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災害発生の危険性や避難場所を確認できる
地震や台風などの自然災害が頻発している中、さまざまな災害リスクを地図上で可視化した「ハザードマップ」が注目されている。
ハザードマップは全国の自治体が住民に紙の地図を配布していることも多いが、インターネットでもさまざまなリスク情報を入手できる。
中でも代表的なのが、国土交通省が提供する「ハザードマップポータルサイト」だ。
同サイトは全国の市町村が作成したハザードマップを活用できるポータルサイトで、身のまわりにどのような災害が起きる危険性があるのか、そして災害が発生したときにどこへ避難すれば良いのかを事前にチェックできる。
ハザードマップポータルサイト
2種類のハザードマップを提供
提供しているのは以下の2種類。
- 重ねるハザードマップ:1つのデジタル地図上にさまざまなリスク情報を重ねて表示できる
- わがまちハザードマップ:全国の市町村が作成したハザードマップへのリンクをまとめたもの
重ねるハザードマップ
「重ねるハザードマップ」は、洪水や土砂災害、津波のリスク情報に加えて、道路防災情報も確認できる。
ハザードマップポータルサイトのトップページで場所を直接入力するか、「洪水」「土砂災害」「津波」「道路防災情報」の4つの中から選んでクリックすると、地理院タイルを背景地図としたデジタルマップが表示される。
重ねるハザードマップ
(出典:ハザードマップポータルサイト)
使い方
表示する災害種別は地図画面の左上にあるメニューから選択可能で、「洪水」や「津波」では河川が氾濫したり、津波が発生した際に際に浸水が想定される区域や水深が表示される。
「土砂災害」を選ぶと、傾斜度が30度以上の「急傾斜地」の崩壊や、土石等が水と一体となって流下する「土石流」、「地すべり」、「雪崩」などが発生する恐れのある危険箇所を確認できる。
それぞれの災害に対応する「指定緊急避難場所」もアイコンで表示される。
土砂災害の危険性のあるエリアがわかる
(出典:ハザードマップポータルサイト)
津波発生時に想定される浸水深を表示
(出典:ハザードマップポータルサイト)
道路防災情報
「道路防災情報」を選ぶと以下を確認できる。
- 道路冠水想定箇所:アンダーパスなど大雨の際に冠水して車両が水没する可能性がある箇所
- 事前通行規制区間:大雨のときに土砂崩れや落石の恐れのある箇所について、災害発生前に通行止めなどの規制を実施する区間
- 予防的通行規制区間:大雪時に勾配の大きい坂で立ち往生しやすい場所で通行止めを行う区間 など
道路防災情報
(出典:ハザードマップポータルサイト)
いずれのメニューでもリスク情報のリストが表示されるので、地図に反映する情報の表示・非表示を切り替えられる。
ほかの情報に切り替える場合は「全削除」をクリックすればすべての情報が削除される。また、背景地図を空中写真(航空写真)に切り替えることもできる。
このほか、右上の「危」をクリックしてから地図上で任意の地点を選ぶと、その地点で想定される洪水・津波・ため池決壊による浸水深や土砂災害の危険性、地形からわかる災害リスクなどの情報をまとめて調べられる。
指定した地点のリスク情報をまとめて確認できる
(出典:ハザードマップポータルサイト)
土地の成り立ちがわかる
土地の特徴や成り立ちについて調べることも可能だ。
たとえば、地形分類図や土地条件図、火山基本図、大規模盛土造成地などさまざまな地図を表示することで、そのエリアがどのような土地なのかを多角的に見ることができる。
わがまちハザードマップ
一方、「わがまちハザードマップ」は、地図上で各都道府県の市区町村を指定するだけで、各地で作成されたハザードマップを簡単に閲覧できる。
洪水や高潮、津波、土砂災害、火山、地震など災害種別にインターネットの公開URLが表示されるので実にわかりやすい。
「重ねるハザードマップ」でも、右上のアイコンを選択してから地図上をクリックすることで、その地点の「わがまちハザードマップ」を呼び出すことができる。
わがまちハザードマップ
(出典:ハザードマップポータルサイト)
「わがまちハザードマップ」のリンク先で公開されているハザードマップはPDF形式の場合が多く、印刷して持ち運ぶのに便利だ。
さまざまな情報を重ねて色々な角度から防災について考えられる「重ねるハザードマップ」とうまく使い分けながら、自分の環境に合わせて災害対策を検討してみてはいかがだろうか。
■URL
ハザードマップポータルサイト
https://disaportal.gsi.go.jp/http://ktgis.net/kjmapw/
<参考>国土交通省ウェブサイト