こんにちは、インフォマティクスの空間情報クラブ編集部です。
今回は座標系や、座標系の1つである平面直角座標系についてご紹介します。
参考
インフォマティクスでは、国内で約36,000のお客様に利用されているGIS(地理情報システム)製品SIS(エスアイエス)をご用意しております。
SISの資料をダウンロードする
目次
座標系とは
座標系とは、地球上のある場所の位置を、座標値(緯度経度またはXYなど)を使って示す際の決まりのことをいいます。
一般的に利用される座標系には、大きく以下の2つがあります。
緯度経度座標系(球形座標系)
緯度経度座標系は、赤道からの角度(緯度)、子午線からの角度(経度)により位置を示すもので、広い範囲を扱う小縮尺向きの座標系です。
XY座標系(数学座標系)
XY座標系は地球を平面に投影した面上における原点からの距離で位置を示すものです。
代表的なものに「平面直角座標系(19座標系)」や「UTM座標系」などがあります。
例えば、インフォマティクス本社の位置は以下のようになります。
住所 |
神奈川県川崎市幸区大宮町1310ミューザ川崎 セントラルタワー |
緯度経度(日本測地系2000) |
35.531225°,139.694610° |
XY座標(平面直角座標系IX系) |
-12580.147613285451m,-51998.69848658327m |
平面直角座標系とは
地球は曲面ですが、地球上の位置を示す際、狭い範囲の測量であれば誤差も少ないことから、「平面」として計算したほうが便利です。
平面直角座標系とは、平面として計算を行えるように定められた座標系であり、比較的狭い範囲を扱う場合に適しています。
平面直角座標系は、日本を19のゾーンに分割して横メルカトル図法で投影し、各ゾーンに座標原点を設けて、その原点を通る子午線をX軸、これに直交する方向をY軸としたものです。
各座標系(1系~19系)の原点の値は、それぞれX=Y=0メートルとなります。
各系番号の座標系原点の緯度経度や適用区域など具体的な定義は国土交通省告示で決められています。
詳細は「平面直角座標系(平成十四年国土交通省告示第九号)」 をご覧ください。
平面直角座標系の系番号と対象地域
平面直角座標系の各系の原点の位置、対象地域は以下のとおりです。
例えば、東京の地図を扱う場合は「平面直角座標系9系」を使用します。
系番号 |
適用範囲 |
1 |
長崎県・鹿児島県(北方北緯32 度南方、北緯27 度西方、東経128 度18 分東方、東経130 度の区域内) |
2 |
福岡県・佐賀県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県(1 系の区域を除く) |
3 |
山口県・島根県・広島県 |
4 |
香川県・愛媛県・徳島県・高知県 |
5 |
兵庫県・鳥取県・岡山県 |
6 |
京都府・大阪府・福井県・滋賀県・三重県・奈良県・和歌山県 |
7 |
石川県・富山県・岐阜県・愛知県 |
8 |
新潟県・長野県・山梨県・静岡県 |
9 |
東京都(14 系、18 系、19 系の区域を除く)・福島県・栃木県・埼玉県・千葉県・群馬県・神奈川県 |
10 |
青森県・秋田県・山形県・岩手県・宮城県 |
11 |
小樽市・函館市・伊達市・胆振支庁管内のうち有珠郡・檜山支庁管内・後志支庁管内・渡島支庁管内 |
12 |
札幌市・旭川市・稚内市・留萌市・美唄市・夕張市・岩見沢市・苫小牧市・室蘭市・士別市・名寄市・芦別市・赤平市・三笠市・滝川市・砂川市・江別市・千歳市・歌志内市・深川市・紋別市・富良野市・登別市・恵庭市・北広島市・石狩市・石狩支庁管内・網走支庁管内のうち紋別郡・上川支庁管内・宗谷支庁管内・日高支庁管内・胆振支庁管内(有珠郡及び虻田郡を除く)・空知支庁管内・留萌支庁管内 |
13 |
北見市・帯広市・釧路市・網走市・根室市・根室支庁管内・釧路支庁管内・網走支庁管内(紋別郡を除く)・ |
14 |
東京都のうち、北緯28 度から南であり、かつ東経140 度30 分から東であり東経143 度から西である区域 |
15 |
沖縄県のうち、東経126 度から東であり、かつ東経130 度から西である区域 |
16 |
沖縄県のうち、東経126 度から西である区域 |
17 |
沖縄県のうち、東経130 度から東である区域 |
18 |
東京都のうち、北緯28 度から南であり、かつ東経140 度30 分から西である区域 |
19 |
東京都のうち、北緯28 度から南であり、かつ東経143 度から東である区域 |
平面直角座標系の地図データをGISで扱う
GISで地図データを扱う場合、その地図データがどの座標系で作成されたデータであるかを正しく認識する必要があります。
地図データが作成された座標系と異なる座標系で読み込むと、ズレが生じるのでご注意ください。
地図データを扱うのが苦手な方、より簡単に地図データを扱うことができるGISソフトをお探しの方は、約300種類のデータに対応し、変換することなくドラッグ&ドロップの操作だけで直接読み込めるSISをぜひご利用ください。
SISの資料をダウンロードする >>
SISに地図データを読み込んでみましょう。
平面直角座標系で作成された数値地図2500のデータを読み込むと、地図データの内容を元にその座標系が判断され、自動的に正しい座標系で読み込まれます。
下図では、神奈川県のデータを読み込んでいるので、「平面直角座標系(2000)09第Ⅸ系」が自動的に設定されます。
数値地図2500(空間データ基盤) 神奈川県 川崎市周辺
SISでは異なる座標系の地図と重ね合わせても、正しい位置で表示することができます。
おわりに
今回は「座標系」と、座標系のなかでも国内でよく使用される「平面直角座標系」についてご紹介するとともに、GISでの平面直角座標系の地図データの取り扱いについても触れました。
GISの基礎知識として、ぜひお役立てください。
<地図データ出典>国土地理院発行の数値地図2500(空間データ基盤)を使用したものです。
インフォマティクスからのお知らせ
GISソフトをお探しなら
GISソフトをお探しの方、現在お使いのGISに課題を感じている方は、GIS(地理情報システム)製品SISのご利用を検討されてみてはいかがでしょうか。無償版もご用意しています。
SISの資料をダウンロードする >>
GISやAI機械学習を使った業務システムの構築に関するご相談を承っています。お気軽にお問い合わせください。