GISソフト「SIS」活用講座

GISソフト「SIS」9 のご紹介|Part12 ツール・サンプル編

今回は、SIS 9のツール・サンプルプログラムのうち、SIS Desktopに機能を追加する「GisLink」プログラムの新機能や活用方法についてご紹介します。

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ツール・サンプルプログラムとは

SIS Desktopは、VBやC#、Pythonを使用したプログラミングを行って業務に特化した独自のコマンドを追加できます。

このようなSIS Desktopをカスタマイズするプログラムの手法を「GisLink」と呼びます。

SISをインストールすると、すぐに使えるようにプログラミングされた「ツールプログラム」と「サンプルプログラム」も一緒にインストールされます。

GisLinkのツール・サンプルプログラムを使用すると、通常のコマンドではできない操作や、手順が複雑で面倒な操作を簡単に実行することができます。
※「サンプルプログラム」はソースコードが付属しています。

SIS 8.0ならできる便利機能Part3 ツール・サンプルプログラム
こちらの記事もぜひご覧ください。

SIS 9のツール・サンプルプログラム

SIS 9では、SISをインストールするとすべてのツール・サンプルプログラムが自動的にSIS Desktopに登録され、個別の登録は不要です。

各プログラムは「アプリケーション」タブに表示されます。(図1)

図1:「アプリケーション」タブのデフォルト表示

また、ツール・サンプルプログラムのコマンドは、クイックアクセスツールバーや、カスタマイズしたリボンタブにも追加できるようになりました。(図2)

図2:「クイックアクセスツールバー」と「リボン」のカスタマイズ例

SIS 8.0ご紹介 インターフェース、主題図
リボンタブをカスタマイズする方法を紹介しています。ぜひご覧ください。

マニュアルフォルダ表示ツールプログラム

SIS 8.0以前は、「ユーザーズマニュアル」「プログラミングマニュアル」を冊子でご提供していましたが、SIS 9からは、PDFファイルのみのご提供になりました。

手軽にマニュアルのPDFをご利用いただけるように、SIS 9 SR2で、マニュアルのあるフォルダを表示する「マニュアルフォルダ表示」コマンドを追加しました。(図3)

図3:「マニュアルフォルダ表示」ツールプログラム

PatchJGD座標補正ツールプログラム

東北地方太平洋沖地震の影響で導入された測地成果2011に対応する座標系に地図データを補正するための「PatchJGD座標補正ツール」をSIS 9 SR1からバンドルしています。

SISの独自フォーマットであるベースデータセット(*.bds)のファイル(以下、「BDSファイル」)を直接編集するため、補正データを高速に作成することができます。

なお、「PatchJGD座標補正ツール」の補正対象データは、測地成果2000の座標系で作成されたデータ(座標系に「日本測地系2000」と付いているもの)です。

日本測地系(旧測地系)のデータは、一度「世界測地系変換ツール」で「日本測地系2000」に変換してください。(図4)

図4:「PatchJGD座標補正」ツールプログラム

測地成果2011について
国土地理院のサイトもご参照ください。
また、空間情報クラブでも日本測地系2011(JGD2011)の記事を掲載しています。

座標補正パラメータファイル(PatchJGD用)
国土地理院のサイトから、ダウンロードできます。

BDS複製サンプルプログラム

SISの独自フォーマットである「BDSファイル」は、SISで地図データを扱う際に最も適しています。

SISでは様々なフォーマットのファイルを変換せずに読み込むことができますが、SISで編集するためにはBDSファイルなどの編集可能なフォーマットに変換する必要があります。

その際、「BDS複製」サンプルプログラムを使用すると、複数のファイルをまとめて一度の操作でBDSファイルに変換することができます。(図5)

図5:「BDS複製」サンプルプログラム

SIS 9では、指定したフォルダのサブフォルダにあるファイルも一括で変換する「再帰呼び出し」機能が追加され、ますます便利になりました。

ポイント発生サンプルプログラム(ShowUIメソッド)

SIS 9で「ShowUI」というメソッドが追加されました。

このメソッドは、SIS Desktopのコマンドで使用する以下のダイアログを、プログラミングで呼び出せます。

  • ブラシ編集
  • ペン編集
  • ライブラリオブジェクト選択
  • フォーミュラ
  • カラーセット
  • オーバーレイ選択

「ポイント発生サンプルプログラム」は、発生させるポイントアイテムに割り当てるシンボルを指定する機能がありますが、SIS 9 SR1でシンボルを指定するダイアログを「ShowUI」メソッドで呼び出すようにしました。(図6)

図6:「ポイント発生」サンプルプログラムと「ShowUI」メソッドのコード

SISのプログラミングをされている方は、参考にしてみてください。

おわりに

SISにバンドルしているツール・サンプルプログラムは、SIS Desktopの標準機能では簡単にできないことに対応しており、便利な機能が多数あります。ぜひご活用ください。

また、これまでのSIS活用講座もご覧いただき、SISのたくさんの便利な機能を業務に活用してください。

SIS Desktopシリーズ 製品情報
https://www.informatix.co.jp/sis/

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<地図データ出典>国土地理院:地理院タイル(淡色地図)

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空間情報クラブ編集部

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