コラム 人と星とともにある数学 数学

Pythonで数学を学ぼう! 第1回

python.org
ここでPythonをすぐに動かすことができる

AIの快進撃はとどまるところを知りません。

Python(パイソン)はAIの実装に欠かせない強力なコンピューター言語です。AIとPythonを繋ぐキーワードこそ数学。

2020年5月から私は「桜井進のPython・UNIX教室」(Zoomオンラインセミナー)を始めました。

小学校1年生から大人まで参加いただき毎回盛り上がっています。教室ではPythonを使った数学の学び方を実践しています。

そこで実感していることは、Pythonは新しい数学の教科書だということです。

python.orgにアクセス

さっそくPythonを動かしてみましょう。

Pythonの本家本元python.orgにアクセスすると、フィボナッチ数を表示するコードが出迎えてくれます。そして、すごいのがすぐにPythonを試すことができることです。

黄色の四角をクリックすると対話モードが起動

同じ画面に見える黄色の四角にポインターを合わせてクリックするとLaunch Interactive Shellのページが起動し、Pythonが立ち上がります。これがPythonの対話モード(Interactive Mode:インタラクティブモード)です。

Pythonには大きく分けて2つのバージョンがあります。Python2とPython3です。これからPythonを始めようとする人はPython3からはじめましょう。ちなみにmacOSに標準インストールされているのはPython2なので、Python3をインストールしましょう。

画面冒頭のPython 3.8.0 がPython3であることを示しています。最新は3.8.6(2020年9月30日現在)です。

ではさっそく>>>の後に入力してみましょう。

1+1⏎
とすれば2がすぐに表示されるはずです。

Pythonのインタラクティブモードでは電卓としてすぐに使えます。
四則の記号+-*/は通常通りです。()も使うことができます。冪乗は記号^ではなく**を使います。2の3乗は2**3、2の100乗は2**100と記述します。

インタラクティブモードを電卓として使う

ではプログラミング最初のお約束「Hello, worldプログラム」を実行してみましょう。

>>> print("Hello, world")⏎
Hello, world

これであなたもPythonデビューです。Pythonista(パイソニスタ)を目指すもよし、画像認識のAIプログラミングに挑戦してみるもよし、Pythonで数学を学ぶのもよし、素晴らしいPythonワールドがあなたを待っています。

もう少しpython.orgのインタラクティブモードで遊んでみましょう。四則と冪乗以外にPythonには様々な演算が標準で用意されています。

【問題1】演算記号//はどんな計算を表すでしょうか?次の計算例から考えてみましょう。

>>> 12//4
3
>>> 6//2
3
>>> 9//3
3
>>> 10//3
3
>>> 11//3
3

【問題2】演算記号%はどんな計算を表すでしょうか?次の計算例から考えてみましょう。

>>> 10%3
1
>>> 11%3
2
>>> 12%3
0
>>> 12%5
2

答えは、//は商、%は余りです。

さて、せっかくpython.orgにアクセスしたのですから、Docに進んでみましょう。ここにはPythonのあらゆる情報ドキュメントが格納されています。

python.orgトップページからDocにアクセス

Docのトップページに入ったら、画面一番上の言語選択でJapaneseを選びます。すると表示が日本語に変わります。Python3.8.6ドキュメント、ドキュメント一覧からチュートリアルを見つけます。

言語Japaneseを選択してチュートリアルをクリック

チュートリアルでは初心者のための丁寧なナビゲートを受けることができます。「3.1. Pythonを電卓として使う」をのぞいてみましょう。

膨大かつ詳細なドキュメントに圧倒されるはずです。

いかがですか。ブラウザを立ち上げるだけですぐにPythonワールドを体験できてしまいます。Pythonのインストールも実に簡単です。

ぜひ自分のPCでPythonシステムのセットアップに挑戦してみましょう。

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桜井進(さくらいすすむ)様

1968年山形県生まれ。 サイエンスナビゲーター®。株式会社sakurAi Science Factory 代表取締役CEO。 (略歴) 東京工業大学理学部数学科卒、同大学大学院院社会理工学研究科博士課程中退。 東京理科大学大学院非常勤講師。 理数教育研究所Rimse「算数・数学の自由研究」中央審査委員。 高校数学教科書「数学活用」(啓林館)著者。 公益財団法人 中央教育研究所 理事。 国土地理院研究評価委員会委員。 2000年にサイエンスナビゲーターを名乗り、数学の驚きと感動を伝える講演活動をスタート。東京工業大学世界文明センターフェローを経て現在に至る。 子どもから大人までを対象とした講演会は年間70回以上。 全国で反響を呼び、テレビ・新聞・雑誌など様々なメディアに出演。 著書に『感動する!数学』『わくわく数の世界の大冒険』『面白くて眠れなくなる数学』など50冊以上。 サイエンスナビゲーターは株式会社sakurAi Science Factoryの登録商標です。

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