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2024年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」では、石川県や新潟県、富山県を中心に甚大な被害が発生し、被災地では安否不明者の捜索や避難者の支援活動が今も懸命に続いている。
一方、インターネットでは地震発生直後から被災地への支援を目的として地理空間情報を活用したさまざまなサイトが立ち上がっている。
これらのサイトでは、被災直後に撮影された航空写真や道路の交通実績情報、土砂災害が発生した地域などさまざまな情報を地図上で確認することができる。
今回は、現在公開されている災害関連サイトの中から代表的なものをいくつか紹介する。
リアルタイム災害情報
出典:https://www.geospatial.jp/disaster-info/
地理空間情報のデータ流通支援プラットフォーム「G空間情報センター」が提供するサイト。
データ名の横にあるアイコンをクリックすると、G空間情報センターのデータ提供ページが表示され、データをダウロードできる。住家被害や通行実績マップについては、日ごとのデータを遡って入手することも可能だ。
以下の情報を提供している。
- 国土地理院が発表した津波浸水域や斜面崩壊・堆積分布
- 航空測量会社が提供する被災地の航空写真
- N2EMが提供する住家被害状況
- パイオニアが提供する通行実績マップ
- ハザードマップ
- 色別標高図
防災クロスビュー
出典:https://xview.bosai.go.jp/view/index.html?appid=41a77b3dcf3846029206b86107877780
防災科学技術研究所が提供するサイト。SIP4D(基盤的防災情報流通ネットワーク)で共有された災害対応に必要な情報を地図上で確認できる。
公開情報は以下の通り。
- 面的推定震度分布
- 建物被害推定(全壊)
- 災害関連法の適用状況
- 対策本部会議/被害状況(石川県)
- 地震速報
- 震源分布
- 全国地震動予測地図
- ハザードマップ
乗用車・トラック 通行実績情報
出典:https://disaster-system.its-jp.org/map4/map/#map=9/37.255473/137.079162&layer=gsi
ITS Japan参加企業(以下を参照)からの提供情報をもとにした通行実績マップ。
一般的な乗用車のほか、小型トラックや大型・中型トラックの通行実績もわかる。背景地図は地理院タイルとOpenStreetMapの2つから選択できる。
- 本田技研工業
- パイオニア
- トヨタ自動車
- 日産自動車
- いすゞ自動車
- UDトラックス
- 日野自動車
道路復旧見える化マップ
出典:https://www.mlit.go.jp/road/r6noto/index2.html
道路の復旧に関するさまざまな情報を地図上に可視化したマップ。マップに掲載のGISデータ(GeoJSONファイルおよび画像ファイル)をダウンロードすることもできる。
提供情報は以下の通り。
- 緊急復旧済み区間
- 復旧到達地点
- 啓開作業状況
- 啓開前/啓開後比較箇所
- 道の駅の状況
- 主な被災箇所
- 被災状況(空撮)
- 都市間所要時間(七尾市から輪島市・珠洲市・能登町)
- ETC2.0速度データ(平均速度)
- 500m人口メッシュデータ
地理院地図
出典:https://www.gsi.go.jp/BOUSAI/20240101_noto_earthquake.html
被災地の空中写真のほか地殻変動や震源断層モデルの情報も提供しており、ウェブ地図サービス「地理院地図」でもさまざまな情報を閲覧できる。
公共測量への対応情報など、測量事業者向けの情報も提供している。
- 空中写真(正射画像、垂直写真、被災前後の比較)
- 空中写真判読による津波浸水域(推定)
- 斜面崩壊・堆積分布データ
- 斜面崩壊・堆積分布図
- 「だいち2号」観測データの解析による地殻変動
- 「だいち2号」観測データの解析による海岸線の変化
- 空中写真で確認した、陸化したと思われる港
- 電子基準点による地殻変動
- 震源断層モデル
- デジタル標高地形図
- 空中写真の画像判読による輪島市中心の火災焼失範囲(推定)
災害マップ
出典:https://weather-report.yahoo.co.jp/map/
「Yahoo!防災速報アプリ」のユーザーから投稿された災害の周辺状況をリアルタイムに確認できるマップ。
ユーザーだけでなく、報道メディアやNPOなどの連携パートナーによる投稿や、日本道路交通情報センター提供の交通情報も確認できる。
国際災害チャータ
出典:https://disasterscharter.org/ja/web/guest/activations/-/article/earthquake-in-japan-activation-857-
地球観測衛星が取得した被災地の写真を、撮影ポイントを示した地図とともに確認できる。被災後の写真だけでなく、被災前の衛星写真も掲載されているので被害状況をより的確に把握できる。
被災地支援のための天気サイト
出典:https://weathernews.jp/news/quake_noto2024/
ウェザーニュース社が開設した被災地支援やボランティア支援のための天気サイト。すべて無料で利用できる。
被災地のユーザーから直接ウェザーニュースアプリに届いた報告(写真・コメント)を地図上に可視化した「被害リポートマップ」では、被害項目別(家屋倒壊や道路被害、水道、電気・ガスなど)に状況を把握できる。
提供情報は以下の通り。
- 被災地周辺の雨/雪レーダー
- 被災地のピンポイント天気
- 被災地周辺のユーザーからの投稿(リポート)/通信実績/停電戸数
- 災害用ドローンのための風/気温の予想
インフォマティクスからのお知らせ
インフォマティクスの震災対応プログラムのご案内
このたびの震災の被害によりメディア、ハードウェアロック、ライセンスファイルなどを消失・破損されたSISおよびGeoConic/GeoCloudユーザー様への支援として、無償で交換・再発行の対応をさせていただきます。
詳しくはこちらをご覧ください。
石川県輪島市の坂口市長は2024年11月15日、国道249号の迂回路の工事現場を視察。2024年元旦に発生した地震の影響で国道249号は現在も一部通行止めが続いており、隆起して陸地となった海岸を利用した新たな道路整備が行われています。坂口市長は視察後の取材で、隆起した輪島市北部の海岸を「震災遺構」として保全する考えを示すとともに、訪れた人がこの周辺を見て回れるよう自転車道を整備する構想も明らかにしました。<参考>北國新聞デジタルウェブサイト