用語解説

GPSとは|仕組み・精度・活用例

こんにちは、インフォマティクスの空間情報クラブ編集部です。

昨今、携帯電話やスマートフォンをはじめさまざまなデバイスへGPSが搭載されるようになりました。

今回は日常生活にも浸透しているGPSについてまとめました。

GPSとは

GPSとはGlobal Positioning System(グローバル・ポジショニング・システム)の略で、人工衛星を利用して位置を測定する仕組み(システム)のことをいいます。

アメリカ国防総省が開発・運用している衛星測位システムで、「全地球測位システム」あるいは「全地球衛星測位システム」とも呼ばれます。

GPSの仕組み

GPSは、地球上空を回っているGPS衛星(正式名:ナブスター衛星)からの信号を受信機で受け取って現在位置を把握するシステムです。

この仕組みによって得られる情報(GPSデータ)は、誰もがいつでもどこでも利用することができます。

GPS衛星は、高度約2万kmの6つの軌道面にそれぞれ4つづつ、予備の5衛星の計29機が配置されています。各衛星は、衛星の位置を表わす軌道情報や時刻情報を発信しながら、地球をおよそ12時間で周回しています。

GPS受信機は、複数のGPS衛星からの電波を受信し、それぞれとの距離を割り出すことで現在位置を測定するという仕組みになっています。

衛星測位システムの種類

世界各国の衛星測位システムの開発・運用状況は以下のとおりです。

名称 運用している国
GPS アメリカ合衆国
GLONASS ロシア
GALILEO EU
北斗 中国
DORIS フランス
IRNSS インド
QZSS 日本

日本が運用しているQZSS(準天頂衛星システム)について、詳しくはこちらをご覧ください。

GPSの精度

もともと軍事用に開発されたGPSは、アメリカ国防総省が一般向けのGPS受信機に対してスクランブルをかけて故意的に精度を50~100メートル程度にまで下げていました。

しかし2000年のスクランブル解除以降、一般利用でのGPSの精度が数メートルレベルにまで向上しました。

ただし精度が向上したとはいえ、以下のような要因により精度が変わることがあります。

大気状態

大気の状態が悪いときはGPS電波が上手く届かず、誤差が生じることがあります。

建物や山などの遮蔽物

遮蔽物が多い場所では誤差が大きくなったり、GPSが使えなくなることもあります。

通信障害

携帯電話会社で通信障害が発生した場合、GPSの補正データが送信できずサービスが利用できなくなる場合があります。

GPSの活用例

軍事用途としては、航空機の位置確認、巡航ミサイルや爆弾の誘導などに使われています。

近年、GPS受信機の小型化や低価格化、背景地図を表示するコンピュータシステムの低価格化が進み、カーナビやスマートフォンをはじめ、ウェアラブル端末、ドローンなどへの搭載が広がってきました。

これに伴って、さまざまな分野でGPSを利用したサービスが提供されています。

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GPSは以下をはじめ、いろいろな分野に応用できます。

観光庁では、GPSを利用して観光客の行動分析を調査しようという取り組みが行われています。

GPS搭載のデバイス

GPS搭載のデバイスとして一番身近で馴染みがあるのはスマーフォンやスマートウォッチですが、サイクリング好きの方なら「GPSロガー」をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

GPSロガーは、移動した経路をGPSデータを使用して記録するツールです。PC上でGISソフトと連動させれば、サイクリングやマラソン、旅行などの行程を地図画面上に表示したり、撮影した写真を取り込んで撮影場所と関連付けて保存しておくこともできます。

アプリをダウンロードしてスマートフォンで同様のことを行うことも可能ですが、バッテリーや精度の面から、専用機への根強い人気があるようです。

機器の形態も、スマホ型だけでなく腕時計型も登場して、ますます手軽に使えるようになってきています。

おわりに

今回はGPSについてご紹介しました。

空間情報クラブでは、生活やビジネスに役立つ位置情報デバイスをご紹介していますので、ぜひご覧ください。

GPSデバイスコラム(ライター 片岡義明氏執筆)

【参考】
・内閣府宇宙開発戦略推進事務局ウェブサイト https://www8.cao.go.jp/space/
・観光庁ウェブサイト https://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/kankochi/gps.html
・『GPSのしくみと応用技術』(CQ出版/トランジスタ技術編集部編)

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空間情報クラブ編集部

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