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地理院地図・地理院タイルとは? 仕組み・種類・GISでの活用方法を解説

こんにちは、インフォマティクスの空間情報クラブ編集部です。

本記事では、国土地理院が提供している地理院地図や地理院タイルについてご紹介します。

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はじめに

地図がデジタル化され、Webで利用されるようになった現在、業務システムやオフライン環境で利用されるGISでも、Web地図で得られた経験やノウハウを活かす取り組みが進められています。

国土地理院 地理空間情報部 情報普及課では、Web地図技術のGISへの応用や普及促進を図っています。本記事では、そのWeb地図技術の中心となる地理院地図と地理院タイルについてご紹介します。

地理院地図とは

地理院地図は、国土地理院がインターネット経由で提供している地図サービスです。

国土地理院が本業として行っているのはインターネット経由でのデータ提供であり、システム提供ではありません。

しかしデータ提供のみではデータの利用方法を伝えづらいため、データ利用を紹介する場(ショーケース)として地理院地図を運営し、国土地理院が捉えた日本の姿を国内外に発信しています。

地理院地図でできること

地理院地図には、以下のような機能が実装されています。

  • 緯経度/UTMグリッド、広域図などの表示
  • 作図
  • 住所検索、地名検索、現在位置表示
  • 計測
  • 印刷
  • 3次元表示(回転・拡大縮小)
  • 地図表示をURLで共有、サイトへの埋込
  • スマートフォン、タブレットなどのデバイスでの使用

地理院地図が更新された際には、国土地理院のX(旧Twitter)で告知されています。

例えば災害時には、UAV(ドローン)で撮影しオルソ化が完了したものが順次掲載され、リアルタイムに告知されています。

地理院地図の歴史

地理院地図の実装技術は、Web地図の進化とともに、様々なソフトウェアに対応可能な仕組みに置き換えられていきました。

それに伴い、インターフェースの名称も「電子国土ポータル」⇒「電子国土Web」⇒「電子国土Web.NEXT」⇒「地理院地図」と変わっていきました。

地理院地図発展の核となる技術

今後、地理院地図をより一層発展させていくためのカギとなる技術として、以下の技術が紹介されています。

標高タイル

標高・地形のデータが標準でわかるように、標高データなど3次元地理空間情報もWeb地図形式で提供されています。

また、2014年3月19日、地理院地図を3次元で見ることができる「地理院地図3D」サイトが公開されました。

このサイトでは、国内の任意の場所を3D表示して地形図を印刷したり、3Dプリンタ用のデータをダウンロードすることができます。

ベクトルタイル

2014年8月1日から、地理院地図などで利用できるよう、属性情報を持つベクトルデータがWeb地図形式で提供されています。

これらのベクトルデータは、表現の調整や各種処理を行うことで多様な用途に活用できます。

2015年6月4日からは、全国の注記ベクトルタイルを地理院地図に組み込んで提供することが試験的に開始されました。

2015年8月2日には道路・鉄道・河川の中心線、2015年10月28日には全国の基盤地図情報項目(10m DEMおよび点・線)の提供も試験的に開始されました。

大量の情報もベクトルタイルで地図と連携できます。

3Dプリンタ

データに基づいて素材を加工し、さまざまな形にカスタマイズできるものづくりを実現する「デジタルファブリケーション」という考え方があります。

国土地理院でも、近年普及している3Dプリンタを活用し、情報端末でも紙でもない新しい「メディア」としての活用を提案しています。

地理院タイルとは

地理院タイルとは、地理院地図で配信されているタイル状の地図データのことをいいます。

建物の壁面や歩道などで見かけるタイルと同じく、正方形の形状で敷き詰められて利用されます。

地理院タイルの配信から閲覧までの仕組みは、以下のとおりです。

  1. 国土地理院のサーバーから、タイル状に分割されたデータが利用者に配信
  2. 利用者のブラウザやアプリの画面上にタイル状のデータが敷き詰められて表示
  3. 利用者は地図を閲覧

地理院タイルには、以下のような種類があります。

  •  地図
  •  空中写真(測量航空機や地球観測衛星、UAVで撮影)
  •  基準点・測地観測
  •  防災関連情報
  •  他機関の情報

例えばGISでは、地理院タイルを背景地図として表示し、人口・施設・売上などのデータを重ね合わせることで、立地分析や地域分析を行うことができます。

地理院タイルの活用促進施策

国土地理院では、地理院タイルの活用促進に向けて、以下の3つの施策を実施しています。

オープンデータ

2014年6月19日 政府標準利用規約(第1.0版)制定
(各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議)
2014年9月30日 国土地理院コンテンツ利用規約制定
2016年1月25日 国土地理院コンテンツ利用規約改訂

より多くの方に地理院タイルを利用してもらうため、利用規約の改訂を行いました。これにより、複製・使用に関する承認申請を円滑に進められるようになりました。

さらに、政府のオープンデータ戦略の進展にも迅速に対応しています。

オープンソース

地理院地図のオープンソースソフトウェア利用の歴史は古く、2012年7月にはOpenLayersを用いたサービス提供を行っています。

最近では、地理院地図自体のソースコードや技術仕様、サンプルプログラム及びツール類をソフトウェア開発プロジェクト用の共有Webサービス「GitHub」に公開しています。

これにより、さまざまな付加価値の創出や、地理空間情報のやりとりがWeb上で広がっていくことを目指しています。

オープンイノベーション

リアルな情報共有・意見交換の場として、「地理院地図パートナーネットワーク会議」が実施されています。

2014年11月以降、継続的に会議が開催されており、現在105の受託開発者と、78のツール提供者がパートナーとして参加しています(2026年1月13日現在)。

会議では受託開発者・ツール提供者からの事例紹介、少人数討議、地理院からの情報提供などが行われ、会議資料はすべてWeb公開されています。

インフォマティクスも会員としてこの会議に参加しています。

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地理院地図・地理院タイル・ベクトルタイルの違い

地理院地図・地理院タイル・ベクトルタイルは混同されやすい用語ですが、それぞれ役割が異なります。

  • 地理院地図:国土地理院が提供するWeb地図サービス
  • 地理院タイル:地理院地図で利用されている地図データ
  • ベクトルタイル:地理院タイルのデータ形式の一つ

つまり、地理院地図というサービスの中で、地理院タイルという地図データが配信されており、そのデータ形式の一つがベクトルタイルです。

地理院地図(Web地図サービス)
   └ 地理院タイル(地図データ)
        └ ベクトルタイル(データ形式)

おわりに

国土地理院は、地図データ(=地理院タイル)とサービス(=地理院地図)を継続的に成長させることにより、「次世代地理院地図」の実現を目指しています。

国土地理院のようなデータ提供者とインフォマティクスのようなソリューション提供者が連携しながら社会の課題解決を支援していけるといいですね。

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【本記事について】
本記事は、空間情報シンポジウム2015大阪会場・名古屋会場で「地理院タイルの提供を通じたウェブ地図技術のGISへの普及を目指して」と題して講演された国土地理院/藤村英範様のご協力を得てインフォマティクスが執筆したものです。
<参考>地理院ウェブサイト https://maps.gsi.go.jp/development/siyou.html

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