GISソフト「SIS 9.1」の新機能をご紹介するシリーズ。今回は、SISの作業で使用頻度の高い「テーブルウィンドウ」の変更点をご紹介します。
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「検索バー」で絞り込み表示可能に!
テーブルウィンドウは属性を一覧表示するウィンドウで属性値の参照や入力を行う際に利用します。SIS 9.1では「検索バー」が追加され、以前と比較して簡単に文字や数値を条件で絞り込み表示できるようになりました(図1)。
図1:テーブルウィンドウに「検索バー」を追加
文字の場合は部分文字列の検索が可能です。数値では一致する値を検索しますが、<=, >, >=,<>をオプションとして使用することもできます。図2は新宿区のデータを用いて、以下の2つの条件で絞り込み表示した例です。
- 「町丁・字等名」に「新宿」を含む
- 「人口総数」2500以上
図2:「検索バー」で文字や数値を条件に絞り込み可能
この絞り込みは、「検索バーをフィルタとして保存」ボタンでフィルタとして保存できます。保存するとマップウィンドウの表示が更新されます(図3)。
図3:「検索バーをフィルタとして保存」ボタンでマップウィンドウに反映
値の一括コピーで入力作業を効率化
テーブルウィンドウの値入力に便利な「行の値コピー」と「セル値コピー」が追加されました。「行の値コピー」は、行単位で同じ値を複数の行に一括コピーします(図4)。コピー後は必要に応じて個別に値を変更できます。
図4:「行の値コピー」で行単位で値を一括コピー
セル単位で同じ値が続く場合は、「セル値コピー」を利用すると、先頭のセル値が一括コピーされるので、効率よく入力作業を進められます(図5)。
図5:「セル値コピー」でセル単位で値を一括コピー
オートコンプリート機能で簡単入力
個別の値を入力する際は、「オートコンプリート」機能で入力しやすくなりました。既存の値がリスト表示されるので、選択するだけで入力できます(図6)。SIS 9.1 SR1では、この機能のオン/オフを「ファイル/オプション」で設定できます。
図6:オートコンプリート機能の利用イメージ
統計コマンドに3Dグラフを追加
「統計」コマンドではテーブルウィンドウで選択したカラム(列)の統計値(最小値、最大値、平均値、標準偏差、分散など)や各種グラフを計算、表示します。
SIS 9.1では以下の3Dのグラフが追加されました。
- 折れ線グラフ(3D)
- 面グラフ(3D)
- 円グラフ(3D)
- 棒グラフ(3D,縦)
- 棒グラフ(3D,横)
カラーセットを選択して色を変更できるようになり、より見やすく多彩な表現が可能になりました(図7)。
図7:統計機能で生成されるグラフの表現力向上
テーブルウィンドウでPDF出力可能
テーブルウィンドウの内容はCSVなどの形式に出力できます。SIS 9.1ではデータ型の保持などに便利な「CSV on the Web」メタデータファイル(.json)もあわせて出力されるようになりました。
また、Adobe PDF出力も可能になりました。出力時に上下左右の余白、幅にフィット、セキュリティなど詳細設定が可能です(図8)。
図8:テーブルウィンドウの内容をPDF 出力
このほかにも、テーブルウィンドウの表示行数の設定方法が、以前の「追加」ボタンから、表示行数をリストから指定する方法に変わったり、テーブルウィンドウの並べ替え状態をクリアする「並べ替えクリア」ボタンが追加されるなどより使いやすくなっています。ぜひご活用ください。
おわりに
今回はSIS 9.1のテーブルウィンドウについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?次回の講座でも、引き続き9.1の便利な新機能についてご紹介したいと思います。
SIS Desktopシリーズ 製品情報
https://www.informatix.co.jp/sis/sis
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<地図データ出典>
OpenStreetMap data © OpenStreetMap Contributors、政府統計の総合窓口
(e-Stat)「国勢調査 平成27年 国勢調査町丁・字等別境界データ」(総務省)をもとに弊社が加工して作成、自然環境保全基礎調査(環境省生物多様性センター) をもとに弊社が加工して作成(https://www.biodic.go.jp/kiso/do_kiso4_bird_f.html)
※この記事は、GIS NEXT第92号に掲載された記事を編集したものです。