こんにちは、インフォマティクスの空間情報クラブ編集部です。
今回はEPSGコードについてご紹介します。
参考
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目次
EPSGコードとは
EPSGコードとは、GISで使用される様々な要素に必要なパラメータを1つにまとめ、そのパラメータの集合体どうしを区別するためにコードを割り振ったコード体系のことです。
GISで使用される要素には、座標参照系、測地系、本初子午線、地図投影法などがあります。
EPSG(European Petroleum Survey Group)という団体によって作成され、現在ではいろいろなGISで使用されています。
EPSGの由来
EPSGコードの管理を現在行っているのは、イギリスのInternational Association of Oil & Gas Producers(以下、OGP)のGeodesy Subcommitteeですが、もともとはEPSGの正式名称であるEuropean Petroleum Survey Groupという団体がこの仕組みを作成しました。
この団体はヨーロッパ諸国の石油産業とのつながりを持った科学団体で、名前のとおり石油発掘のために測地学、測量学、地図製作などの専門家が所属している団体でした。
そのため、石油発掘の手助けとなる地図作成時に有効なEPSGコードを作成したと言われています。
EPSGは2005年にOGPに吸収されましたが、座標系を整理するコードは現在でもEPSGコードと呼ばれています。
EPSGコードで定義している情報
それぞれのEPSGコードは、名称(例:JGD2000)、使用地域(例:日本)、測地原点(例:世界測地系)、本初子午線(例:グリニッチ)、座標系(例:緯度経度)などの情報を保持しています。
どのような情報を確認できるか、次のセクションの説明内にあるサイトを検索して見てみましょう。
EPSGコードの検索方法
EPSGコードは合計すると数千コードにものぼり、その一覧は以下で公開されています。
- ウェブ上のEPSGレジストリ
- MS Accessのデータベース
- リレーショナルデータベースで読み込むことができるSQLスクリプト
「EPSGコードがあるが、どのような定義を持ったものかわからない」「ある地域で使われているEPSGコードが何かを調べたい」という場合には、上記のいずれかの方法で検索します。
今回はOGPのサイトで提供されているEPSGレジストリで検索してみましょう。
まず、EPSGレジストリ検索サイトへアクセスします。
例えば、東京で使われているEPSGコードを検索したい場合は、以下のように検索を実行すれば候補がいくつか表示されます。
表2列目にある「EPSG:」の後に記載される数字がEPSGコードとなります。
検索結果から詳細を確認すれば、以下のように詳細な情報が確認できます。
上記を見ると、座標参照系の中にもさらにConversion(変換)の定義が含まれていることや、定義の中にもパラメータが含まれていてParameter Valueのセクションから確認することができます。
このようにEPSGコードを検索します。
おわりに
今回はEPSGコードについてご説明しました。
コード作成のそもそもの目的が石油発掘のためだったとは驚きです。
このEPSGコードが日本だけではなく国境を越えて世界中の人々に使われていると思うと、何だかロマンがありますね。
<参考>
・European Petroleum Survey Group
・Using the EPSG Geodetic Parameter Dataset
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