こんにちは、インフォマティクスの空間情報クラブ編集部です。
今回から3回シリーズでエリアマーケティングについてご紹介します。第1回は商圏分析がテーマです。
目次
飲食店を開くとしたら
飲食店を開業したいと思っているあなたは、知人から2つの不動産物件を紹介されました。2件とも坪数や家賃、駅からの距離がほぼ同じで、共に1階フロアです。
さて、あなたはどのようにして開店候補地を決めますか?
誰しも、人通りが多い場所が良い、それもお店がターゲットとする年代の人が多い方が良いと考えるでしょう。
まずは紹介された物件を見に行きましょう。できれば朝・昼・晩それぞれの時間帯で人流を見たいですね。競合店の調査も必要です。
この場合、2つの物件が近隣にあれば現地調査ができますが、遠方では移動に時間が取られ、細かい調査に時間がかけづらくなります。
さらに、もっと多くの物件を紹介された場合は、現地調査の前にあらかじめ何らかの条件で絞り込んで、効率的に候補地を探したいですよね。
そこで、エリアマーケティング・システムの出番
エリアマーケティング・システムで表示した地図には、ビジネスに必要な様々な情報が含まれています。
駅から候補地までの道のり、商業ビルや家屋の密集具合、さらには競合店の数や位置もわかります。また、線路や川、大きな道路、坂道などといった来店の障害となりうる要素も見てとれます。
国勢調査や昼間人口、事業所統計、商業統計といった統計的な情報も重なっていますので、物件周辺の昼夜の人口や世帯数、会社数や従業員数、流行っているビジネスなどがひと目でわかります。
コンビニエンスストアで買い物をするために、わざわざ電車で行く人はいないでしょうし、家電や高額商品を買う場合であれば、複数店舗で価格を比較したうえで買う人が多いと思います。
最近は価格比較サイトで調べてから実店舗に行き、使い勝手を試したうえでネット注文するというパターンが多いかもしれません。
業種や業態に合った商圏を分析
お弁当屋さんであれば、昼はサラリーマンやOLなど会社員が多く、夜は学生などの若者が帰宅途中に立ち寄れるような場所が理想です。
高級車を扱うカーディーラーであれば、ターゲット層が多い、あるいは富裕層が多いエリアの幹線道路沿いに開店したいでしょう。
こんなとき、エリアマーケティングシステムを使えば、PC上で任意の場所をすばやく分析し、商圏を把握することができます。
例えば、2つの候補地(物件1、2)を商圏分析した結果がこちらです。随分と違いがありますね。
物件1
物件2
商圏分析とは
自分の店に集客できる範囲のことを「商圏」といいます。
出店計画などを行う際、商圏を様々な条件で設定することで、商圏内の人口や市場規模、購買者特性、競合店の状況などの地域特性を調査することを「商圏分析」といいます。
第2回は「勢力圏による商圏分析」についてご紹介します。