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自転車用ナビゲーションアプリ|自転車NAVITIME(ナビタイム)

コロナ禍の移動手段として注目されている自転車。

その自転車に特化したナビゲーションアプリとして人気を集めているのが、ナビタイムジャパンが提供する「自転車NAVITIME」だ。

音声案内や高低差がわかるグラフなど、自転車通勤やサイクリングを楽しむうえで便利な機能の数々を紹介しよう。

概要

自転車NAVITIMEはサイクリングに特化したナビゲーションアプリで、高速道路や階段を回避した自転車向けルートを検索できる。

ルート検索は以下をはじめ、さまざまな条件で行うことが可能だ。

  • 推奨ルート
  • 距離が短い
  • 坂道が少ない
  • 坂道が多い
  • 大通り優先
  • 裏通り優先
  • サイクリングロード優先

このうち無料で利用可能なのは「推奨ルート」のみで、ほかの条件でルート検索を行ったり、経由地を指定したりする場合は有料会員(プレミアムコースおよびプレミアムプラスコース)への登録が必要となる。

坂道が多いか少ないかで条件を指定できる点は自転車用ナビゲーションアプリならではの機能といえるが、もうひとつ注目されるのがサイクリングロードに対応している点だ。

自転車NAVITIMEは全国150カ所以上のサイクリングロードに対応しており、自動車は通行できない自転車専用の道路や河川敷のサイクリングロードも含めてルート検索を行える。

目的地検索はフリーワード検索のほか、自転車に関するスポット(コンビニやカフェ)を検索できるカテゴリ検索も可能。

サイクリストの休憩スポットとして自治体が整備している「サイクリングステーション」の情報も収録されており、サイクルラックの有無や空気入れのバルブ種別(英・米・仏)、トイレの有無、利用可能時間を確認できる。

収録されているサイクルステーショーンの数は、2019年7月時点で、全国で約4,800カ所以上にものぼるという。

おすすめのサイクリングコースを集めた特集記事も用意されており、コース全体図や地元のおすすめ立ち寄りスポットが写真付きで紹介されている。

コース情報は自治体から情報提供を受けており、福島県いわき市や猪苗代湖周辺を周遊するコースを英語、中国語(繁体字・簡体字)の多言語で紹介する。

「サイクリングロード優先」では河川敷のサイクリングロードを含むルート検索が可能

 

サイクリングステーションの情報を収録

 

おすすめのサイクリングコース

未舗装路や車通りの多い道を回避したルート検索が可能に

自転車NAVITIMEのルート検索機能は日々進化しており、2020年10月には推奨ルートにおいて砂利道など未舗装路を回避したルート検索が可能になった。

ロードバイクのように細いタイヤの自転車で林道や川沿いの道を走る場合に、「走行は可能だけど、走りづらくて困った」といったユーザーからの意見があったため、未舗装路を考慮して回避するルートを提供することにしたという。

今後は推奨ルート以外の6種のルートについても未舗装路を回避できるように開発・検討する予定だ。

さらに2021年4月9日には、有料会員の場合、車通りの多い道を回避したルート検索が可能となった。

ルート検索時に「車通りの多い道回避」をオンにすることで、推奨ルート検索時にこの機能が適用されたルートが検索可能となる。

車通りの多い道についての情報は、公益財団法人日本道路交通情報センター(JARTIC)がオープンデータとして公開している一般道路の「断面交通量情報」をもとに、車線数や実際の走行台数の実地調査データを加味した独自基準を策定し、交通量が多い場合は、その道路を避けたルートを検索可能にしている。

ルート検索時に出発・到着の日時を設定すれば、時間帯によって異なる交通量に応じたルート検索が可能だ。

同アプリでは以前も大きな道を避けるルートとして「裏通り優先」ルートを提供してきた。

「裏通り優先」では裏道(住宅街や細街路)を積極的に利用するのに対して、「車通りの多い道回避」では、推奨ルートの中で交通量の多い道路を避けて並走する道路を利用するなど、より自然な形で安心・安全なルートを提供できるようにしている。

車通りの多い道を回避したルート検索

ルート上の起伏を把握できる高低差グラフ

自転車での移動ルートを検討する上で最も気になるのは、やはり途中にどれくらい坂があるかということ。

そんなサイクリストならではの要望に応えて、自転車NAVITIMEでは地図上でルートを表示するだけでなく、ルートの起伏を表現した「高低差グラフ」も表示される。

検索結果から各ルートの高低差グラフを比較して、どのルートを選ぶかを決められる。ナビゲーションは進行方向を指し示す矢印と音声によって行われ、音声案内では交差点名の読み上げも行われる。

高低差グラフはナビゲーション中にも確認できるため、ギアチェンジやペース配分を行う上で参考になる。

走行中の速度や距離、時間を計測できるサイクルコンピューター機能も特徴のひとつで、地図画面とサイクルコンピューター画面の切り替えはワンタップで行える。

自転車NAVITIMEには、長距離のサイクリングにも対応できるように、端末の画面をOFFにすることで電池の消耗を軽減する機能が付いており、音声ナビを継続しながらバッテリー消費を抑えられる。

プレミアムコースに登録すると、走行したルートを記録する機能も利用可能となる。

ルートの軌跡だけでなく、走行距離や消費カロリーも記録することが可能で、使い終わったあとに実際に自転車で走ったルートを地図上で見返すことができる。

高低差グラフ

 

サイクルコンピューター機能

 

走行したルートを記録することが可能

多言語にも対応

このほか、最近の強化点として多言語への対応も挙げられる。対応言語は英語および中国語(繁体字・簡体字)。

メニュー画面やルート検索、スポット検索、地図表示、ナビゲーション中画面を多言語で表示可能で、ナビゲーションの音声案内も英語での発話に対応する。

言語はスマートフォンの設定に合わせて自動で切り替わる。全国対応の自転車専用ナビゲーションアプリでの多言語対応は日本初だという。

多言語に対応

経路探索にGPUを活用して検索品質を向上

ナビタイムジャパンは2019年7月に、経路探索エンジンを更新して、自転車経路探索においてGPU技術を活用した地図階層データの同時並列処理を実現したと発表した。

自転車経路はサイクリングロードや自転車専用道など自転車特有の情報を含むため、車や徒歩に比べて考慮すべきデータ量が多く、以前は中長距離のルートの場合、広範囲の地図を短時間で検索する代わりに検索対象の地図階層データおよび階層内の一部道路を制限することがあった。

たとえば進行方向にトンネルがある場合はその隣に走行可能な側道があっても考慮されず、大きく迂回するルートを表示してしまうことがあった。

経路探索エンジンの更新により、膨大なデータを高速処理できるGPUの技術を自転車経路に応用して、探索対象となる道路を制限することなく、すべてを同時並列処理することが可能となった。

経路探索におけるGPUの活用は日本で初めての試みだという。

このように、自転車NAVITIMEはカーナビアプリとは一味違った独自の機能を数多く備えつつ、最新技術により高いルート品質を実現している。

同アプリを使って、安全かつ効率的にサイクリングを楽しんでみてはいかがだろうか。

GPU技術の活用により検索可能な道路対象が大幅に増加

■URL
自転車NAVITIME
https://products.navitime.co.jp/service/bicycle/android_sp.html

※本記事で紹介したアプリに関する詳細は提供会社様あてにお問い合わせください。

 

  • この記事を書いた人
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片岡義明(かたおかよしあき)様

フリーランスライター。ITの中でも特に地図や位置情報に関することを中心テーマとして取り組んでおり、インターネットの地図サイトから測位システム、ナビゲーションデバイス、法人向け地図ソリューション、紙地図、オープンデータなど幅広い地図・位置情報関連トピックを追っている。測量士。インプレスR&Dから書籍「位置情報トラッキングでつくるIoTビジネス」、「こんなにスゴイ!地図作りの現場」、共著書「位置情報ビッグデータ」「アイデアソンとハッカソンで未来をつくろう」が発売。

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