こんにちは、インフォマティクスの空間情報クラブ編集部です。
今回は交通事故の防止策として、人の錯覚(特に目の錯覚、錯視)を利用した例と、統計学やシステムによる分析を利用した例をご紹介します。
目次
全国交通安全運動とは
毎年春と秋(4月・9月)に実施される全国交通安全運動は、国民に対して交通ルールやマナーの遵守を啓蒙することを目的とした活動です。
2026年の春の全国交通安全運動は、4月6日(月)〜15日(水)の期間実施されます。(4月10日(金)は「交通事故死ゼロを目指す日」です。)
新学期や新生活による交通環境の変化に伴う事故を防ぐため、歩行者保護や「ながらスマホ」の根絶、自転車のルール遵守が重点項目となっています。
今回の運動の重点項目は、以下のように定められています。
- 通学路・生活道路におけるこどもを始めとする歩行者の安全確保
- 「ながらスマホ」の根絶や歩行者優先等の安全運転意識の向上
- 自転車・特定小型原動機付自転車の交通ルールの理解・遵守の徹底
各重点に掲げる項目を中心に、参加・体験・実践型の交通安全教育や広報啓発活動、街頭での交通安全指導や保護・誘導活動が実施されます。地域によっては運転免許試験場でのイベントも予定されています。

交通事故と錯覚の関係
交通事故を引き起こす原因は大きく以下のように分けられます。
- 運転者(認知、判断、操作)
- 車
- 環境(天候、時間帯、地理的環境、道路状況)
上記のうち事故の原因として割合が多いのが運転者の認知ミスとされ、錯覚(錯視)がその認知ミスを引き起こす原因となるケースがあります。
運転中の錯視とは、例えば登り坂なのに下り坂に見えたり(逆に下り坂なのに登り坂に見えたり)、登り坂を走っていて向こうが丘になっていると、その先の道路が見えなくなる感覚です。
以下に、錯覚による事故発生についての記事が掲載されていますのでご覧になってみてください。
このように事故の誘因となる錯覚ですが、横断歩道の白線を台形状に浮き上がって見えるように塗装してドライバーの横断歩道前での減速につなげるなど、錯覚を逆手にとって交通事故の軽減に役立てる取り組みも行われています。
各種データとGIS・AI技術を活用した交通事故分析
錯視を活用した対策とは異なるアプローチとして、統計データや地理情報システム(GIS)を活用した分析を通じて、交通事故防止活動が展開されている例もあります。
- GISを活用した交通事故分析(空間情報シンポジウム2010にて発表)
- 統計学からのアプローチとGISの空間分析を組み合わせた高齢者交通事故防止対策について(空間情報シンポジウム2016にて発表)
近年では、交通事故の分析や事故発生リスクの評価・可視化にAI技術を活用した実証実験の例も増えてきています。
- 交通事故分析
従来の目視による交通事故分析は非効率であることに加え、主観的な判断が混じるという課題がありました。AI技術を活用してドライブレコーダーの映像解析を行うことで、より効率的・効果的な事故要因の解明、対策立案が期待できます。 - 交通事故防止
現在の交通安全対策は交通調査や安全点検に多くの費用と時間を要するため、再発防止型の対策が中心となっています。AI技術を活用して、各種データ(発生箇所・交通状況・道路構造・周辺環境・気象)と事故との関連性が高い事故要因を特定・可視化することで、より効率的・効果的な根拠に基づく未然防止型の対策策定が期待できます。
GISやAI機械学習を使った業務システムの構築に関するご相談を承っています。お気軽にお問い合わせください。
<参考>
・警察庁ウェブサイト
・交通情報サイト「TOKYO SAFETY ACTION」
・国土交通省 PLATEAUウェブサイト
・内閣府ウェブサイト