デジタル地図には紙地図にはないさまざまな利点がある。
そのひとつとして、複数の地図を重ねたり並べたりして比較するのに便利である点が挙げられる。
そのようなデジタル地図のメリットを活かして、新旧さまざまな時代の地図を比較できるサイトが「今昔マップ on the web」だ。
今昔マップ on the web
主な機能
「今昔マップ on the web」は、全国41地域の新旧の地図を並べたり重ねたりして比較できるサイト(無料)である。
デフォルトは2画面に分かれており、左側に古地図、右側に現代の地図が表示される。
マウスのカーソルを左ウインドウ上で移動させると、それに連動して右ウインドウでも同じ位置にカーソルが移動する。
縮尺変更も左ウインドウに連動して右ウインドウも変化するので、目当ての場所の過去と現在の比較を簡単に行える。
ウインドウの数を変更することも可能で、4画面または1画面表示が可能。4画面の場合は左上のウインドウが基準となり、ほかの3画面はそれに連動して変化する。
4画面表示
収録されている地図データセット
収録されている古地図のデータセットは、国土地理院(旧参謀本部陸地測量部、内務省地理調査所)が作製した地形図をスキャンして作成されたもので、全国各地の市町村について明治期以降の貴重な地図を数多く収録している。
さまざまな街の古地図を収録
外部データとして、以下のデータにも切り替えられる。
- 淡色地図
- オープンストリートマップ
- 色別標高図
- 陰影起伏図
- 傾斜量図
- 明治期迅速測図
- 治水地形分類図
- 都市圏活断層図
- 土地条件図
- シームレス地質図
- 埼玉県用途地域
- 人口密度(2010年および2015年)
シームレス地質図(左ウインドウ)
左メニューで古地図データの年代を切り替えられるほか、各ウインドウの右上にあるドロップダウンリストで、それぞれの画面をほかの地図に切り替えることもできる。
過去の色々な年代に撮影された航空写真(空中写真)も収録している。
4画面でそれぞれ異なる地図を表示させれば、たとえば古地図と現代地図を比較しながら地面の起伏や航空写真を確認するといった多角的な見方ができる。
左メニューの「地図不透明度」を変更すると、古地図の不透明度を変更でき、ほかの地図と重ね合わせて見ることもできる。
現代地図と古地図を重ねたり、異なる時代の古地図を重ねたり、航空写真と古地図を重ねたりと多彩な組み合わせが可能だ。
不透明度を変更可能
古地図の凡例表示も収録しているため、昔の地図記号を調べるのにも便利だ。
趣味やビジネスで色々なエリアの過去の姿を調べるのにも最適だし、不動産の購入を検討する際、色別標高図などと組み合わせて水害のリスクが高い地域を調べる用途にも使えるだろう。
このほか「共有」ボタンを押すと、今見ている状態の古地図や現代地図をそのままの状態でリンクとして保存できるので、SNSやメールでのコミュニケーションに利用できる。
このサイトはスマートフォンでの表示にも対応しているほか、デスクトップ版のWindows用ソフトウェア「今昔マップ3」も用意されているので、自分の環境に合わせて使い分けていただきたい。
■URL
今昔マップ on the web
http://ktgis.net/kjmapw/
※本記事で紹介したサービスに関する詳細は、ご提供者様あてにお問い合わせください。