GISソフト「SIS」活用講座

GISソフト「SIS」 8.0ならできる便利機能|Part4 データ共有

GISソフト「SIS」でデータを編集するとき、複数の人で同じデータを編集したい場合があると思います。

今回はそのような場合の対応方法をご紹介します。

インフォマティクスでは、国内で約36,000のお客様に利用されているGIS(地理情報システム)製品SIS(エスアイエス)をご用意しております。
SISの最新カタログをダウンロードする >>

同時編集が不要な場合(BDSファイルを共有)

一番簡単な方法は、SIS独自フォーマットの「ベースデータセット」(BDS)ファイルをファイルサーバに置き、複数ユーザで共有する方法です。

BDSファイルは複数ユーザで同時に編集することはできないため、一人が編集している間、他のユーザは編集が終わるのを待たなければ編集できません。

しかし、少人数でファイルを共有して同時編集しないのであれば、この方法がシンプルです。

少人数で同時編集する場合(IDBファイルを共有)

SIS 8.0で、複数ユーザで同時編集することができる「アイテムデータベース」(IDB)ファイルが追加されました。

IDBファイルは、ファイルベースのデータベースを利用しているため、複数ユーザで同時編集できます。

また、トランザクション機能を使用して、データの編集処理をまとめて確定することもできます。(図1)

20180725_1

図1:トランザクション

IDBファイルはSISで利用できるほとんどの図形の種類をサポートしているので、データ作成時にSISで特別な設定する必要がありません。

以下の操作で作成します。(図2)

既存のデータをIDBファイルにする

  1. 「ファイル」メニューの「出力」コマンドを実行します。
  2. 「ファイルの種類」を「Cadcorp アイテムデータベース(*.idb)」を指定して出力します。

新規にIDBファイルを作成する

  1. 「ホーム」タブの「マップ/オーバーレイ追加」コマンドを実行します。
  2. 「ファイル」タブの「新規データセット」を選び、「ファイルの種類」を「Cadcorp アイテムデータベース(*.idb)」を指定して作成します。20180725_2

図2:IDBファイル作成

大人数で同時編集ならデータベースを利用

IDBファイルはファイルベースのため、大規模システムでのデータ共有には不向きです。

そのような場合は、PostGIS、Microsoft SQL Server Spatial、Oracle Spatial/Locatorに図形情報を格納する方法を利用します。

これらのデータベースでは、扱える図形の種類に制限があります。また、図形のスタイル割り当てには地物テーブルを使用するので、スタイルの保持が難しい場合もあります。*1

なお、次バージョンのSIS 9では、カーソルデータセットのアイテム個別に図形のスタイル情報を簡単に編集できる機能が追加されます。次バージョンのSIS 9もご期待ください。

*1 スタイルを保持する方法:
SISサポートページから「SIS8.0カーソルデータセット資料」をダウンロードして「RDBMSカーソルデータセット」の項目を参照

既存データをデータベースに出力して読み込む方法

1. 「ファイル」メニューの「出力/サーバ出力」コマンドを実行して出力します。(図3)

20180725_3

図3:データベース出力

2. 出力したデータは、「ホーム」タブの「マップ/オーバーレイ追加」コマンドを実行し、「データベース」タブでデータベースを指定して読み込みます。(図4)

20180725_4

図4:データベース読み込み

位置情報の共有はViewPointデータセットで

位置座標が記述されたデータは、ViewPointデータセットを利用してポイントデータとして読み込んで、様々な場面で使用します。

ViewPointデータセットは、データを複数のユーザで共有して利用できます。

ViewPointデータセット用データの作成方法

  1. 「ホーム」タブの「マップ/オーバーレイ」コマンドを実行し、「スキーマ」タブを表示します。(図5)
  2. 位置座標を出力するオーバーレイを選択して、「カラム/プロパティ追加」から「原点X」「原点Y」(または「原点(経度)」「原点(緯度)」)と、高さ情報がある場合は「原点Z」を追加します。
    「OK」ボタンでダイアログを閉じます。(図5)
  3. 「表示」タブの「ドキュメント表示/テーブル」を実行します。テーブルウィンドウが表示されます。(図5)
  4. 「ファイル」メニューの「出力」コマンドを実行し、「CSV(カンマ区切り形式)(*.csv)」を指定してCSVファイルを出力します。20180725_5             図5:ポイントデータ出力

ViewPointデータセットの作成方法

出力したデータを、「ホーム」タブの「マップ/オーバーレイ追加」コマンドを実行し、「データベース」タブで「Cadcorp ViewPointデータセット」を指定して読み込みます。(図6)

20180725_6

図6:ポイントデータ読み込み

おわりに

データ共有には、さまざまな方法がありますので、ぜひSISを活用して効率よく作業を進めてみてください。

SIS Desktopシリーズ 製品情報
https://www.informatix.co.jp/sis/

GISソフトをお探しなら

GISソフトをお探しの方、現在お使いのGISに課題を感じている方は、ぜひGIS(地理情報システム)製品SISをご利用ください。無償版もご用意しています。
SISの資料をダウンロードする >>

無償版SISを試してみる >>

GISやAI機械学習を使った業務システムの構築に関するご相談を承っています。お気軽にお問い合わせください。

相談する(無料)

※この記事は、GIS NEXT第64号に掲載された記事を編集したものです。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事
アバター画像

空間情報クラブ編集部

空間情報クラブはインフォマティクスが運営するWebメディアです。GISソフト「SIS」の便利な機能を紹介する活用講座や用語解説をはじめ、地図、AI機械学習、XR、数学をテーマにしたコラムを多数掲載。楽しみながら学んでいただけるお役立ち情報を発信しています。

あわせて読みたい

-GISソフト「SIS」活用講座
-,