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バッファとは? GISのバッファ機能と活用例をわかりやすく解説

こんにちは、インフォマティクスの空間情報クラブ編集部です。

本記事ではGISのバッファ機能について活用例も交えてわかりやすくご紹介します。

参考

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バッファとは

バッファ(buffer)とは、もともと物と物との衝突や衝撃をやわらげる「緩衝材」を意味する言葉です。

分野によって使われ方が異なり、

  • コンピュータの分野では「データを一時的に保存する領域」
  • ビジネスの分野では「コストや時間に余裕を持たせる仕組み」

という意味で使われることがあります。

GIS(地理情報システム)にも「バッファ」という概念があります。

GISのバッファ機能

GISでは、ある対象物(点・線・面)を基準に、その周囲の一定距離内の領域を「バッファ」または「バッファ領域」と呼びます。

このバッファ領域を作成する機能が、GISの「バッファ機能」です。

例)
「自宅」という対象物を基準に、そこから100mの等距離にある領域をバッファとした場合、中央の赤い円がその範囲となります。

さらに100mごとにオレンジ、黄色といった異なる色で範囲を分けることで、距離による段階的な分布を視覚化できます。

GISではバッファ機能を用いて、空間検索やさまざまな解析を行います。任意の領域を対象とするだけでなく、基準となる対象物と他の対象物との空間的な関係性も把握できるのが特長です。

バッファ機能の利用例

ここでは、GISのバッファ機能を活用した具体的な例をご紹介します。

津波到達予測図

海岸線を基準に、200mごとにバッファを作成。
それぞれの領域を色分けして表示することで、津波の到達範囲を示すハザードマップを作成できます。

国道の騒音判定

国道(点線)を基準にバッファを作成。
道路に近いほど騒音レベルが高くなるため、騒音被害の可能性があるエリアを一目で把握でき、住宅地への影響を評価するのに役立ちます。

生物の生息圏調査

鳥類の営巣地(点)を基準にバッファを作成。
この範囲をもとに鳥の行動圏を推定し、環境保全の調査や計画策定に活用できます。

おわりに

ご紹介したように、GISのバッファ機能は、対象物を中心に一定距離の範囲を可視化することで、周囲との空間的な関係性を直感的に理解できます。

防災、環境保全、都市計画など、さまざまな分野で応用できるバッファ機能。あなたなら、どんな場面で活用してみたいですか?

<地図データ出典>国土地理院発行の基盤地図情報(縮尺レベル25000)

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