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新型コロナの経済影響が地図やグラフからわかる|V-RESAS

2月 26, 2021

観光や飲食、交通など、地域のさまざまな経済に深刻な影響を与えている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。

このようなコロナ禍による影響を可視化することを目的に開設されたのが、内閣府が2020年6月に公開したウェブサイト「V-RESAS」だ。

概要

このサイトは内閣府地方創生推進室と内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局が提供しており、コロナ禍による影響を把握し、地域経済を再活性化させていくための施策の立案や改善に役立ててもらうことを目指している。

V-RESAS

収録データ

収録されているデータは、人流や消費、飲食、宿泊、イベント、興味・関心、雇用、企業財務など多岐にわたる。

データ提供元についても、たとえば人流データはAgoop、消費指数は株式会社ジェーシービーおよび株式会社ナウキャスト、飲食関連のデータはRetty株式会社、宿泊客数のデータは観光予報プラットフォーム推進協議会、イベント関連(チケット販売数)のデータはぴあ株式会社、興味・関心(検索人数)のデータはヤフー・データソリューションなど、幅広い企業や組織からデータを集めている。

何が可視化されるのか?

V-RESASにアクセスすると、全国における移動人口や各地の滞在人口、消費・売上高などさまざまなジャンルの動向が日本地図やグラフとともに表示される。

日本地図では、都道府県ごとにデータに応じて色分けして表示されるので、各地の状況を直感的に把握しやすい。地図とともに、地域ブロックごとの2019年同週比の推移がグラフで表示されるため、前年と比べてどれくらいの差が生じているのかがひと目でわかる。

地図とグラフは連動しており、地図上で都道府県を選択すると、グラフのほうでもその都道府県の折れ線が強調表示されるので、とても見やすくわかりやすい。

なお、トップページの上部に表示される日ごとの人流速報(前週比)を見ると、全国の主要な駅について人がどれくらい減った(増えた)かが表示される。

パソコン画面では、全画面表示ボタンをクリックすると日本地図上でわかりやすく一覧表示されるので、イベントなどで感染状況を告知するといった用途にも利用できる。

消費動向

 

飲食店情報の閲覧数

 

宿泊者数

 

日ごとの人流速報

ページ上部で都道府県を選択することにより、都道府県ごとの細かい動向を調べられる。

滞在人口の動向では、当該エリアに滞在している人口がどの都道府県から来たのか、または当該エリアに居住している人口がどの都道府県に行ったかをグラフで確認することも可能で、都道府県を跨いだ移動の状況がよくわかる。

宿泊者数やイベントチケット販売数の推移などを見ると、COVID-19の感染拡大にともなって観光・イベント産業が低迷する状況がわかる。

また、「キーワード検索人数」の項目を見ると、「ネットショッピング」「ファッション」「店舗」「イベント」「ギャンブル」「旅行・観光」などカテゴリ別の検索数の推移グラフが表示されるので、ここでも全体的に観光やイベント関連の検索人数が下がっているのが確認できる。

埼玉県の滞在人口の動向

 

埼玉県の都道府県を跨いだ移動

 

東京都におけるキーワードの検索人数

使い方

このサイトは人流や消費、飲食、宿泊などさまざまなジャンルのデータを扱っているので、慣れないうちはグラフがたくさん並んでいてちょっと見づらく感じるかもしれないが、デザインもシンプルで、都道府県の選択やジャンルごとの分類などもプルダウンメニューで選ぶだけなので、使い方はとても簡単だ。

目当ての情報をすぐに見たい場合は、星マークをクリック(タップ)してお気に入りに追加すれば、登録したグラフをすぐに呼び出せる。

なお、データの更新は、原則1週間程度の頻度で行われるとのことだ。

データのダウンロード

データのダウンロードも可能となっており、グラフや地図などの画像をダウロードできるほか、その元になった数値データもCSVファイル形式でダウンロードできる。

ダウンロードしたCSVファイルをExcelなどの表計算ソフトを使って加工することで、好みの表現でデータを可視化することが可能だ。

解説コラム

このほか見逃せないコンテンツとして、「解説コラム」にも注目したい。

これは、V-RESASのグラフや地図を使って、さまざまな識者がデータの見方や考え方を解説するコーナーで、データサイエンティストや統計家、経営コンサルタント、地域活性化コンサルタント、プランナー、メディア編集者などさまざまな人がCOVID-19による影響についてわかりやすく解説している。

解説コラム

人流や消費、飲食、宿泊、イベントなどジャンルごとにコラムをピックアップできるので、V-RESASの地図やグラフを見ながらこれらのコラムを読めば、現在日本が抱えている課題をどのように解決し、今後につなげていくか、そのヒントが見えてくるかもしれない。

V-RESASは収録しているデータが多彩でUIもシンプルで使いやすく、COVID-19による影響を考える上では欠かせないサイトと言えるだろう。

■URL
V-RESAS
https://v-resas.go.jp/

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片岡義明(かたおかよしあき)様

フリーランスライター。ITの中でも特に地図や位置情報に関することを中心テーマとして取り組んでおり、インターネットの地図サイトから測位システム、ナビゲーションデバイス、法人向け地図ソリューション、紙地図、オープンデータなど幅広い地図・位置情報関連トピックを追っている。測量士。インプレスR&Dから書籍「位置情報トラッキングでつくるIoTビジネス」、「こんなにスゴイ!地図作りの現場」、共著書「位置情報ビッグデータ」「アイデアソンとハッカソンで未来をつくろう」が発売。

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