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空間時間人間をたどる旅|私が出会った風景 4

~東京 青山、市ヶ谷編 1980-1981~

 TLヤマギワ研究所に就職、照明設計を深堀

就職活動をする中で、アメリカの照明デザイナー クロード・エンゲルの講演を聴く機会があり、それに感銘を受けてTLヤマギワ研究所に就職を決めました。

そこでは照明デザイナーの第一人者である面出薫(めんで かおる)さんとともに仕事をしましたが、コンセプトとデザインが学べる大変楽しいものでした。

研究所では、照明設計をしながら照明の広報誌の編集を担当していました。光の実験をしたり、話題性のある建物を取材したり、光の文化を考えたりという機会に恵まれ、貴重な経験になりました。

ここでの1年間は、学生時代に学んだことをすべて吐き出し、経験豊富な社会人の人たちと議論しながら仕事を進めるという、良い仕事環境に置かれていました。

当時はバブル真っ只中でもあり、広報誌の制作に予算も時間もたっぷり使うことができました。

市ヶ谷へ移転

社会人となって1年が過ぎる頃、研究所は市ヶ谷にある2階建てのショールームに移転。

ここで運命的な出会いが待ち構えていました。

ショールームの建物はクロード・エンゲルの設計のもと、大型ビームの照明テストを行い、新宿NSビルの30階から吹き抜けを照らすという斬新なデザインでした。

1年が過ぎた頃、アメリカの照明事情を知りたくなり、1か月休暇をとってアメリカ各地の美術館を巡りました。

帰国後にショールーム1階に設立される「CADの会社」で働くことが決まっていたので、アメリカで建築を見て回る旅は、照明設計との別れでもありました。

初めての海外渡航。旅行中は航空管制官のストの真っ最中で、飛行場で待たされる経験もしました。

印象深かった場所はニューオリンズ。ジャズが流れる少しアンニュイな雰囲気がとても気に入りました。一人バーに行き、ハーモニカを吹くおじさんと語らった若い日が懐かしい。

ニューヨークは、石造りの摩天楼に圧倒され、人々の歩くスピードに驚かされました。とにかく大きな皿に盛られたサラダと分厚いステーキにアメリカの大きさを実感しました。

グランドキャニオンの遊歩道には柵がなく、壮大な空間で崖っぷちを歩くという、これまでとは全く違う世界に開眼するきっかけになりました。(posted by Shoichi Mihara)

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空間情報クラブ編集部

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