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夏はマスク熱中症にも注意
コロナ禍以降、夏場のマスク着用による熱中症リスクへの懸念が高まっている。
マスクを着用していない場合と比べて、心拍数や呼吸数、血中二酸化炭素濃度、体感温度の上昇など身体により負担がかかるからだ。
厚生労働省のウェブサイトでも、高温や多湿といった環境下において、屋外で人と十分な距離が確保できる場合にはマスクを外すように呼びかけている。
このように例年に比べて熱中症対策がより一層求められている中で、ぜひチェックしておきたいのが、環境省の「熱中症予防情報サイト」だ。
同サイトは全国各地の熱中症予防情報を提供するサイトで、2006年度に提供を開始した。
熱中症予防情報サイト
日常生活および運動に関するWBGTの指針
暑さ指数の予測値と実況値が地図上でわかる
提供内容は、全国840地点の暑さ指数(WBGT)の予測値および実況値で、地図上でそれぞれの数値を確認できるのでわかりやすい。
同サイトの解説によると、WBGT(Wet Bulb Globe Temperature:湿球黒球温度)とは、熱中症を予防することを目的に、人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい「湿度」「日射・輻射など周辺の熱環境」「気温」の3つを取り入れた指標となっている。
単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されるが、その値は気温と異なり、28℃(厳重警戒)を超えると熱中症患者が著しく増加するという。
「熱中症予防情報サイト」で提供されるのは、当日・翌日・翌々日の3時間ごとのWBGTの予測値と、現在のWBGTの実況推定値(実測地点では実測値)の2項目となる。
トップページの地図から調べたい地域を選択すると、エリアごとの予測値と実況値が表示される。
値によってアイコンが色分けされているので、エリア全体の状況も把握しやすい。数値をクリックすると各エリアの詳細な予測データが表示される。
「駐車場」や「交差点」、「バス停」、「体育館」など、場所ごとに予測値のグラフが表示されるのも便利だ。
地域別の地図では、マウスオーバーでWBGTが表示される
都道府県別の地図
予測値のグラフ
時間ごとの予測値
過去データから要注意の日時を予測できる
同サイトでは地図を使った情報提供のほか、CSV形式によるWBGT数値データの提供や、WBGTの個人向けメール配信サービスも無料で提供している。
全国各地のWBGTのランキングも掲載している。
さらに、全国840地点を対象に、過去5年間のWBGT値について、昼間の日最高値と夜間の日最低値をカレンダー形式にまとめた「熱中症リスクカレンダー」も提供。
このカレンダーを参考にすれば、どの時期にどれくらいWBGTが高まるのかの目安がわかるので、夏期に屋外イベントを計画するときや、室内熱中症に注意する時期を調べるときに役立つ。
同サイトでは熱中症対策に関する普及啓発資料もダウンロードできる。
「新しい生活様式の熱中症予防行動」のリーフレットでは、新型コロナウイルス感染症対策に伴う「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイントもまとめられている。
熱中症予防情報メール
CSVファイルの提供サービス
各地のランキング
熱中症リスクカレンダー
スマートフォン向けサイト
熱中症への警戒を呼びかけるアラートを発信
環境省と気象庁は現在、「熱中症警戒アラート」※という情報発信を行っている。
環境省によるWBGTの運用実績や各省・各種団体とのネットワークといった強みと、気象庁が持つ防災気象情報のノウハウや確立された伝達経路という強みを組み合わせて、熱中症リスクが極めて高い気象条件が予測される場合に広く情報発信を行う。
コロナ禍でのマスク着用によりさらなる熱中症への警戒が必要な中、熱中症予防に関するさまざまな情報を活かし、厳しい暑さを乗り切っていきたいものである。
■URL
熱中症予防情報サイト
https://www.wbgt.env.go.jp/
※本記事で紹介したサイトに関する詳細は、関連機関様あてにお問い合わせください。