こんにちは、インフォマティクスの空間情報クラブ編集部です。
今回はGISの標準化についてご紹介します。
目次
GISの標準化とは
あるGISソフトで作成・編集したデータを別のGISソフトで閲覧・利用する場合、データ間で互換性がないと利用できません。
そこで、データの設計、品質、記述方法、仕様の書き方について共通ルールを定め、このルールに準拠することで異なるGISソフト間での相互利用を拡大していこうという考えを「標準化」といい、ルールそのものを「規格」といいます。
異なるGISソフト間でより自由にデータ交換するためには、GISの標準規格に準拠したデータ仕様を作成することが重要です。
GIS標準規格の検討・策定・推進を行っている団体
ISO/TC211
国際標準化機構(ISO)の地理情報専門委員会(TC 211)は、地理空間情報の国際標準化を目的とした機関。
ISOにおいて地理情報に関する専門委員会(Technical Committee:TC)の設立が提案され、各国からの投票の結果、 211 番目の TC として設立。
国際標準化機構 地理情報専門委員会(ISO/TC 211)の公式サイト
OGC(Open Geospatial Consortium)
Open Geospatial Consortiumは、業界主導で地理情報の標準化に取り組んでいる国際的な非政府・非営利の標準化団体。
OGCでは、政府、営利/非営利団体、研究機関などが協力し、地理空間のコンテンツやサービス、GISデータ処理、データ共有などに関する標準規格の開発・実装を行っている。
Open Geospatial Consortiumの公式サイト
GIS標準規格の種類
地理情報標準(JSGI)
ISOの国際規格案をもとに、国内標準として策定されたもの。もととなったISO規格が確定したのち、ISO規格との整合・修正を行いJIS(日本工業規格)化したもの。
地理情報標準プロファイル(JPGIS)
「地理情報標準プロファイル」の略称で、ISOやJISで定められている標準規格の一部を取り出し、内容をまとめ直した実用版の標準規格。
G-XML
GIS標準規格の1つ。
XMLベースのマークアップ言語およびプロトコル。日本情報処理開発協会データベース振興センターが中心となって仕様を策定したもの。
GML
GIS標準規格の1つ。
XMLベースのマークアップ言語。業界団体であるOGCが仕様を策定したもの。
CityGML
仮想3D都市および景観モデルの記述、管理、交換のためのデータ形式標準。
平成20年8月にOGC 標準となった。OGC で原案が策定されたISO 19136:2007 Geography Markup Language(GML)の応用スキーマとして実装されている。
OpenGIS Web Map Service(WMS)とは
OpenGIS は、Open Geospatial Consortium(OGC)が策定した技術仕様の総称のことで、それらを実装すると、異なるGISソフトウェア間での地図データのやりとりが可能になります。
WMSはこの技術仕様の1つで、画像による地図データのやりとりを規定しています。
各仕様にはバージョンがあり、WMSの最新バージョンは1.3.0(2004年1月リリース)です。
クライアント側とサーバ側のソフトウェアがWMSを実装していると、クライアント側ソフトウェアは複数のWMSサーバから地図データを取得して重ね合わせることができます。
関連サイト
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【参考文献】
国際標準化機構 地理情報専門委員会(ISO/TC 211)公式HP
Open Geospatial Consortium 公式HP
地理情報標準とは(国土地理院HP)
地理情報標準プロファイル(JPGIS)(国土地理院HP)