こんにちは、インフォマティクスの空間情報クラブ編集部です。
今回はGISソフト「SIS」8.0で追加されたフリービューア「SIS Map Express」のデータ閲覧・印刷機能を中心にご紹介します。(注:Map ExpressはDesktop Expressへ名称変更されました。)
インフォマティクスでは、国内で約36,000のお客様に利用されているGIS(地理情報システム)製品SIS(エスアイエス)をご用意しております。
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目次
はじめに
前回までは、SIS Mapシリーズ8.0の新機能を中心にご紹介してきました。
今回から数回にわたりフリービューア「SIS Map Express」を中心にご紹介します。
SIS Map Expressとは
SIS Map Expressは、無料でお使いいただけるフリービューアです。
これまでのバージョンでは「SIS Map Browser」「SIS Map Reader」というフリービューアをご提供していましたが、SIS 8.0では機能が刷新され「SIS Map Express」として登場しました。
SIS Map Express(以下「Map Express」)は、各種データの読み込みはもちろん、主題図の表示、印刷、検索などの機能を備えています。
SIS Map Expressの操作画面
特長機能
さまざまな種類の地図データを閲覧できる
まずデータの読み込みについてご紹介しましょう。
Map Expressは、SISのネイティブファイルであるSWDやNOLをそのまま読み込めるほか、上位製品であるMap ModellerやMap Manager(以下「Mapシリーズ」)で読める全ての地図データを読み込めます。
基盤地図情報、国土数値情報、地理院タイルなどのフリーデータや、ゼンリンZmap-TOWNIIなど、対応データについて詳しくはSISサイトでご確認ください。
ドラッグ&ドロップ操作でデータが読み込める
読み込み方法も簡単です。
WindowsエクスプローラからMap Expressの画面上にドラッグ&ドロップするだけです。
下図では、基盤地図情報の市町村字境界線データとゼンリンZmap-TOWNIIを読み込んで重ねています。
ドラッグ&ドロップの簡単な操作で地図を表示!
街区レベル位置参照情報を使って住所検索できる
地図データを読み込むだけでなく、国土政策局の街区レベル位置参照情報を利用して、Map Expressのギャザティアの機能で住所検索を行えます。<設定方法1>
住所検索機能を使って、指定した住所に移動
ポイントデータも読み込める
自治体ホームページなどで提供されている施設などのポイントデータを読み込み、指定したシンボルで表示することも可能です。
以下は、ダウンロードした避難場所のポイントデータ(CSV形式)を、Map ExpressでViewPointデータセットとして読み込んだ例です。<設定方法2>
ポイントデータに限りませんが、読み込んだデータの属性情報を確認可能です。
それらの属性を利用して、Mapシリーズ同様に検索や主題図の作成時に利用することもできます。(詳細は次回以降にご紹介)
避難場所のポイントデータを地図上に表示。属性の確認も可能
保存できるので、Mapシリーズと連携した活用も
作成したデータはSISのネイティブファイルであるSWD形式に保存でき、保存したファイルはMapシリーズでそのまま利用できます。<設定方法3>
図形の作図や編集を行いたい場合や、他のフォーマット(ベクタ、ラスタ)などに出力したい場合、解析を行う場合などは、Mapシリーズにバトンタッチします。
プリントテンプレートを使って印刷できる
Map Expressは印刷も行えます。
画面に表示した状態を印刷するだけではなく、プリントテンプレートウィザードを利用して、図面枠を付けて印刷したりPDFファイルに保存することもできます。<設定方法4>
主題図を設定し、印刷イメージを作成した例
ウィザード形式で設定できるため手軽に作成可能!
方位シンボル、スケールバー、主題図の凡例、注記を追加したより本格的なプリントテンプレートを作成したい場合は、Mapシリーズを使用します。
オリジナルテンプレートを作成し、それを利用した印刷イメージの作成も可能です。
Map Modellerで作成した印刷用レイアウト
主題図の凡例、方位シンボルなどを配置
おわりに
Map Expressは無料版GISですが、閲覧や印刷については有料のSIS上位製品に匹敵する機能が装備されており、驚かれた方も多いのではないでしょうか。
有料版SISをお持ちでない方でもダウンロードしていただけますので、ぜひご利用ください!
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Map Expressにはまだまだ便利な機能が多数ありますので、次回以降もご紹介予定です。ご期待ください!(技術開発部 K.Y.)
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<設定方法1>
1.国土政策局の街区レベル位置参照情報にアクセスし、該当する地図のデータをダウンロードします。
例)品川区の場合
「市区町村単位」で「品川区」にチェックを入れ、「全て」を選択し、「データ整備年度」を設定し、「選択」ボタンをクリックしダウンロードします。
「13109-13.0a.zip」がダウンロードされます。
2. ダウンロードしたデータを展開します。
展開したデータのうち「13109_2014.csv」を使用します。
3. 「ホーム」タブの「ギャザティア」コマンドをクリックします。
4. 「ギャザティア選択」ダイアログで「街区レベル位置参照情報」を選択し、「OK」ボタンをクリックします。
5. 「開く」ダイアログで、操作2で展開した街区レベル位置参照情報のファイル(CSV)を指定し、「開く」ボタンをクリックします。
6. 「街区レベル位置参照情報」ダイアログで、座標系と住所を指定し、「OK」ボタンをクリックします。
<設定方法2>
1. 「ホーム」タブの「オーバーレイ追加」コマンドをクリックします。
2. 「新規オーバーレイ」ダイアログの「データベース」タブの「Cadcorp ViewPointデータセット」をクリックし、「次へ」ボタンで進めます。
3. csvファイルの場合は、「カンマ区切りファイル」を選択し、「次へ」ボタンをクリックします。
4. ウィザードの内容に従って設定します。
「レコードセット」ダイアログでは、座標値(X/Y座標値または緯度/経度)が記述されたカラムを追加します。
「ViewPointデータセット」ダイアログでは、以下の設定を行います。
・Xフィールド:X座標値または経度
・Yフィールド:Y座標値または緯度
・「詳細」ボタンをクリックし、「ViewPointデータセット」で座標系を設定します。
<設定方法3>
「ファイル」メニューの「上書き保存」コマンドで、SWD形式に保存することが可能です。
↓
<設定方法4>
「ファイル」メニューの「クイックウィザード」コマンドで、プリントテンプレートを作成することができます。
コマンド実行後は、ウィザードの内容に従って設定します。
ウィザードの最後のダイアログ(「印刷/保存」ダイアログ)において、「出力図の処理」で「Adobe Portable Format(PDF)として保存」を選択すると、印刷イメージをPDFとして保存することが可能です。
<地図データ出典>国土地理院 基盤地図情報2500/株式会社ゼンリン Zmap-TOWNII
※この記事は、GIS NEXT第55号に掲載された記事に加筆したものです。
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