GISソフト「SIS」活用講座

GISソフト「SIS」こんなときはどうする!?|Part1 属性編

今回から新シリーズ開始です! SISユーザーサポートにお寄せいただくご質問から、SISの便利な操作方法など役立つ情報をご紹介します。

今回は、地図上での分析で重要な属性やスキーマ、テーブル接続をご紹介しつつ、こんなお悩みにお答えします。

「属性を削除したはずなのに消えてない!」
「csvファイルの情報を取り込みたいが、希望のデータ型にならない!」

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地図上の図形は情報をもっている

例えば、都道府県の地図データは、都道府県名や人口、面積などの情報を持ちますが、このように地図の図形が持つ様々な情報を「属性(プロパティ)」といいます。

GISではこの属性を利用して、地図から目的の図形の検索や、主題図の作成などができます。

図1:属性情報の例(「ユーザ属性」の設定画面)

SISのプロパティは、「システムプロパティ」と「ユーザ属性」に分けられ、システムプロパティはシステム(SIS)が自動的に用意するプロパティであるのに対し、ユーザ属性は利用者が任意に追加するプロパティです。

似て非なる「スキーマ」と「ユーザ属性」

さて、SISユーザーサポートに、「属性を削除したはずなのに消えてない!」というご質問をいただきます。

これには、「スキーマ」が関わっていることが多いので、まずユーザ属性とスキーマの違いからご説明します。

ユーザ属性は、個々の図形にユーザーが任意に付加することができるプロパティで、図形を選択後、「プロパティ」コマンドで表示される「プロパティ」ダイアログの「ユーザ属性」タブで確認や設定ができます(図1)。

一方、スキーマはテーブルウィンドウなどに表示する項目を設定するもので、ユーザ属性のようにアイテム自体に付加された情報ではありません。

設定は「オーバーレイ」ダイアログの「スキーマ」タブで行います(図2)。

図2:スキーマの設定画面

スキーマは、テーブルウィンドウや「プロパティ」ダイアログの「スキーマ」タブなどで確認できます(図3)。

図3:スキーマで設定した項目がテーブルウィンドウに表示される
(マップとテーブルウィンドウを縦に並べて表示)

データの読み込み後は、通常すべてのユーザ属性がスキーマに登録されますが、作業に必要なものだけを残して他を非表示にしたり、面積などのシステムプロパティを追加したり、ユーザ属性の「人口」とシステムプロパティの「面積」を組み合わせて、「人口密度」などの計算式を設定した項目を追加することもできます(図4)。

例① 人口密度(「人口/面積」の計算式を設定)

例② 地価のポイントデータを利用してエリア毎に平均値を表示

図4:ユーザ属性以外の情報も表示できる便利なスキーマ

このように、一見似たような「ユーザ属性」と「スキーマ」は、同じものではないので注意が必要です。

混同すると、ユーザ属性を削除したつもりが、スキーマを削除しただけだったということになります。こんなときは、操作するダイアログが違う可能性があるので見直してみてください。

スキーマを利用すると、上記の人口密度や空間関数を利用した計算式のように、ユーザ属性にないものでも計算して手軽に表示することができて便利です。

また、これらの計算結果をアイテムにユーザ属性として設定したい場合は、「一括入力」機能で可能です。ぜひご利用ください!

便利な「テーブル接続」

地図に情報を取り込む場合、個々の図形ごとにユーザ属性を設定するのは手間ですが、「テーブル接続」機能を使うと、csvやExcelなどの外部DBの情報を、簡単にSISの図形と紐づけすることができます。

さて、「csvファイルとのテーブル接続で、意図しないデータ型になっている!」というご質問をいただくことがあります。csvファイルは書式情報を持たないので、希望と異なるデータ型で認識される可能性があります。

こんなときは、テーブル接続のウィザードの中で、各カラムのデータ型を設定できますので、お試しください(図5)。

図5:テーブル接続時に各カラムのデータ型設定が可能

なお、テーブル接続は 「DBを参照している」状態ですが、接続時のウィザードの中で「ユーザ属性」としてインポートする設定があり、直接ユーザ属性として取り込むことも可能です。

地図が持つ属性を活用して、主題図の作成や様々な分析にお役立てください!

 

ワンポイントコーナー

このコーナーでは、フォーミュラテクニックを紹介します。
今回は、図4でご紹介した平均値の計算方法を解説します。

平均値を取得する場合、空間関数CalcInteriorを利用し、第3引数を「2」にします。

CalcInterior("地価ポイントデータ","surveyedPrice&",2)
第1引数:オーバーレイ名称
第2引数:平均値を計算する属性のプロパティ名

▶ 「オーバーレイ」ダイアログの「カラム/空間フォーミュラ」を利用するとウィザード形式で簡単に設定できます!

おわりに

いかがでしたでしょうか?

このシリーズで皆様のお悩みを解決しながら、SISの便利な機能についてご紹介していきたいと思いますので、どうぞお楽しみに!

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https://www.informatix.co.jp/sis/

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<地図データ出典>国土地理院:基盤地図情報、地理院地図
国土交通省:国土数値情報「都道府県地価調査データ」を加工して作成
https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-L02-v3_0.html

※この記事は、GIS NEXT第79号に掲載された記事を編集したものです。

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空間情報クラブ編集部

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