地図や位置情報を活用したスマートフォンアプリを紹介するこの連載、今回は日本全国の土壌図をモバイル端末上で閲覧できるiOS/Androidアプリ「e-土壌図II」を紹介する。
目次
概要
同アプリは、土壌の種類や分布を調べられるデジタル土壌図のウェブサイト「日本土壌インベントリー」を運営する農研機構 農業環境変動研究センターが提供するアプリで、スマートフォンを使って土壌図を閲覧できる。
同機構の発表によると、近年、土壌情報の利用場面が農業生産現場だけでなく環境面にまで拡大しており、農耕地以外の土壌図の利用ニーズが高まっているという。
そこで、同機構が農耕地以外も含む日本全域を網羅する土壌図として作成したのが「全国デジタル土壌図(縮尺20万分の1相当)」と「(新)農耕地土壌図(縮尺5万分の1相当)」である。
これらを「日本土壌インベントリー」のウェブサイトとスマホアプリ「e-土壌図II」を通して配信している。
収録されている土壌図
アプリには以下の土壌図(いずれも農研機構が作成)が収録されている。
- 縮尺20万分の1相当の全国の土壌図
- 拡大時に表示される縮尺5万分の1相当の農耕地土壌図
使い方
同アプリでは、さまざまな土壌の分類に応じて地図が色分けされている。
地図上をタップするとウインドウがポップアップして土壌分類名と説明が表示される。
土壌分類名をタップすると解説を確認でき、土壌に詳しくない人にも配慮されている。
背景地図は国土地理院標準地図と空中写真の2種類から選択でき、いずれも特定の土壌分類だけを選んで表示することもできる。
スマートフォンやタブレットに搭載のGPS機能を使えば、利用者の現在位置を地図上に表示できる。
メモや写真の貼り付けも可能
地図上にメモや写真を貼り付けてKMLファイルとして保存することもできる。
農研機構が用意するウェブサイト上にアップロードしてPCとファイルをやり取りすることもできる。ファイルの保存期間は3日間。
アプリからアップロードするとダウンロード用番号が発行されるので、ウェブブラウザでアクセスしてこの番号を入力すれば、PCからKMLファイルをダウンロードできる。
PCからKMLファイルをアップロードしてスマートフォンからダウンロードすることも可能だ。
同アプリで表示される土壌図のデータは、Shapeファイル形式(GIS用のファイルフォーマット)のオープンデータとして入手でき、農業ICTの基盤情報として利用するなど、さまざまな使い方が可能だ。
全国の土壌を簡単に調べられる「e-土壌図II」を使って、身近な場所の土壌について調べてみてはいかがだろうか。
■URL
e-土壌図II
https://soil-inventory.dc.affrc.go.jp/eSoilMap.html
※本記事で紹介したアプリに関する詳細は提供会社様あてにお問い合わせください。