GISソフト「SIS 9.1」の新機能をご紹介するシリーズ。今回は主題図と、主題図に関連した新機能についてご紹介します。
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目次
クラスタ主題図
SIS 9.1では、縮尺に応じて指定した距離内のアイテムの密集具合を数値化(クラスタリング)して表示する、「クラスタ主題図」が追加されました。
クラスタリングする間隔(距離)は、SIS 9.1で新しく追加されたピクセル単位「px」やポイント単位「pt」を使用したフォーミュラ(数式)で指定します(図1、図2)。
図1:クラスタ主題図の設定方法
図2:交通事故の件数を100px間隔でクラスタリング
左図:1:10,000 右図:1:25,000
クラスタ主題図は、分類主題図を併用してシンボルの色を変更すると分かりやすく表現できます。色の設定にはクラスタ主題図の値(Cluster::Value@)を使用します(図3、図4)。
図3:クラスタ主題図の値に応じてシンボルの色を変更
図4:分類主題図の設定方法と凡例
Pen関数やBrush関数で指定する単位「px」、「pt」
前回ご紹介したPen関数やBrush関数は、シンプル主題図や個別値主題図で使用することができます。これらの関数で、ライン幅やハッチング間隔を単位「px」、「pt」で指定すると、表示スケールの影響を受けずに一定の幅や間隔を表示できます(図5)。
図5:ハッチ間隔、線の太さやパターン間隔を一定のサイズで表示
左図:1:2,500 右図:1:5,000
カルトグラム
カルトグラムとは、地図を構成する領域(都道府県など)を、統計データなどのデータに基づいて変形して表現する主題図です。カルトグラムを利用すると、領域の実際の大きさとは別に、データの特徴を視覚的に表現することができます(図6)。
SISで利用できるカルトグラムには以下の種類があります。
- 連続(拡散)
- 不連続(ドーリング)
- 等面積(円形、四角形、六角形)
図6:都道府県ごとの人口密度を拡散(左)とドーリング(右)で表現
ラベル主題図のラベル配置プロパティ
ラベル主題図でポリゴンに配置するラベルの位置を、「ラベル配置」プロパティで細かく設定できるようになりました。「ラベル主題図スタイル」ダイアログで設定します(図7)。
図7:「ラベル配置」の設定
原点
SISが個々の図形に割り当てた原点にラベルを配置します(図8-1)。なお、図形を編集して形を変えても原点の位置は変わりません(図8-2)。
図8-1:「ラベル配置」が「原点」
図8-2:図形の形状を変更しても「原点」は変わらない
重心
図形の重心にラベルを配置します(図9)。
図9:「ラベル配置」が「重心」
内側のポイント
図形の内部にラベルを配置します(図10)。
図10:「ラベル配置」が「内側のポイント」
アクセス不能な極
プロセス操作の「ジオメトリ/アクセス不能な極」で描かれる点(ポリゴンの領域の最大内接円の中心)にラベルを配置します(図11)。
図11:「ラベル配置」が「アクセス不能な極」
中心軸上
「空間解析」タブの「ジオメトリ/中心軸」で描かれるラインに沿ってラベルを配置します(図12)。
図12:「ラベル配置」が「中心軸上」
以上のように、SIS 9.1 ではラベルの表示位置の選択肢が増え、よりニーズに合わせた成果物を作成しやすくなりました。
おわりに
今回はSIS 9.1 で追加された主題図や、主題図の設定についてご紹介しました。これらの新機能を活用することで、より見やすく分かりやすい主題図を作成することができます。ぜひ使ってみてください。
SIS Desktopシリーズ 製品情報
https://www.informatix.co.jp/sis/sis
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<地図データ出典>
OpenStreetMap data © OpenStreetMap Contributors、警察庁オープンデータ本票2020年度、国土数値情報をもとに弊社が加工して作成
※この記事は、GIS NEXT第90号に掲載された記事を編集したものです。