補とする場合、駅を中心とした円を作り、路線から発生させたバッファをその円から差し引けば、目的の物件を抽出できます。
データの再構築
空間データを元に解析を行うことで、新たにデータを構築できます。
複数のポイントデータがある場合、その密集の度合いを調べる密度分析では、空間を同一サイズのセル(=グリッド)で分割し、各領域内にどのくらいポイントが含まれているかを集計します。
数の集計ではなく、例えばポイントが学校を表し、その区割りを決定するような場合では、ボロノイ分割が有効です。
ボロノイ分割とは、各ポイント(母点)間の勢力圏を分析する手法のことです。
この手法を使えば、各ポイント間の区割りポリゴン図形を作成できます。
経年変化の追跡
通常、地図データは最新のものを使用するのが一般的ですが、データに時間情報を与えることで、時系列でデータの変遷を追うことができます。
国土交通省の国土数値情報/高速道路時系列データは、各路線データに時間情報が付与されています。
この値に応じて表示を変えれば、高速道路の普及の変遷が一目で分かります。
おわりに
今回は空間分析についてご紹介しました。
空間分析は、空間データと紐付けるデータ、および解析手法が大きなポイントになります。
皆さんがお持ちの様々なデータを空間データと紐付けて地図上に表わしてみると、新たな発見があるのではないでしょうか。
GISやAI機械学習を使ったシステム構築に関するご相談を承っています。ぜひお気軽にご相談ください。
<参考>
国土交通省ウェブサイト https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-N06-v1_1.html