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新型レーダー採用で予測精度向上|ゲリラ豪雨予測アプリ tenki.jp Tokyo雨雲レーダー

新型気象レーダー採用で予測精度の大幅アップが期待

大雨による水害が各地で頻発する中、突然の大雨をすばやく察知して早めに防災対策や避難行動を起こすことが重要となる。

そのために活用したいのが、気象情報をいち早く知らせてくれるスマートフォンアプリだ。

日本気象協会が2020年7月7日にリリースしたiOS/Android向けアプリ「tenki.jp Tokyo雨雲レーダー」もその一つで、危険な雨をいち早く察知することができる。

tenki.jp Tokyo雨雲レーダー

概要

同アプリは、内閣府のSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の実証実験の一環として公開しているスマートフォンアプリ。

SIPで開発された世界初の気象レーダー「MP-PAWR(マルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダー)」を活用した初の一般向けアプリとなる。

MP-PAWR(エムピーパー)は、30秒から1分で雨雲の高速三次元観測が可能なフェーズドアレイ気象レーダー(PAWR)と、雨量を高精度で計測できるマルチパラメータ(MP)レーダの機能を併せ持つ気象レーダーで、上空の強い降水域をいち早く正確に観測できる。

これにより、数分後に地上に到達するゲリラ豪雨を事前に察知できるというわけだ。

「tenki.jp Tokyo雨雲レーダー」は、このMP-PAWRの観測データに加えて、天気予報専門メディア「tenki.jp」(日本気象協会提供)のノウハウを生かすことで、急速に発達する雨雲の予測を最短1分ごとに更新表示できる。

背景地図を衛星写真に切り替え可能

現在のところ、気象情報が見られるのは東京周辺だけで、地図は衛星写真にも切り替えられる。

雨雲の状況は20分前から現在までの2分ごと、予報は現在から20分後までの10分ごとの様子を見ることができる。

雨雲が見づらい場合は、右下のボタンで雨雲と地図の濃淡を変更できる。地図上でグレーとなっている部分は、レーダーの観測範囲外を意味する。

雨雲断面図の様子が見られるコンテンツも公開予定

同アプリでは、これらの情報に加えて、MP-PAWRの特徴である高速3次元観測を生かした雨雲断面図(高度500m~15500m)の様子が見られるコンテンツを公開する予定だ。

上空で観測された強い降水域は、数分後に地上に到達するので、よりすばやくゲリラ豪雨を察知できる。

表示エリアは鉄道路線からピンポイントに選択できる。

雨雲の断面図の様子を見られる新コンテンツを公開予定

同アプリは、まだ実証実験の段階ではあるものの、都内各地の降水状況をピンポイントに把握するための情報源のひとつとして活用できる。

今後は東京周辺だけでなく、ほかの地域でも同様の情報を見られるようになることを期待したい。

天気予報には「tenki.jp」が便利

日本気象協会ではこのほかに、天気予報専門アプリ「tenki.jp」も提供している。

同アプリは完全無料・会員登録不要。各地の天気予報を確認でき、気象予報士による天気解説や、地震・台風情報などの防災情報も取得できる。

こちらのアプリは日本全国の天気について広範囲に知ることができるほか、週間天気予報よりも長い「10日間天気」も用意されている。

突然の大雨を察知できる「tenki.jp Tokyo雨雲レーダー」と上手く使い分けて、変わりやすい夏の天気に備えてほしい。

■URL
tenki.jp Tokyo雨雲レーダー
https://tenki.jp/radar/3/16/

※本記事で紹介したアプリに関する詳細は提供会社様あてにお問い合わせください。

関連サイト

ゲリラ豪雨の予測精度があがる?新型レーダー「MP-PAWR」とは

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