垂直二等分線の作図法
割れたお皿の円周分の破片が残っていれば、もとのお皿の大きさ、すなわち半径を求めることができる。円の中心がわかれば半径もわかるので、中心を割り当てればいい。
それにはまず円の性質から説明していこう。
円周上(弧)に2点をとり、それらを結んだ線分が弦。弦の垂直二等分線は必ず円の中心を通る。
垂直二等分線とは、線分の中点(線分を半折りにした真ん中の点)を通り、線分と直角をなす直線のことだ。さて、線分があたえられたときに、その垂直二等分線をいかに作図すればよいだろうか。
定規とコンパスを用いた作図の方法を考えてみる。
- ステップ1
線分ABの両端A、Bを中心にした同じ半径の円をコンパスを用いて2つ描く。 - ステップ2
2つの円の交点が2つある。その2点を通る直線を定規を用いて描く。
注意:円を描くときの半径を線分ABの長さの半分以上の長さにとること。小さい半径の円を描いてしまうと2つの円が交わらない。
垂直二等分線から円の中心を求める
線分の垂直二等分線の作図から、円の中心を求めることができる。垂直二等分線は円の中心を通ることから、異なる2本の垂直二等分線を引けば、その交点が円の中心となる。
作図手順:
- 作図しやすいように割れたお皿の破片の写真を撮る。
- 写真の紙の上に作図していく。
- 破片の弧の部分に3点A、B、Cを取る。
- ABの垂直二等分線とBCの垂直二等分線をコンパスを用いて作図する。
2本の垂直二等分線の交点が円の中心、そして中心とA(B、Cでもよい)の長さが半径と求まる。
今回の方法は円の幾何学的な性質を用いたもの。次回は座標と方程式を用いた解法を紹介する。
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今回のコラムでは、お皿の破片(円周の一部)から定規とコンパスを使って元の円の中心や半径を復元する手法をご紹介しました。
これは、断片的な情報をもとに合同や相似の関係を使って図形全体の形や大きさを正確に導き出す──まさに平面幾何の基本的な手法と言えるでしょう。
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