地図や位置情報を活用したスマートフォンアプリを紹介するこの連載、今回は精細な地形表現を楽しめる3D対応の地図アプリ「スーパー地形」を紹介する。
スーパー地形
目次
概要
「スーパー地形」は、Windows用の3D地図ソフト「カシミール3D」の開発者であるDAN杉本氏が開発したiOS/Android向け地図アプリだ。
さまざまな地図が使用可能
地形の凹凸を精細に描いた独自の「スーパー地形データ」を見られるほか、地理院地図やGoogleマップなども使用できる。
「スーパー地形データ」は日本全国をカバーする基盤地図情報の5mメッシュをベースとした高密度の地形データで、細かな地形の凹凸がわかりやすい。
オンラインで使用できるだけでなく、地図データを一括ダウンロードしてオフラインで使用することもできる。
地理院地図や空中写真と組み合わせて表示でき、地理院地図の地図の濃度や色を変えることもできる。
スーパー地形データと地理院地図の重ね合わせ
使用可能な地図
「スーパー地形」では、以下をはじめ100種類を超える各種地図や空中写真を使用できる。
- スーパー地形データ
- 地理院地図
- Googleマップ
- 赤色立体地図(アジア航測株式会社)
- 傾斜量図(地形を傾斜で表現)
- アナグリフ(地形を赤青眼鏡で立体視)
- 関東迅速測図(明治初期の東京を描いた地図)
- シームレス地質図(産総研地質調査総合センター提供)
- 今昔マップ(明治から平成までの新旧地図)
- 湖沼図
- 火山基本図
- 治水地形分類図
- OpenStreetMap
赤色立体地図
アナグリフ
関東迅速測図
シームレス地質図
カスタムマップも使用可能
「カシミール3D」から切り出したカスタムマップを使用することもでき、観光マップや防災マップ、海外の地図など、手持ちのさまざまな地図を使用できる。
検索ほか便利な機能を搭載
地名や山名、緯度経度で検索してジャンプできるほか、地点間の距離や標高差の測定、地点間の断面図の表示もできる。
また、通常の地図アプリにはないユニークな機能として、ある地点からある地点が見えるかどうかを計算する「見通し判定」機能も搭載。
同機能は地面から高さがあるポイント間の見通しの判定も可能で、ビルからの見通し判定にも使える。
断面図
見通し判定
スマートフォンのGPSで取得した軌跡(トラック)を記録でき、測位間隔を変更することもできる。
手動で軌跡(トラック)を直接作ることもでき、作成した軌跡をもとにナビゲーションしたり、推定所要時間を求めたりすることもできる。
地図を3Dで表示
このアプリはスーパー地形データによる高精細な地形をはじめ、Googleマップを除く、表示可能なすべての地図を3D表示でき、3D地図上に軌跡を表示することもできる。
iOS版の最新機能として、記録した軌跡を3D地図上で再生し、同時にスマートフォン内の写真を検索して表示する機能も追加された。
3D表示
このほか、地図上の任意の場所を指定して、そこから見える景色に地名や山名を付けたパノラマ展望図を作ったり、別アプリの「AR地形模型」をインストールすることでAR表示したりすることもできる。
さらに、海面上昇のシミュレーションやドローンの安全飛行高度がわかる地図の作成も行える。
パノラマ展望図
海面上昇シミュレーション
利用可能な機能
このアプリはiOS版とAndroid版で機能に少し違いがあり、いずれもアプリ内課金によって機能制限解除を行うことで多彩な機能が利用可能となる。
iOS版
iOS版の機能制限解除は960円で、スーパー地形データの使用やトラックの記録・作成、断面図の作成・一覧、地図の一括ダウンロードが可能となる。購入後の使用期限はない。
Android版
Android版は年間750円で、機能制限解除によりスーパー地形データの利用やトラックの軌跡・作成、断面図の作成・一覧、地図の一括ダウンロード、ナビ機能、見通し判定機能などが利用可能となる。
Android版はこれまでパノラマ展望図の機能が搭載されていなかったが、12月21日に行われた最新のアップデートにて、iOS版と同じようにパノラマ展望図の機能が追加された。
精細なスーパー地形データに加えて、さまざまな機能を搭載する「スーパー地形」は、登山だけでなく、街中で地形の凹凸を調べながら散策したり、好きな山が見えるかどうかを確認したり、シミュレーション機能を防災に役立てたりと、多様な使い方ができる。
スマホを片手にこのアプリで地形を確認しながら、さまざまな場所を巡ってみてはいかがだろうか。
■URL
スーパー地形
https://www.kashmir3d.com/online/superdemapp/
※本記事で紹介したアプリに関する詳細は、提供会社様あてにお問い合わせください。