地図・地理 書籍

地理学習にオススメの書籍を紹介|月刊「地理」9月号特集は現地調査・研究の安全対策

こんにちは、インフォマティクスの空間情報クラブ編集部です。

地図や地理に関心がある方やこれから学びたいという方から「何かオススメの本があったら教えてください」というお問い合わせをいただきました。

そこで今回からシリーズで、空間情報クラブ編集部が地理・地図分野で気になる書籍をご紹介しますので、参考にしていただければと思います。

PICK UP - 今月の書籍

統計データを地図化して傾向を把握『地図化すると世界の動きが見えてくる』

自然環境・産業・資源・エネルギー・生活と文化・人口などさまざまな情報を地図化して傾向や特徴を解説。

例えば「コンビニエンスストアの出店戦略」「外国人旅行者の移動」「産油国の変化」「肉食の地図」「信心深い土地はどこか?」などを地図上に可視化して現状をあぶり出していきます。(伊藤智章 著)

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ツイートから地域特性を分析『ツイッターの空間分析』

個人でもビジネスでも情報の発信・収集に活用されているツイッター。ツイッターに位置情報が付いていると、投稿の地理的特徴がわかります。

ツイートデータの取得・分析手法を問題点も含めて解説し、観光客の行動分析やことばの地域差といった実例を掲げ、ツイート分析の可能性を探ります。(桐村喬 編)

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20の感染症をやさしくビジュアルに解説『ビジュアル パンデミック・マップ』

コレラ、天然痘、エボラ出血熱、SARSなど、これまで大流行した伝染病を多数のビジュアルとともに解説。

当時のイラストや写真、最新データをもとに感染経路や終息例、感染地域などがわかりやすく地図化されています。(サンドラ・ヘンペル 著)

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空間疫学を本格的に学ぶなら『空間疫学への招待 ―疾病地図と疾病集積性を中心として―』

疾病の地理的変動を視覚化する「疾病地図」の推定法や疾病集積性の方法論、統計ソフトウェアの利用方法などについて、空間疫学の事例と統計学的アプローチが解説されています。(丹後俊郎 ・横山徹爾 ・髙橋邦彦 著)

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空間情報プラスにコラム「空間疫学とGIS(地理情報システム)の役割と課題」を掲載していますのでご参照ください。

プロが愛読する 月刊「地理」

地理教育関係者、研究者御用達といっても過言ではない月刊「地理」。

特集、連載、寄稿、書評などから構成され、地理学や地図をテーマにした専門性の高い記事が掲載されています。

1956年の創刊以来、地理ひと筋。

旅行が好き、地図が好き、環境やまちづくりに関心がある。「歴史好き」に比べるとマイナーな、しかし心は熱い「地理好き」のための月刊誌です。

カラー頁も少なく、けっしてビジュアルではありません。が、専門性を活かした特集記事や国内外の地域ルポ、地理スキルアップ講座など、他誌ではなかなかお目にかかれない内容がいっぱい。

日本各地の「地理好き」からの投稿も毎号掲載しています。

出典:古今書院ウェブサイト

プロ仕様の印象が強いのですが、ツイッターやブラタモリ、アウトドア、ランニングなど身近なテーマが取り上げられていますので、初心者の方でも大丈夫です。

創刊までの経緯はこちら。

創刊の大きなきっかけとなったのは、1956年8月にブラジルのリオデジャネイロで開かれた国際地理学会議である。これに日本から数人の有識者が派遣された。

さらに翌1957年においては日本で国際地理学会議が開催予定であった。このことから学界のみならず一般国民の地理的関心を大いに高めることが期待された。

月刊地理はこの躍進の気運を進展させるとともに一般国民の地理的関心を高めることを目的に創刊された。

当初は専門家向けに書かれたものが中心であったが、現在は地理学を専門的に学んでいない人でも気軽に読むことができる内容が多くなっている。

出典:Wikipedia

月刊「地理」9月号の見どころ

月刊「地理」担当編集者の方に9月号の見どころ(特集内容)とオススメ記事を紹介していただきました。

特集:フィールドの安全対策を考える

2020年9月号(8/25発売)の特集テーマはフィールドワークでの安全対策です。

調査・研究などフィールドでの事故をどう防ぐのか?犯罪・紛争や災害に遭遇したときはどうする?など、フィールドワークで必要な知識や考え方が事例を交えて紹介されています。

新型コロナウイルス感染症による国境・空港閉鎖になる前に、海外からどのようにして帰国したのか?海外フィールドワークからの撤退方法についても紹介。マラリア、デング熱なども含めた感染症対策への考察が掲載されています。

9月号について詳しくはこちら

月刊『地理』9月号をAmazonでみる

 

Editor's Choice

連載:地形分類図 作成の課題と防災活用 10

地形分類図の活用 ─ 安心安全な社会づくりの基盤(須貝俊彦)

地形環境を知る手がかりとなる地形分類図の特徴や、防災分野で活用するうえでの課題が解説されています。

今回が連載最終回。東京大学大学院 新領域創成科学研究科 教授 須貝俊彦氏による記事です。

連載:授業で使えるはじめての GIS 4

地理院地図を使って小地形を理解しよう ― 富山県・黒部川扇状地を題材とした地理学習(麻生慶彦)

地理総合必修化に向けて、GIS(地理情報システム)を活用した授業内容の検討を進めていらっしゃる先生方も多いと思います。

本連載では高校の地理授業で地理院のWeb地図を活用した例が操作方法とともに紹介されています。実際に授業をされた麻生先生による記事です。

 

おわりに

今回ご紹介した書籍はいかがでしたか?

ひとくちに地理・地図関連の書籍といっても、学び直しや面白く学ぶことを目的にしたものから専門書まで、扱う分野もレベルもさまざまです。

このシリーズでは空間情報クラブ編集部がそのときどきで気になった書籍をピックアップしてご紹介してまいりますので、参考にしていただければ幸いです。

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空間情報クラブ編集部

空間情報クラブはインフォマティクスが運営するWebメディアです。GISソフト「SIS」の便利な機能を紹介する活用講座やGIS用語解説をはじめ、地図、位置情報、AI機械学習、数学をテーマにしたコラムを掲載。楽しみながらより深く学んでいただけるお役立ち情報を発信しています。

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