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位置情報を利用したカー用品を一挙紹介

第2回でカーナビについて紹介したが、カー用品にはナビゲーションシステム以外にも位置情報を活用した製品が多数発売されている。

今回は位置情報に関連したさまざまなカーグッズを紹介する。

ドライブレコーダー

衝撃を感知して事故時の映像を録画できるカメラ。

GPSを搭載したものは映像とともに位置情報も記録でき、記録した動画を地図と連動しながら見ることができる。

車の走行ルートや速度も記録でき、どの道を走ったのか、沿道にはどのような施設があったのかを思い出せるので、ドライブ記録ツールとしても活用できる。

事故の際にも発生地点を正確に記録できるため、事故の状況を第三者に伝えやすい。

GPS搭載なので、衛星からの電波を受信して、日時を自動設定できるのも利点の一つ。

事故時の記録で、相手方が撮影した映像の日時と異なると、証拠としての信頼性に欠けると見なされる場合がある。常に正しい日時に自動設定されるのは便利だ。

GPS搭載ドライブレコーダーは以下のような多くのメーカーが提供している。

レーダー探知機メーカー

  • ユピテル
  • コムテック
  • セルスター など

カーナビメーカー

  • パナソニック
  • パイオニア など

GPS機器メーカー

  • ガーミンジャパン など

カーナビやレーダー探知機との連携が可能な製品もある。

GPS搭載ドライブレコーダー「FDR E530」

画像提供:ガーミンジャパン株式会社

レーダー探知機

速度取締機と思われるレーダー波を感知して知らせる機器。

GPS搭載製品は、レーダー波を感知できない場合でも、現在地をもとに周辺のオービスや取締エリアを知らせることができる。

取締装置の登録データをアップデートすれば、新たに設置された取締装置を検知できる。

GPS測位は電波が届かないトンネル内では機能しないため、加速度センサーを搭載し、GPS電波が途切れた場合でも自車位置を推定できる製品もある。

高速道路の高架や地下など上下どちらの道を走行しているのか推定できない場合に、気圧センサーで測定した気圧差をもとに正確な位置を推定できる製品もある。

近年では大きいディスプレイを搭載した製品も増えており、地図上で自車位置とレーダーの位置を確認できる。

取締を探知するだけでなく、高速道路のサービスエリアやパーキングの入口と出口、料金所のないインターチェンジ出口を対象に、逆走した場合に警告する機能も登場している。

ダッシュボードの上に置く一体型、ルームミラーに映し出すミラー型、シガーソケットタイプなどさまざまな形状がある。

逆走警告と高速道逆走注意エリア警告機能を搭載したレーダー探知機「AR-W83GA」

画像提供:セルスター工業株式会社

駐車位置ナビ(カーファインダー)

駐車位置を記録するためのデバイス。シガーソケットに差し込める形状のものが多い。

Bluetoothでスマートフォンと通信し、エンジンオフ時に電源が切れた位置がスマートフォンアプリに記録されるため、広い駐車場内で自分の車を止めた位置を忘れてしまっても簡単に探し出せる。

本体にGPSの測位機能を搭載しているのではなく、スマートフォンのGPSを利用している。

カーファインダーとして単機能の製品も販売されているが、FMトランスミッターの付加機能として提供されている場合が多い。

カーファインダー機能を搭載したFMトランスミッター「Anker Roav Transmitter F2」

画像提供:アンカー・ジャパン株式会社

ETC2.0車載器

ETC2.0には、従来のETCによる高速道路料金の支払機能に加え、渋滞や災害支援情報の提供サービスや、経路情報を活用したサービスも提供される。

これらの新機能を利用するには、カーナビやスマートフォンとETC2.0車載器を接続し連携させる必要がある。

GPS搭載の車載器であればカーナビやスマートフォンとの接続が不要で、単体でETC2.0のサービスを利用できる。

GPS搭載ヘッドアップディスプレイ

ダッシュボード上に置いて小型の投射スクリーンに速度情報を表示する機器。

運転視界に情報を表示できるため、前方から視線をずらすことなく安全に走行情報を確認できる。

GPS搭載製品は、衛星測位による位置情報をもとに速度を算出できるほか、時刻合わせも不要。速度情報のほか、高度や方角も表示できる。

GPSロガー/トラッカー

車の移動軌跡を記録する製品。

位置情報を記録して後からPCにログを転送できるGPSロガーと、携帯電話回線でクラウドに位置情報を定期送信できるGPSトラッカーの2種類があり、用途によって選べる。

サーキットで走行ラインをチェックするための専用GPSロガーは、1秒間に5~10回の測位が可能な高レート測位の受信機が使用されることが多く、1秒間に1回しか測位できない通常のGPSロガーと比較して、高速走行中の軌跡をしっかりと記録できる。

車の位置情報をリアルタイムに確認できるGPSトラッカーは、自己診断用のOBD2ポートに接続できるものもあり、位置情報とともにさまざまな車のデータを送信できる。

※本記事に掲載の製品モデルは現在廃盤となっている場合がございます。予めご了承ください。

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片岡義明(かたおかよしあき)様

フリーランスライター。ITの中でも特に地図や位置情報に関することを中心テーマとして取り組んでおり、インターネットの地図サイトから測位システム、ナビゲーションデバイス、法人向け地図ソリューション、紙地図、オープンデータなど幅広い地図・位置情報関連トピックを追っている。測量士。インプレスR&Dから書籍「位置情報トラッキングでつくるIoTビジネス」、「こんなにスゴイ!地図作りの現場」、共著書「位置情報ビッグデータ」「アイデアソンとハッカソンで未来をつくろう」が発売。

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