地図や位置情報を活用したスマートフォンアプリを紹介するこの連載、今回は、海釣り用のマップアプリ「海釣図V」を紹介する。
海釣図V
目次
概要
「海釣図V」は、海底の地形がわかる海釣り向けのiOS/Android向けマップアプリだ。
提供元の株式会社マップル・オンは、「スーパーマップル」や「山と高原地図」の地図製品で知られる昭文社のグループ会社で、船舶向けの航海支援アプリ「new pec smart」も提供している。
「new pec smart」は日本水路協会が発行する「航海用電子参考図 new pec(ニューペック)」をもとに開発されたマップアプリで、「海釣図V」は「new pec smart」の機能の中から海釣りに役立つ機能に絞った機能限定版といえる。
海底マップは美しく見やすいベクトル地図で、縮尺は1/25,000相当となる。
同社は過去にラスター形式の地図データを使ったGPSフィッシングアプリ「海釣図」をリリースしたが、2018年6月にベクトルデータを採用した「海釣図V」としてリニューアルした。
ベクトルデータを採用することで、全国エリアをシームレスにスクロールしながら見れて、マップデータの更新も「new pec」の年4回更新に完全対応できるようになった。
特徴
地図データをダウンロードしてスマートフォンのローカルストレージに保存でき、電波の届きにくい海上でも問題なく使用できる。
マップは海底の地形を最小1m間隔の等深線で見やすく色分け表示されており、魚礁(海中の岩のある場所)や根(海底に起伏のある場所)など、魚が集まりやすいポイントを検索できる。
等深線で海底の地形がわかる
地図データのダウンロードが可能
周辺の魚礁を検索できる
航行の安全に必要な暗岩や洗岩、干出岩などの岩礁や、危険な区域を示す危険界線も表示される。
マリンレジャーの拠点情報(マリーナや海の駅、漁港)も豊富に収録している。
マリーナや海の駅の情報も収録
スマートフォン内蔵のGPSを利用してボートの航跡を軌跡ログとして保存できるほか、釣果の良かった地点を保存しておくこともできる。
記録した航跡をマップ上に表示できるほか、釣行時にスマートフォンで撮影した写真も自動表示できる。
これらの記録はDropboxなどのストレージサービスにバックアップでき、機種変更の際も復元できる。
記録したデータはほかのユーザーと共有することも可能で、航跡はGPX形式で出力して、別アプリに取り込むこともできる。
国内約840地点の観測データをもとに、最寄りの潮汐情報をグラフ表示することも可能だ。
現在地周辺の風速や風向き、波高、波周期、海水温をマップ表示できるほか、潮汐観測地点や現在地付近の天気予報も調べられるので、釣行計画を立てる際に役立つ。
潮汐グラフ
風速
海水温
天気予報
利用料金
同アプリの利用料は月額500円で、日本全国のマップが使い放題となる。上位版「new pec smart」は月額960円なので、海の地形を見るだけであればこちらのほうがお得だ。
「new pec smart」は現在のところiOS版だけなのに対して(2019年9月27日現在)、「海釣図V」はAndroid版も用意されている。
初回登録から30日間は無料で使用可能なので、海釣りが好きな人だけでなく海底地形に興味のある人はとりあえず登録して試してみてはいかがだろうか。
何気なく見ていた海の底が意外と深かったり、凹凸が激しかったりと、さまざまな発見があるはずだ。
■URL
海釣図V https://mapple-on.jp/products/kaichouzu-v
※本記事で紹介したアプリに関する詳細は提供会社様あてにお問い合わせください。