こんにちは、インフォマティクスの空間情報クラブ編集部です。
今回はWeb Map Tile Service(WMTS)についてご紹介します。
参考
インフォマティクスでは、国内で約36,000のお客様に利用されているGIS(地理情報システム)製品SIS(エスアイエス)をご用意しております。
SISの資料をダウンロードする
目次
Web Map Tile Service(WMTS)とは
Web Map Tile Service(以下、WMTS)とは、Web経由で地図画像を提供するために、Open Geospatial Consortium(OGC:地理情報システム関連技術の標準化を推進する非営利団体)が定めている国際規格の1つです。
このWMTS方式で地図画像を配信すると、規格に沿ったサーバーとクライアントであれば、異なるプラットフォーム間でも地図データのやりとりができ、地図を軽快に表示・利用することができます。
Open Geospatial Consortium(OGC)のホームページ
WMSとの違い
Web Map Service (以下、WMS)もOGCが策定した技術仕様の1つで、GISサーバーとクライアント間での地図データのやりとりを可能にする規格です。
Web地図配信において古くからある標準規格です。
WMSは範囲が変わるたびに再描画しなければならない問題があり、多数のクライアントから同時アクセスする場合でも地図を高速描画したいという要望に対応しづらくなってきました。
そのため、あらかじめ地図を小さなタイル画像に分割して保存しておき、そのタイル画像を配信する「WMTS」の規格が生まれました。
WMTSでは、地図コンテンツを縮尺ごとの段階をもった小さなタイルに分割し、そのタイル画像をやり取りします。
画像はキャッシュとして保存され再利用できるため、高速かつ効率的な地図表示が可能になります。
WMTSの配信側の規格
WMTSのメリット
クラウド環境のようなインターネット経由で地図配信サービスを提供する場合、WMTS規格に準拠させておくことで、より多くのクライアントに対応できます。
WMTSを利用するには、OGCの定義するWMTS仕様書「OpenGIS Web Map Tile Service Implementation Standard」に沿った実装を行う必要があります。
ここで定められた方式のURLを指定することで、これらのリクエストが正しく処理され、期待した応答をブラウザに返すことができ、効率よく地図表示される仕組みになっています。
インフォマティクスでは、標準規格OGCに対応したGIS(地理情報システム)製品「SIS」(エスアイエス)をご用意しております。
クライアント側での利用方法
WMTSのサーバーにはタイル状の画像が格納されているので、それを利用するクライアント側では、そのタイル状の画像を並べて表示します。
WMTS形式で配信された地図をクライアントとして表示するには、Webブラウザを使うか、WMTS1.0.0に対応したGISソフトウェアを使うとよいでしょう。
Webブラウザを使う場合は、オープンソースであるOpenLayersを使うなどして、WMTS形式の地図表示ができるようにしておく必要があります。
一度受信した地図コンテンツは、キャッシュとして端末に格納できるため、そのつどデータを読み込む必要がなく、軽快な動作を実現できます。
OpenLayersのホームページ
おわりに
WMTS規格に対応していれば、クライアント側でも配信側でもこの規格に準拠したさまざまな地図を表示できるので、幅広い選択肢から最適なGIS環境を構築できます。
さらにOGCが推奨しているGIS標準化にも一役買うことになるため、今後もぜひ利用したい技術です。
<地図データ出典>国土地理院発行の数値地図2500(空間データ基盤)を使用したものです。
GISソフトをお探しなら
GISソフトをお探しの方、現在お使いのGISに課題を感じている方は、GIS(地理情報システム)製品SISのご利用を検討されてみてはいかがでしょうか。無償版もご用意しています。
SISの資料をダウンロードする >>
GISやAI機械学習を使った業務システムの構築に関するご相談を承っています。お気軽にお問い合わせください。