このたび「SIS 9」がリリースされました。
また、これまでGISソフト「SIS」 活用講座でご紹介してきた、無料でどなたでもご利用いただけるSISフリービューア 9もダウンロードを開始しました。
この機会にフリーのデータをSIS 9に読み込んで表示関連の操作をぜひお試しください。
今回も引き続き「SIS 9」の新機能についてご紹介します。テーマは「時系列データ」です。
時系列データについて
降雨量、気温、交通、人口など、時間によって変動する値と観測した位置の座標が登録されたデータを、時系列データとしてSISで読み込んで解析することができます。
例えば、気象庁のホームページから気象に関する各種データをダウンロードして、SISで時系列データとして読み込み、時間による変化を表現することができます。
下の図は、ある時刻における降水量の分布です。

図1. 西日本豪雨の例
時系列データの解析
例1:地震発生状況
ある一定期間の属性情報を表示して解析することができます。

図2. 時系列データの表示設定
東日本大震災において、2011年3月11日に発生した震源とマグニチュードを、主題図を利用して表示すると図3のようになります。
翌日3月12日が図4です。
比較すると回数やマグニチュードの違いを確認できます。
例2:風速と風向の表示
日頃メディアで目にする天気や風の情報も簡単に表示することができます。
操作に必要な情報(例えば、日付、位置座標、風速、風向など)をデータベースとして用意し、ViewPointデータセットという種類のデータとしてSISに読み込みます。
点データの角度を示す属性に風向を設定してデータを読み込むと、表示するシンボルの向きを風向の属性に合わせて変更することができます。
あとは主題図で風速を色で表現すると図5のような表示になり、観測した風速と風向を日ごとに確認できるようになります。

図5. 2019/5/1 と 5/2 東京の風速と風向
ここまでのデータ読み込みや表示機能はフリービューアで操作できますが、SIS 9の「SIS Desktop」では、さらにこの時系列データを遷移表示することができます。
アニメーションの再生 -動画作成、連続画像ファイル出力-
SIS Desktopでは、アニメーションを動画ファイル(*.mp4、*.wmv)に出力したり、連続画像のファイルに出力することができます。
動画の作成
時系列コントロールバーでアニメーションを作成する期間を設定します。

図6. 時系列コントロールバー
「ビデオ」コマンドを実行して出力する詳細情報を設定します。
出力した動画はこちらからダウンロードしてWindows 標準搭載のプレイヤーで再生できます。

図7. 動画再生画面
連続画像の作成
指定した期間の結果を連続画像としてファイルに出力することもできます。
特別なソフトウェアがない環境でも解析結果を確認したり、情報提供の資料を作成することができます。

図8. ファイル出力結果
おわりに
SIS 9で新たに追加された時系列データ解析機能はいかがでしたか?
引き続き次回でもSIS 9の新機能についてご紹介しますので、どうぞお楽しみに!
SIS Desktopシリーズ製品情報
https://www.informatix.co.jp/sis/sis/
<地図データ出典>
気象庁「気象観測データ」「地震・津波の観測・解析データ」をもとに株式会社インフォマティクス作成、基盤地図情報、国土地理院 地理院地図「The bathymetric contours are derived from those contained within the GEBCO Digital Atlas, published by the BODC on behalf of IOC and IHO (2003) (http://www.gebco.net)
海上保安庁許可第292502号(水路業務法第25条に基づく類似刊行物)」
Shoreline data is derived from: United States. National Imagery and Mapping Agency. "Vector Map Level 0 (VMAP0)." Bethesda, MD: Denver, CO: The Agency; USGS Information Services, 1997.
※この記事は、GIS NEXT第68号に掲載された記事を編集したものです。