本記事は、空間情報シンポジウム2020(オンライン開催)公式サイトに寄稿されたマップル社製品紹介文を、マップル社の承諾を得て掲載したものです。
2020年4月、昭文社グループは持株会社体制へ移行し、GIS用地図データベース販売をはじめとしたデジタルソリューション事業の継承会社として「株式会社マップル」が誕生しました。
新しいマップルをこれからもどうぞ宜しくお願いいたします。
目次
主な取扱商品
- MAPPLEデジタル地図データ
- 各種ネットワークデータ(車・歩行者)
- 各種検索用ポイントデータ(住所・目標物・郵便番号)
- 観光情報データ(ガイド情報・観光地ポリゴン) 等
https://www.mapple.co.jp/biz/service/service_category/digital/
マップルの特徴1|30年間親しまれ続けたこだわりの地図
昭文社が1991年より出版している、りんご表紙の道路地図帳「スーパーマップル」をデータ化したMAPPLEの地図データには、出版社だからこその“見やすさ”へのこだわりやノウハウが詰まっています。
背景図としての使いやすさにご好評いただいています。
マップルの特徴2|観光系データも充実
観光ガイドブック「まっぷるマガジン」「ことりっぷ」向けに収集した全国の観光・おでかけ情報をデータ化。
地図と観光情報を活用した各種提案が可能です。
マップルの特徴3|他にはない独自視点のオリジナルデータ
昭文社のヒット書籍をデータ化した「山あるきデータベース」「帰宅支援マップデータ」などは、他では見かけないマップルならではの商品です。
山あるきデータベース、制作の裏側に潜入!
「山あるきデータベース」は、登山者必携の人気書籍「山と高原地図」の情報をもとに整備されたGIS用データベースです。
その「山と高原地図」編集部にお邪魔して、担当者に制作の裏側を聞いてきました。
山あるきデータベースのもととなる「山と高原地図」はどのような商品なのでしょうか?
― 登山者向けの地図です。登山道やそのコースタイム、山小屋等施設の情報、絶景ポイントなど、登山時に役立つ情報がふんだんに掲載されていますので、山の全体像を的確にとらえることができます。
創刊56年と昭文社の中でも最も歴史ある商品の一つで、北は利尻~南は屋久島までシリーズ61冊を発行しています。
61の山をカバーしているということですか?
― 1冊の中で周辺の複数の山を収録しているのでもっと多いです。
日本百名山は100%、200名山は96%くらいのカバー率でしょうか。
今後は200名山、300名山ともにより多くの山を収録できるように改訂を進めていきたいですね。
山と高原地図最新版と創刊当時の山岳地図(山と高原地図の前身)
実際に山に登って取材しているって本当ですか?
― 本当です。
61冊それぞれに著者がいて、その方々が毎年実際に山へ入って現地を取材しています。
ですから、「山と高原地図」は単なる再版ではなく、毎年情報を更新した改訂版を出版しているのです。
著者はアルピニスト、山岳ガイド、写真家、地元の観光NPOや山岳会など… 総勢76名・団体からなる山のプロ達です。中には創刊時から56年間ずっとお世話になっている方も。
もちろん著者の交代もありますが、後任者を紹介してくださる場合も多く、プロからプロへバトンが繋がっています。
山ではどのような取材をしているのでしょうか?
― 著者の皆様には紙の原稿をお渡しし、その原稿に現地の様子を書き込んでいただいています。
この原稿は実際の「山と高原地図」(縮尺1/50000)より詳細な1/25000の図面なので、実は書籍に掲載しきれない情報も細かく取材してきてくださっているんですよ。
「山あるきデータベース」の方では、データである利点を活かして書籍から漏れてしまった情報も収録しています。山での取材期間は1エリアあたり15日~多い場合で30日もかかります。
取材対象の中心は登山道で、災害等によるコース変化の有無だけでなく、GPSを持って歩いている著者がほとんどなので位置ズレを細かく修正することもあります。
施設の連絡先や交通情報も毎年最新情報を確認しています。
その他、絶景ポイント等も原稿図面に著者それぞれの言葉で書き込まれています。
これまで「素晴らしい眺望」とあったものを「神々しい眺望」に変更、などのコメントが書かれていると、どれほどの眺めなのかと気になりますね。
取材から出版までの流れを教えてください。
― 冬季は入れない山もあるので、夏が取材シーズンです。その後情報入力や編集作業を経て、毎年2~3月頃に最新版を発売しています。
- 夏:各著者による入山取材開始
- 秋:取材成果が続々と編集部に到着。情報のデータ入力を開始
- 冬:データ入力が終わり、書籍向けに情報の取捨選択・レイアウト等を行った原稿を著者が最終チェック。この時点で追加の情報をいただくことも。
- 1~2月:原稿完成・下版。同時に、次回の取材について著者と打ち合わせ開始
- 2~3月:「山と高原地図」最新版発売
登山だけでなく、山岳救助の現場でも使われているそうですね。
― はい、特に「山あるきデータベース」は圧倒的に警察・消防における山岳救助用途での採用実績が多いです。
書籍・データともに有事の際の人命救助に役立っているなら嬉しいですね。
山中での位置情報把握のほか、捜索拠点を置く場所の選定にも使われていると聞いたことがあります。
一番のこだわりや強みを教えてください。
― 一番のこだわりは段彩表現(等高線ごとに色を変えて立体的に見せる表現。書籍版のみ)です。
〇mの高さは何色、と機械的な設定をするのではなく、61商品すべてで設定を変えています。
単純に高さだけで色味を設定すると、その山の特徴が伝わらないことがあるんです。
尾根や谷など地形の様子がしっかり伝わるか、その上で色味が美しく見やすいか、時には10回以上設定をやり直して試行錯誤することもあります。
もう一つは、全エリアにプロの著者がいること。
口コミ情報から成る山案内など、現在は様々な情報が存在していますが、山に精通したプロが歩いて収集・判断した情報を発信している点は他にはない強みです。
ちなみにやっぱり編集担当者も山好きなのですか!?
― 現在2名で編集作業を担当していますが、僕はそうでもなかったです(笑)。
でも商品を担当するようになって著者さんとの打ち合わせで現地へ行くことも増えたので、そういう時は自分でも登るようにしています。
もう一人の担当は本格的な山ガールです!好きなエリアは「白馬」だとか。
最後に、一言お願いします。
―「山と高原地図」もスマホアプリ版がありますが、現地ではデジタルデータが活躍する場面も多いと思います。
紙地図の良いところは、山全体の様子を捉えやすいこと。登山前のプランニングに最適ですし、眺めているときっと新しい発見もあるはずです。
今週末は忙しくて山に行けないな...。そんな時でも家で「山と高原地図」を広げて山への想いを馳せてみてはいかがでしょうか。
入念なプランニングは事故を防ぐためにも大切なことです。ぜひ、「山と高原地図」で楽しい登山のプランニングをされたうえで、山へいらしてください!
※「山と高原地図」「山あるきデータベース」は上記でご紹介した共通の取材工程を経て制作しておりますが、その性質上、収録情報量や表現方法が異なる場合がございます。詳しくはマップル「山と高原地図」編集部あてにお問い合わせください。
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※本記事は、空間情報シンポジウム2020(オンライン開催)に寄稿されたマップル社製品紹介文を、マップル社の承諾を得て掲載したものです。