前回紹介した動物当てマジックのタネ明かしをしてみましょう。
目次
動物当てマジックのタネ明かし
なぜ相手のヒント(相手が選んだ動物が入っているカードの色)から、相手が選んだ動物を当てることができるのでしょうか。
12匹の動物と4色のカードに割当てられている数字を使っているところまで前回は紹介しました。
私「あなたの選んだ動物が描かれたカードの色をすべておしえてください」
相手「黄と緑です」
私「あなたの選んだ動物は馬です」
相手「正解です。どうしてわかるの?」
二進数に慣れている人は少ない
これが動物当てマジックの肝です。二進数1100、と言われてもピンときません。
しかし、3095(さんぜんきゅうじゅうご)と言われたら、誰でもピンときます。十進数だからです。
私たちは幼い頃にお金を数えることで自然と十進数を習得していきました。4桁の数字3095(さんぜんきゅうじゅうご)の意味が分かるのです。
千年札が3枚、百円玉は0枚、十円玉は9枚、そして一円玉が5枚、これが4桁の数の意味であることがわかれば、右から一の位、十の位、百の位、千の位であるという十個の数字をつかった数え方を十進数と呼ぶことも容易に納得できます。
この十進数の特徴をおさえておけば、二進数に慣れるのも容易になります。十進数の一、十、百、千の位が二進数では一、二、四、八に変わります。
十進数と同じようにお金に置き換えてみると分かりやすくなるでしょう。
二進数の1100とは八円玉が1枚、四円玉が1枚、二円玉が0枚、そして一円玉が0枚を意味します。したがって、二進数の1100は十進数では8+4+0+0=12になります。
これを次のように表記します。
12(10)=1100(2)
動物の番号をわざわざ二進数に置き換える
さてこの動物当てマジックは、12匹の動物に割り当てられた番号(十進数)を二進数に変換しています。
辰は5番目、この5を二進数に変換すると5=4+1だから0101です。
5(10)=0101(2)
一の位、二の位、四の位、八の位を表すカードをそれぞれ赤、黄、緑、青とすれば、0101(2)は赤と緑のカードに1があることになります。
この数字の1の代わりに辰を赤と緑のカードに描いてあげることにします。
同じように、6番目の馬は6=4+2だから6(10)=0110(2)なので、黄と緑のカードに馬を描きます。
十進数に慣れている私たちは、二進数には不慣れです。そこをついたのです。
さらに、12匹の動物と4枚のカードには数字を書きません。動物の番号をわざわざ使い慣れていない二進数に変換し、数字1の代わりにその動物のキャラクターを使ってマジックらしく仕上げています。
カレンダーマジックのタネ明かし
「すきなところ、3×3の9つの数字を四角で囲んでください」
「では、その9つの数の合計はいくつでしょうか」
と問いかけ、相手が答えられないところで
「答えは81です」
とパッと答えるカレンダー足し算マジックです。
上の四角の囲みの例で説明してみましょう。
1と17、3と15、2と16、そして8と10に注目します。分かりやすく色を付けてみます。これらは9に対して対称の位置にある2つの数です。
1と17、3と15、2と16、そして8と10はどれも和は18です。2で割ると9つまりこれら2つの数の平均です。この平均が四角の真ん中の数と等しいのは当然です。
カレンダーの中に3×3の四角をとり9つの数の和を考えるとき、四角の周りの8つの数は真ん中の数と等しくなるということです。
したがって9つの数の和は、真ん中の数×9です。
今日が9日だとすれば、明日は+1で10日、昨日は−1で8日、今日が昨日と明日の平均です。一週間前は−7で2日、一週間後は+7で16日、今日は一週間と一週間後の平均です。
カレンダーを対称と平均で眺めてできたカレンダーマジックです。