コラム

9月1日はなぜ防災の日?制定の由来や備え、防災分野におけるGIS活用例を紹介

こんにちは、インフォマティクスの空間情報クラブ編集部です。

今回は防災の日(9月1日)にちなんで、制定の背景や防災の基本情報、防災分野におけるGIS(地理情報システム)活用例、関連アプリをご紹介します。

防災の日

防災の日は、災害発生時にいかに早く適切に対応できるかが生死を分けるという重要なメッセージを伝えるために制定された日です。

この日を含む1週間は「防災週間」とされ、各地で避難訓練をはじめさまざまな啓蒙活動が行われています。

制定の背景

1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災は、死者・行方不明者10万5千余人という大惨事となりました。

この震災を教訓として防災対策の重要性を国民に広く理解してもらうため、9月1日が「防災の日」と制定されました。

防災のために必要な準備

リスクアセスメント

まず、企業が直面するおそれのある災害(地震、火災、台風、水害、テロなど)を特定し、それらに対するリスクを評価します。

リスクごとに必要な対策を検討し、優先順位をつけることが重要です。

防災計画の策定

  • 避難経路の確保:従業員や職員が安全に避難できるよう、明確な避難経路と避難場所を設定します。
  • 避難訓練の実施:定期的に避難訓練を行い、いざという時に避難行動できるようにします。
  • 災害時の連絡網の構築:緊急連絡先リストを作成し、周知徹底します。

備蓄品の準備

  • 食料と水:災害発生後、数日間分の食料や水を備蓄します。一般的には、従業員数分の3日分程度を目安に準備します。
  • 医療用品:応急処置用の医療キットや常備薬を準備します。
  • 防災用品:懐中電灯、電池、ポータブルバッテリー、ラジオ、ヘルメット、作業手袋、防煙マスクなど、災害時に役立つ用品を備えておきます。

上記について定期的な期限チェックと補充・交換も重要です。

データのバックアップ

災害によりデータが失われないよう、定期的にバックアップを取り、災害時でもデータ復旧できるようにします。クラウドバックアップや外部メディアを利用することが推奨されます。

事業継続計画(BCP)の策定

災害が発生した際にも業務を継続できるよう、事業継続計画を策定します。例えば、代替の作業場所や通信手段の確保などが含まれます。

重要業務の優先順位を定め、災害後に早急に復旧できるよう準備します。

防火対策

  • 消防設備の設置:消火器や自動火災報知機を設置し、定期的に点検します。
  • 避難路の確保:火災発生時の避難路を確保し、障害物を取り除いておきます。

従業員教育・啓発

防災に関する基礎知識や行動指針について定期的に教育し、災害発生時に迅速かつ冷静に対応できるようにします。

安全確保に必要な知識を共有するためのマニュアルや手順書を作成し、従業員に配布します。

安全確認と情報共有

安否確認システムを導入するなど、災害後に従業員の安否を確認できる仕組みを整備します。外部と連携し、最新の災害情報を入手するための手段も確保します。

防災アプリのインストールと活用

従業員がいざという時に迅速に対応できるよう、平時に防災アプリをインストールし、使い方に慣れておくことも大事です。

空間情報クラブに地図を活用した防災・災害時対応に役立つアプリの記事を掲載しています。ぜひご参照ください。

GISの役割と活用例

GIS(地理情報システム)は災害対策本部などで発災時の情報収集をはじめ、迅速かつ正確な情報共有や効率的な避難誘導を支援します。

避難所の位置情報提供

災害発生時に最も重要なのは安全な場所への避難です。GISを活用することで、最寄りの避難所の場所を迅速に把握し、避難指示をスピーディに出すことができます。

避難所の収容人数や設備情報もリアルタイムで更新でき、避難行動を最適化できます。

参考

「避難場所」と「避難所」はどう違う?

◆避難場所

  • 津波、火災、洪水などのリスクから命を守るために緊急避難する場所
  • 高台にある広場、大きな公園など基本的には屋外が多い

◆避難所

  • 災害によって自宅に住めなくなった人が一時的に共同生活を送る場所
  • 学校や公民館などが多い

災害が発生したら、まず「避難場所」に逃げることが大事です。

災害予測と被害範囲の可視化

GISでは、地震や津波、台風の予測データを視覚的に表示することが可能です。

これにより、どの地域が特に影響を受けるのかを予測し、早期に住民に警告を出すことができます。災害後には被害状況を可視化し、早期復旧活動を支援します。

避難経路の最適化

GISで避難経路を最適化することで、混雑や事故を回避できます。複数の避難経路を事前設定しておけば、状況に応じて最適な避難指示を出すことができます。

 

防災関連コラム

空間情報クラブでは以下をはじめ災害対策・防災に関するコラムを多数掲載しています。ぜひご覧ください。

 

インフォマティクスからのお知らせ

防災分野におけるGIS活用例

インフォマティクスが提供するGIS(地理情報システム)も防災分野で活用されています。具体的な事例を紹介していますので、ぜひご覧ください。

GIS(地理情報システム)活用事例はこちら >>

<参考>政府広報オンラインウェブサイト、東京消防庁ウェブサイト、国会図書館リサーチウェブサイト

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