地図や位置情報を活用したスマートフォンアプリを紹介するこの連載、第4回となる今回は、iOS/Android向けの古地図アプリ「大江戸今昔めぐり」を紹介する。
大江戸今昔めぐり
アプリ概要
大江戸今昔めぐりは、江戸末期の古地図を完全描き起こしで再現した古地図アプリだ。
一般的な古地図アプリは、現存する1枚の古地図をデジタルデータ化したものが多いが、当然ながら現代の地図と重ねると方角や地形などがうまく重ならない。
また、古地図に記載されている文字は、そのままでは読みにくいという問題もある。
大江戸今昔めぐりは、現存する古地図をそのまま収録するのではなく、新たに描き起こすことにより、スマートフォン上で現代の地図と古地図をぴったりと重ね合わせることが可能である。
文字も読みやすく、幅広い年齢層が楽しめるアプリとなっている。
使い方
現代地図と古地図は表示を切り替えられるようになっており、透過率を変えることも可能で、現代と昔とを見比べることができる。
現代地図は地図表記をすべて非表示にすることもできるほか、アイコンも一部またはすべて非表示にすることも可能で、表記やアイコンのないシンプルな状態で古地図と見比べることもできる。
また、現代地図と古地図を1つの画面で重ねて見るだけでなく、上下2画面に分けて表示することも可能だ。
2画面にすると、上が現代地図、下が古地図となり、古地図側でスクロールさせると、それに連動して現代地図も同じ位置に移動する。
現代地図と重ね合わせて透過率を調整できる
上下2画面表示も可能
地図の拡大・縮小のほか、画面上を2本の指でタッチしながら回すことで地図を回転させることも可能で、実に読みやすい。
もちろんGPSで取得した現在地を地図上で確認することも可能だ。
人物名からの検索も可能に
2020年7月のバージョンアップにより、従来の地名やスポット名からの検索に加えて、人物名からも検索できるようになった。
調べたい人物や歴史上の人物名を入れて検索することができ、関連スポットの検索が一層充実した。
今回追加されたデータは、港区、千代田区、新宿区、渋谷区、品川区、文京区、目黒区、豊島区の計1481件だという。
スポット情報も充実
史跡や寺社、橋などのスポット情報も充実しており、地図上のアイコンをタップすると各スポットの詳細な解説を読める。
アイコンのカテゴリは、神社、寺、城・城跡、屋敷、史跡・名所、墓、橋、坂、街など豊富な種類が用意されている。
また、各スポットや地図上の好きな地点を「しおり」として登録することもでき、よく見る地域を登録しておけば、すぐにその場所を表示させることができる。
同アプリのベースとなったのは幕末の地図で、複数の文献を調査することで、複数の文献から当時の道路や屋敷などを掲載している。
地図のカバー範囲は江戸時代の「朱引き」と言われる範囲とほぼ同じだ。
スポット情報
しおり一覧
各スポットを楽しく散策できる工夫も
さらに、クーポンやスタンプラリーも収録している。
スタンプラリーは、恋に効くパワースポットを巡る「縁結びラリー」や、東京近郊サイコの七福神をめぐる「元祖山手 七福神めぐり」や、下町風情を楽しめる「浅草 七福神めぐり」、短時間で回れる「日本橋 七福神めぐり」などを用意している。
スタンプラリーに参加し、チェックポイント付近にたどり着いたらチェックインをタップすることでスタンプを集めることができる。
スタンプラリーも用意
さまざまなスポットをめぐってスタンプを獲得
「大江戸今昔めぐり」は、過去と現代を見比べながら街歩きを楽しめるアプリで、古地図という新たな切り口で東京を見直すことができる。
このアプリを見ながら都内を散策すれば、きっと新たな発見があるに違いない。
■URL
大江戸今昔めぐり
https://www.edomap.jp/