こんにちは、インフォマティクスの空間情報クラブ編集部です。
今回はGISで図形を探す時の検索手法の一つ、「空間検索」をご紹介します。
目次
空間検索
空間検索では、検索条件に文字を入力する代わりに空間(領域)を指定します。
「検索条件に空間を指定する」とは
たとえば、東京にある花屋を探したい場合、検索サイトで「花屋 東京」と入力すると、東京にある花屋(花屋のホームページ)が検索結果として表示されます。
では「自分のいる場所から100m以内にある花屋」を探したい場合はどうすればよいのでしょうか?
ここで「空間検索」の登場です。
この場合、「自分のいる場所から100m以内」が検索条件になります。空間検索では、ある領域を条件として指定し、検索対象のデータと重ね合わせて検索します。
このように、空間的要素(=領域)を検索条件とすることを空間検索といいます。
領域(緑の円)を使って検索
複数の空間を組み合わせた検索
インターネットで複数のキーワードを組み合わせて検索できるのと同様に(最初の例でいうと「東京 花屋」)、空間検索でも複数の空間を組み合わせて検索できます。
たとえば、あなたは不動産仲介会社のスタッフで、お客さんの要望で最寄駅から近い物件を探しているとしましょう。
下図のように、お客さんが提示した間取りや予算の条件を満たす物件が見つかり、さらに立地条件で候補を絞り込みたいと思っています。
お客さんは「駅から徒歩15分以内、電車の音が気にならないよう線路から200m以上離れている所がいい」と言っています。
これらの立地条件を満たす物件候補を探すには、どのように検索すればよいでしょうか?
ここでまた「空間検索」の登場です。
(1)まず、駅から徒歩15分以内の領域を求めます。
ここでは1kmを15分で歩けると仮定し、駅から1km半径の領域を作図します。すると、下図のような円ができます。
以下の手順で絞り込んでいきます。
- 2つの立地条件(駅から徒歩15分以内、線路から200m以上離れている)を満たす領域を割り出す
- その領域内にある物件を探す
ここでは、条件のうち一番広い領域(駅から徒歩15分以内)から、条件に当てはまらない領域(線路から200m以上離れた場所)を取り除くという方法をとります。
(2)次に、線路から200mの領域を求めます。
線路の両側から200メートル(合計400メートル)の幅を持った領域ができます。
(3)(1)の円の領域から(2)の領域を取り除きます。
すると、検索条件となる空間ができます。
(4)最後に、(3)でできた領域データと物件のデータを重ね合わせて空間検索を行います。
すると、お客さんが希望する領域(黄色い部分)に存在する物件のみが検出されます。
おわりに
このように領域を条件として指定できると、検索結果の精度がアップし、これまで検索が困難だった情報も簡単に探し出せます。
皆さんも、ぜひGISで空間検索機能を活用してみてください 。