こんにちは、インフォマティクスの空間情報クラブ編集部です。
今回は属性検索についてご紹介します。
目次
属性検索とは
検索はコンピュータが得意とする機能の1つです。
検索という「集積データから、指定した条件に合う情報を取り出す機能」により、私たちは大きな恩恵を受けています。
GISでは建物や行政界といった地図上の図形に様々な情報(=属性)を加え、さまざまな方法で条件を指定し検索して、条件に合った図形を地図上で確認することができます。
この機能を「属性検索」と呼びます。
それでは属性検索機能の利用例を見てみましょう。
「○△×」という建物はどこにある
建物の名前はわかるけど、どこにあるのかがわからないということがあります。
こんなとき、紙地図の場合は隅から隅まで目視で探すしかありません。
一方、電子地図の場合、建物に建物名称(=属性)が割り当てられていれば、名称を検索条件として場所を探し出すことができます。
例)
「川崎マンション」という建物を探すには、「名前」という属性に「川崎マンション」という値が設定されている建物を検索します。
すると、その建物が地図上のどこにあるかがひと目でわかります。
しかも、データベース検索で「○○町○丁目○番地」というテキストの住所情報が得られるだけとは異なり、地図上の位置がわかります。
したがって、
- マンションの最寄り駅はどこか
- 駅から近いのか遠いのか
- どの方角にあるか
- 周囲に目印となる施設はあるか
などがひと目で確認できます。
古い木造建物が密集している地域は
防災計画を検討するために、古い木造建物が密集している地域を確認したいような場合、建物に「構造」「建築年」という属性が割当てられていれば、次の両方の条件に合致する建物を探し出すことができます。
- 構造:木造
- 建築年:1980年より前
この検索では1980年以前に建てられた木造建物が地図上に表示されるため(下図の赤色部分)、密集度合いや場所を視覚的に把握できます。
GISソフト「SIS」では、検索条件を指定する際、演算子や関数を組み合わせたり、「フィルタ」機能を使って条件を保存するなど、工夫次第でさまざまな検索が可能です。
上記2つの例からわかるように、GISでの属性検索の大きな特長は、検索結果が地図上で可視化されることです。
数値や文字だけで表示されるよりも直感的に理解しやすく、現状把握や分析の際に役立ちます。
皆さんもぜひ属性検索を使って、地図の活用範囲を広げてみてください。
<地図データ出典>:国土地理院発行の基盤地図情報(縮尺レベル25000)、株式会社ゼンリン Zmap-TOWNⅡ(®2011 ZENRIN CO.,LTD.(Z11LD第395号))を使用したものです。