SIS 9は3月にサービスリリース「SIS 9 SR2」をリリースしました。さらに使いやすくなったSR2をぜひご活用ください。
さて、今回も前回に引き続き「プロセス」を中心に地図表現やデータ作成に役立つ機能をご紹介します。
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目次
プロセスについて
プロセスは、複数の操作を一括して実行できる便利な機能です。
プロセスは以下の3種類の方法で結果を作成でき、これまでは「ライン結合」「オーバーレイ(交差)」などをAの機能でご紹介することが多かったのですが、今回はBの「プロセス主題図」、CのSIS 9の新機能「プロセスデータセット」についてご紹介します。
種類 | 機能 | 使用コマンド |
A | 新規に図形を作成 | 「作成」タブの「プロセス」コマンド |
B | 主題図を設定 | 「主題図追加」コマンドの「プロセス主題図」 |
C | 新規にデータセットを作成 | 「オーバーレイ追加」コマンドの「プロセスデータセット」 |
プロセスの処理結果を主題図として表現する「プロセス主題図」
図1は「プロセス主題図」で作成した、令和2年7月豪雨のある時点の風向図です。
風向の角度情報が入ったポイントデータ(csv)をViewPointデータセットで読み込んでいますが、そのままでは風向のシンボルは風向に合わせて回転しません。
そこで、「プロセス主題図」でポイントアイテムの「角度」プロパティに角度情報を設定し、シンボルを回転させて風向を表現しています。
16方位であれば16種類の方向のシンボルを用意する方法もありますが、この方法なら1つの向きのシンボルを、16方位の角度(22.5°の倍数)に限らずどの角度にも回転できます。
また、プロセス主題図は元データと連動しているため、元データの情報に変更があった場合、主題図も同時に更新されます。
図1:プロセス主題図で風向図を作成
プロセス操作を適用したデータセットを新規に作成する「プロセスデータセット」
図2は、ルート検索の結果に対して、プロセス操作の「分解(セグメント)」を適用した「プロセスデータセット」の例です。各セグメントの長さをラベル表示しています。
このプロセスデータセットも元データと連動しているので、元データを変更して「更新」を実行すると、プロセスデータセットの内容も更新されます。
プロセス主題図は主題図のため、分解、分散、結合、ブール演算など一部実行できないプロセス操作がありますが、プロセスデータセットではAと同様すべてのプロセス操作を利用可能です。
図2:プロセスデータセットでルート検索結果を各セグメントに分解し、長さをラベル表示
図3:データ変更に柔軟なプロセスデータセット
このように、ABC 3種類のプロセスの実行方法をご用意していますので、その時の目的に応じて使い分けることができます。
ぜひ、便利なプロセスの機能をご活用ください。
印刷イメージに表を簡単にレイアウト「テーブルアイテム」
続いて、印刷イメージの作成時に便利なレイアウト機能をご紹介します。
図4は、図1の風向図をレイアウトした例です。右側の表は、SIS 9で追加された「テーブルアイテム」を配置しています。
テーブルアイテムは、指定したオーバーレイのスキーマ情報を自動で表にします。CSS(スタイルシート)の設定ができるので、自在に装飾していただけます。
図4では1行おきに色を変えて見やすくしました。
図4:印刷イメージとテーブルアイテムのCSS設定画面
ラベル主題図で丸囲み文字を簡単に表示
ラベル主題図に「文字丸囲み」が追加され、①②③…などの丸囲み文字を簡単に表示できるようになりました。環境依存文字をPC環境等の理由で表示できない場合などに便利です。
図5:ラベル主題図で丸囲み文字を表示
TileDatasetで地理院タイルを簡単読み込み
図4は、地理院タイルの「淡色地図」を背景図として読み込み、風向図を強調するため、背景図は透過設定で色を薄くしています。
よく利用される「淡色地図」「標準地図」のほかに、タイルデータセットの一覧には「近年の災害」などの各種データもリストから選択して簡単に読み込めるようになっています。(図6)
図6. タイルデータセットで一覧から選択して簡単読み込み
おわりに
引き続き次回の講座でもSIS 9についてご紹介しますので、どうぞお楽しみに!
SIS Desktopシリーズ 製品情報
https://www.informatix.co.jp/sis/
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<地図データ出典>気象庁「気象観測データ」をもとに株式会社インフォマティクスが作成、基盤地図情報、国土地理院 地理院地図Shoreline data is derived from: United States. National Imagery and Mapping Agency. "Vector Map Level 0 (VMAP0)." Bethesda, MD: Denver, CO: The Agency; USGS Information Services, 1997.
※この記事は、GIS NEXT第75号に掲載された記事を編集したものです。