Web Map Tile Service(WMTS)とは?

標準

2014年4月18日


今回はWeb Map Tile Service(WMTS)についてご紹介します。

Web Map Tile Service(WMTS)とは?

Web Map Tile Service(以下、WMTS)とは、Web経由で地図画像を提供するために、Open Geospatial Consortium(OGC:地理情報システム関連技術の標準化を推進する非営利団体)が定めている国際規格の1つです。

このWMTS方式で地図画像を配信すると、規格に沿ったサーバーとクライアントであれば、異なるプラットフォーム間でも地図データのやりとりができ、地図を軽快に表示・利用することができます。
Open Geospatial Consortium(OGC)のホームページ

Open Geospatial Consortium(OGC)のホームページ

WMTSとWMS

Web Map Service (以下、WMS)も、OGCが策定した技術仕様の1つで、GISサーバーとクライアント間での地図データのやりとりを可能にする規格です。Webでの地図配信において、最も古くからある標準的な規格です。

しかし、WMSは範囲が変わるごとに毎回描画し直さなければならないという問題があり、多数のクライアントから同時アクセスするような場合でも地図表示を速くしたいという要望に対応しづらくなってきました。そのため、あらかじめ地図を小さなタイル画像に分割して保存しておき、そのタイル画像を配信するというWMTSの規格が生まれました。

WMTSでは、地図コンテンツを縮尺ごとの段階をもった小さなタイルに分割し、そのタイル画像をやり取りします。画像はキャッシュとして保存され再利用できるため、高速かつ効率的な地図表示が可能になります。

WMSとWMTSの違い

WMSとWMTSの違い

WMTSの配信側の規格

クラウド環境のようなインターネット経由で地図配信サービスを提供する場合、WMTS規格に準拠させておくことで、より多くのクライアントに対応することができます。

WMTSを利用するには、OGCの定義するWMTS仕様書「OpenGIS Web Map Tile Service Implementation Standard」に沿った実装を行う必要があります。ここで定められた方式のURLを指定することで、これらのリクエストが正しく処理され、期待した応答をブラウザに返すことができ、効率よく地図表示されるという仕組みになっています。

WMTSのクライアント側での利用

WMTSのサーバーには、タイル状の画像が格納されているので、それを利用するクライアント側では、そのタイル状の画像を並べて表示します。

WMTS形式で配信された地図をクライアントとして表示するには、Webブラウザを使うか、WMTS1.0.0に対応したGISソフトウェアを使うとよいでしょう。Webブラウザを使う場合は、オープンソースであるOpenLayersを使うなどして、WMTS形式の地図表示ができるようにしておく必要があります。

一度受信した地図コンテンツは、キャッシュとして端末に格納できるため、そのつどデータを読み込む必要がなく、軽快な動作を実現できます。

OpenLayersのホームページ

OpenLayersのホームページ

おわりに

クライアント側でも配信側でも、WMTSという規格をサポートすることで、この規格に準拠したさまざまな地図を表示できるので、幅広い選択肢から最適なGIS環境を構築できるメリットがあります。

さらに、OGCにより推奨されているGISの標準化にも一役買うことになるため、今後もぜひ利用したい技術ですね。

地図データ出典:国土地理院発行の数値地図2500(空間データ基盤)を使用したものです。