GIS用語解説

ボロノイ分割とは|分割方法

12月 5, 2014

こんにちは、インフォマティクスの空間情報クラブ編集部です。

今回はボロノイ分割(ティーセン分割)についてご紹介します。

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 はじめに

今回は、地図データを「表示する」だけでなく「分析する」ということについて、ボロノイ分割(ティーセン分割)を例にご紹介します。

 図1:ラーメン店マップ

分析に使うデータを用意する

ひと口に地図データといっても、表示用の背景データもあれば、分析用の道路ネットワークデータ、図1のようなラーメン店のポイントデータもあります。入手した情報をもとに独自作成したデータもあるでしょう。

いずれにせよ、地図表示のデータと分析に使うデータは、それぞれ異なるレイヤにして用意するのが一般的です。(図2)

図2:表示用背景データ

図2:分析用ポイントデータ

ボロノイ分割とは

ボロノイ分割(ティーセン分割)について、ある施設の情報が格納されているポイントデータを例にご説明します。(図2 右)

ボロノイ分割は、各ポイント(母点)の勢力圏を分析するための手法の1つです。

ある母点までの距離が最短となる点の集合を1つのポリゴンで表したとき、それを「ボロノイ領域」といい、全ての母点のボロノイ領域を算出したものが「ボロノイ図」です。(図3 左)

2次元平面におけるボロノイ分割では、各ボロノイポリゴンの境界線は母点間を結ぶ線分の垂直2等分線になります。(図3 右)

図3:ボロノイ図

図3:その作成方法

重み付きボロノイ分割とは

ボロノイ領域は、同一の母点までの「距離」が最短になる点の集合なのですが、通常、各母点が持つ勢力は必ずしも同一ではないので、各母点間を垂直に2等分しても理想的な分析結果とはいえない場合があります。

そこで登場するのが「重み付きボロノイ分割」です。

重み付きボロノイ分割は、母点ごとに「重み」が異なっていると仮定し、その重みで「距離」を加法的・乗法的に補正してボロノイ分割を行う手法です。(図4)

図4:加法的ボロノイ分割

図4:乗法的ボロノイ分割

重み付きボロノイ分割の作成方法

加法的重み付きボロノイ分割では、2つの母点に対して距離に重みを足し合わせた値が等しくなる点を算出して境界線を作成します。

境界線は、2つの母点からの距離の差が2点の重みの差と常に等しくなるため、双曲線となります。(図5)

一方、乗法的重み付きボロノイ分割では、2つの母点に対して距離に重みを掛け合わせた値が等しくなるような点を算出して境界線を作成します。

この境界線は、2つの母点からの距離の比が常に等しくなるため、円の弧となります。(図6)

これらの操作を、各母点からなるドローネ三角形の各辺において行ったときに、各母点から見て最も近接している境界線から構成される領域がボロノイ領域となります。

図5:加法的重み付きボロノイ分割の作成方法

図6:乗法的重み付きボロノイ分割の作成方法

より理想的な分析結果を得るために

実際にボロノイ分割でデータを分析する際、各母点にどのような「重み」を設定し、どの方法を採用すべきでしょうか?

例えば、学校の校区を検討する場合であれば、学校の収容可能人数や学校周辺の児童数などさまざまな条件を組み合わせて「重み」を設定した上で、重み付きボロノイ分割を使えば、より理想的な結果に近付けることができるでしょう。

指標や計算式を理論的に算定するのは、研究者が論文を書いて説明しなければならないほど難しい問題です。

GISの技術者や利用者は、必要なデータを追加したり、指標や計算式をチューニングして試行錯誤し、その過程で分析対象の特徴をつかむことができれば、それが次へのステップにつながります。

少しずつ条件を変えて再帰的に分析を行う。これがGIS特有の分析手法であるといえます。

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