用語解説

時間軸検索とは|GISでの時間軸検索の例

こんにちは、インフォマティクスの空間情報クラブ編集部です。

今回はGISにおける時間軸検索についてご紹介します。

時間軸検索とは

時間軸検索とは、「ある時刻」または「ある一定の期間」をキーに、その時のデータ状態を再現し把握するための検索手法のことをいいます。

通常、GISでは最新の地図データを使用しますが、時間軸検索と連携させることで、地形や土地利用の変化、気象観測データや地震発生状況の履歴などを地図上で時系列に追うことができます。

時間情報とは

GISで時間軸検索を行うには、地図データに時間情報を持たせる必要がありますが、どのような時間情報を与えるかが重要です。

一般にGISのデータ構造は、まず図形があり、その図形に属性情報(時間情報を埋め込む部分)が付いている場合が多いため、時間の変化に伴って図形が変化する場合と図形の有無や状態のみが変化する場合とでは、データの作成方法が異なります。

前者の場合は、図形が刻々と変化していくので、時刻ごとにデータを作成する必要があります(図1)。

後者の場合は、1つ図形を作成しておけば、あとは時間変化に応じて属性情報を更新するだけで済みます(図2)。

図1:時間とともに動くものをGISで表す場合のデータ例

図1:時間とともに変化するものをGISで表す場合のデータ例

図2:時間とともに状態が変わるものをGISで表す場合のデータ例(2012/7現在) 図2:時間とともに状態が変わるものをGISで表す場合のデータ例

時間軸検索の例

時間情報を持った地図データ例として、国土交通省の国土数値情報、高速道路時系列データがあります。

このデータは、高速道路の路線とインターチェンジ/ジャンクションの各図形が、供用開始年、設置期間(開始年)、設置期間(終了年)の3つの時間情報を持っています。

これを利用して時間軸検索を行った地図を表現してみましょう。

図3は、高速道路の供用状況を任意の時間断面で切って表現した例です。

これは、読み取った時間情報の値を元に時間軸検索を行い、図形の表示/非表示を制御することで実現しています。

具体的には、任意の時間断面が、供用開始年以上設置期間(終了年)以下であるかどうかを判断する処理をしています。

時間情報を持つ地図データを使えば、昔はどんな状態だったのかを簡単に再現でき、経年変化を辿れます。

図3:高速道路の供用状況(左から1970年、1990年、2010年)

図3:高速道路の供用状況(左から1970年、1990年、2010年)

おわりに

時間軸検索を行う場合、検索用途に応じた時間情報を地図データに埋め込めるかどうかがカギになります。

時間軸という概念を取り入れてGISを使ってみると、新たな発見があるかもしれません。

<参考>
国土交通省ウェブサイト https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-N06-v1_1.html

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空間情報クラブ編集部

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