こんにちは、インフォマティクスの空間情報クラブ編集部です。
今回はOGC Simple Featuresについてご紹介します。
目次
OGC Simple Featuresとは
Simple Features(正式名:Simple Feature Access)とは、OGC(Open Geospatial Consortium)とISO(国際標準化機構)が定義した、2次元の地理データに対する仕様の規格のことをいいます。(2次元の地理データ例:ポイント、ライン、ポリゴン)
OGCではSimple Featuresを以下の4つに分けて記載しています。
- 共通仕様
- SQL
- CORBA
- OLE/COM
Simple Featuresの定義目的
Simple Featuresは他のシステムとの互換性を高めることを目的としています。
以下、OGCに記載されている共通仕様、SQL、CORBA、OLE/COMのそれぞれについて説明していきます。
共通仕様
Simple Featuresとして定義されている項目は以下のとおりです。
- ジオメトリの種類
- 空間関係(Spatial Relation)
- WKT
- WKB
ジオメトリの種類
ジオメトリの種類では、ポイントやライン、ポリゴンといった一般用語から、地物属性といった地理学的な用語まで定義されています。
ポイント(ライン、ポリゴン)が複数集まったものをマルチポイント(マルチライン、マルチポリゴン)といい、ポイント、ライン、ポリゴンが組み合わさったものをジオメトリコレクションといいます。
空間関係(Spatial Relation)
空間関係とはジオメトリの関係の判定であり、そこに記述してあるのは「交差する」「含まれる」といったジオメトリ間での関係性を判定する方法です。
定義されているものは以下のとおりです。
- 等しい
- 離れている
- 共通部分を持つ
- 接する
- 交差する
- 内部にある
- 含まれる
- 重なる
- 関係する
- ~に沿って位置している
- AとBの間にある
空間関係について詳しくは「GEOSとは|メリット・空間検索例」の記事をご参照ください。
WKT(Well-Known Text)
WKTとはジオメトリをテキスト形式で表現するときの書式のことをいいます。
ポイント、ライン、ポリゴン、曲線、多面体ほか合計18種類のジオメトリを表現できます。
Simple FeaturesのWKTの章ではこの書式が定義されています。
例)
WKB(Well-Known Binary)
WKBとはジオメトリをバイナリ形式で表現するときの書式のことをいいます。Simple FeaturesのWKBの章ではこの書式が定義されています。
例)WKTでPOINT(2 4)と表現されるポイントをWKBで表現すると以下になります。
000000000140000000000000004010000000000000
SQL、CORBA、OLE/COM
ここではSQL、CORBA、OLE/COMのそれぞれについて、Simple Featuresを定義する目的を説明します。
SQLに対するSimple Featuresの目的
ODBC(RDBMSにアクセスするための共通インタフェース)を介し、簡単な地理空間的な集合を更新する、SQLの標準の枠組みを定義することが目的です。
CORBAに対するSimple Featuresの目的
CORBA(Common Object Request Broker Architecture)は、様々なコンピュータ、OS、プラットフォーム上で、様々なプログラミング言語で書かれたソフトウェアコンポーネントの相互利用を可能にする規格です。
CORBA の技術を使って、GISアプリケーション開発用インタフェースを提供することが目的です。
OLE/COMに対するSimple Featuresの目的
OLEとはオブジェクトをやり取りする仕組み・規約のことです。
COMとはソフトウェアの再利用を目的とした技術のことであり、ソフトウェア間での通信に用いられます。
そのための標準化を規定することが目的です。SISは、Simple Features for OLE/COMに合格しています。
おわりに
今回は抽象的なトピックなのでわかりづらいところが多かったかもしれません。
地理学的データがどのように標準化されているのか、関心を持っていただけたら幸いです。
【参考】
・OGC Standards and Resources https://www.ogc.org/standards/
・ISO STANDARDS https://www.iso.org/standards.html