GISソフト「SIS」活用講座

GISソフト「SIS」こんなときはどうする!?|Part5 座標系編

前回に続き、SISユーザーサポートにお寄せいただいたご質問から、SISの操作に役立つ情報をご紹介します。今回は「座標系」に関して、SISの使用方法とともにご説明します。

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座標系とは

GISを使っていると必ず「座標系」という用語が出てきます。そもそも座標系とは何でしょう?

大まかに言うと、「地球上のある場所の位置を、座標値(緯度経度またはXY)を使って示す際の決まり」のことです。ここではGISでの利用を前提に、概要を説明します。

地球は球体(正確には回転楕円体)で、グリニッジ天文台を基準にした東西方向の角度(経度)と、赤道を基準にした南北方向の角度(緯度)で、位置を示すことができます。この座標系は「緯度経度座標系」や「球形座標系」や「地理座標系」と呼ばれています(図1)。全世界を角度の座標値で表すことができますが、m単位で正確な距離や面積を求めるには難しい計算が必要です。

図1:緯度経度で表示した世界地図

そこで、決まった緯度経度の位置を原点にして球面を平面に投影し、XY軸のm単位で表す座標系があります。この座標系は「XY座標系」や「数学座標系」や「投影座標系」と呼ばれています(図2)。日本で使用されている平面直角座標系などが該当します。

図2:平面直角座標系第9系の原点付近

世界測地系と日本測地系

前項で「正確には回転楕円体」と書いたように、実際の地球は自転の影響を受けて赤道部分が膨らんだ回転楕円体です。地球の形にできるだけ近づけて、測量の基準にできるようにした回転楕円体を「準拠楕円体」と呼び、準拠楕円体を使用して緯度経度を測定する測量の基準を「測地系(測地基準系)」と呼びます。

世界標準の「世界測地系」は、準拠楕円体として「WGS84」や「GRS80」(実用上はほぼ同じ)が採用されています。日本では「GRS80楕円体」を採用した「日本測地系2000」(2002年4月以降)と「日本測地系2011」(2011年10月以降)を使用して、全国の基準点の緯度経度の座標値を求めています。

一方、明治時代以降2002年4月までは準拠楕円体として「ベッセル楕円体」を採用した「日本測地系」が使用されていました。

世界測地系である「日本測地系2000」「日本測地系2011」と、「日本測地系」とでは、地球の形の定義(準拠楕円体)が異なるため、同じ位置でも400m ~ 450mくらい座標値が異なります。

また、準拠楕円体の変更に加えて「日本測地系2000」は、過去の測量技術の制約や地殻変動による基準点の歪みを解消するため、基準点の位置が補正されました(数m~)。「日本測地系2011」ではさらに、東北地方太平洋沖地震の地殻変動による基準点の歪みを補正しています。そのため、SISで日本測地系と世界測地系のデータを重ね合わせると、補正された分だけずれて表示されます。

SIS 9では、「日本測地系」のデータを「日本測地系2000」に変換する「世界測地系変換ツール」や、東北地方太平洋沖地震などの大きい地震で生じた歪みを座標補正する「PatchJGD補正ツール」を用意しています。日本測地系と世界測地系両方のデータがある場合は、変換や補正をする必要があるでしょう。

<参考>国土地理院Webサイト「日本の測地系」、「世界測地系移行に関する質問集(Q&A)

地図に設定する座標系とデータセット座標系

SISで地図データの表示や図形の作図で座標値を指定する場合、地図にどのような座標系が設定されているかまず確認しましょう。

SIS Desktop下部の「座標参照系」アイコンにマウスカーソルを合わせると、地図に設定されている座標系がポップアップで表示されます。変更したい場合はこのアイコンをクリックしてリストから選択します(図3)。

図3:座標系の確認と変更

座標参照系

SISのライブラリには、座標系に設定できる「座標参照系」オブジェクトを多数用意しています。
https://help.informatix.co.jp/sis/9.0/sis/#Named_Objects_APrj.html

座標表示形式

SIS Desktop下部のステータスバーで「座標表示形式」のアイコンをクリックしてリストから「座標系」を選択すると、設定した座標系で位置情報を表示できます(図4)。

図4:「座標表示形式」リストから「座標系」を選択

通常、地図データには座標系の情報が含まれています。地図データの座標系(データセット座標系)は、「オーバーレイ」ダイアログの「データセット」タブの「座標系」で確認できます(図5)。しかし、CADデータなど、データによっては座標系の情報がないこともあります。その場合は、データを読み込む前に座標系を設定するか、読み込み後にデータセット座標系を変更します。

図5:データセット座標系の確認

データの座標系の変換

「緯度経度座標系の地図データを平面直角座標系に変換したい」ということはありませんか。

SISでは「複製」というコマンドを使用して、緯度経度座標系の地図データの図形を、平面直角座標系の地図データにコピーして変換します。

  1. 前項での手順で、アイコンをクリックして平面直角座標系に変更します。
  2. マップコントロールバーで、変換したい地図データを右クリックし「アイテム選択」を実行します(図6)。

    図6:アイテム選択コマンド

  3. 「編集」タブの「クリップボード/複製」を実行します(図7)。

    図7:複製コマンド

  4. 表示されたダイアログで「新規オーバーレイを作成する」を選択して、「オーバーレイ作成」ボタンから「新規データセット」や「内部データセット」を作成します。

おわりに

以上、SISを利用する上で必要な座標系関連の部分をご紹介しました。座標系は難しく感じるかもしれませんが、データを正しく作成するために、今回の記事をご活用いただければ幸いです。

SIS Desktopシリーズ 製品情報
https://www.informatix.co.jp/sis/

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<地図データ出典>
国土地理院:地理院タイル(標準地図、淡色地図)
Open StreetMap data © OpenStreetMap Contributors

※この記事は、GIS NEXT第83号に掲載された記事を編集したものです。

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空間情報クラブ編集部

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