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スマホに入れておきたいおすすめの地図・位置情報アプリ 第9回:海釣図V

地図や位置情報を活用したスマートフォンアプリを紹介するこの連載、第9回となる今回は、海釣り用のマップアプリ「海釣図V」を紹介する。

海釣図V

「海釣図V」は、海底の地形がわかる海釣り向けのiOS/Android向けマップアプリだ。提供元の株式会社マップル・オンは、「スーパーマップル」や「山と高原地図」などの地図製品で知られる昭文社のグループ会社で、船舶向けの航海支援アプリ「new pec smart」も提供している。「new pec smart」は日本水路協会が発行する「航海用電子参考図 new pec(ニューペック)」をもとに開発されたマップアプリで、「海釣図V」は「new pec smart」の機能の中から海釣りに役立つ機能に絞った機能限定版といえる。

海底マップは美しく見やすいベクトル地図で、縮尺は1/25,000相当となる。同社は過去にラスター形式の地図データを使ったGPSフィッシングアプリ「海釣図」をリリースしたが、2018年6月にベクトルデータを採用した「海釣図V」としてリニューアルした。ベクトルデータを採用することで、全国エリアをシームレスにスクロールさせながら見ることが可能となり、マップデータの更新も「new pec」の年4回の更新に完全対応できるようになった。

地図データをダウンロードしてスマートフォンのローカルストレージに保存することも可能で、電波の届きにくい海上などでも問題なく使用できる。マップは海底の地形を最小1m間隔の等深線で見やすく色分け表示しており、魚礁(海中の岩のある場所)や根(岩礁など海底に起伏のある場所)など、魚が集まりやすいポイントを検索できる。

等深線で海底の地形がわかる

 

地図データのダウンロードが可能

 

周辺の魚礁などを検索できる

また、航行の安全に必要な暗岩や洗岩、干出岩などの岩礁や、危険な区域を示す危険界線なども表示される。さらに、マリーナや海の駅、漁港などマリンレジャーの拠点情報も豊富に収録している。

マリーナや海の駅などの情報も収録

スマートフォン内蔵のGPSを利用してボートの航跡を軌跡ログとして保存できるほか、釣果の良かった地点を保存しておくこともできる。記録した航跡をマップ上に表示できるほか、釣行時にスマートフォンで撮影した写真も自動表示できる。これらの記録はDropboxなどのストレージサービスにバックアップすることが可能で、機種変更の際も復元できる。

記録したデータはほかのユーザーと共有することも可能で、航跡はGPX形式で出力して、別アプリに取り込むこともできる。

このほか、国内約840地点の観測データをもとに、最寄りの潮汐情報をグラフ表示することも可能だ。また、現在地周辺の風速や風向き、波高、波周期、海水温をマップ表示することも可能なほか、潮汐観測地点や現在地付近の天気予報も調べられるので、釣行計画を立てる際に役立つ。

潮汐グラフ

 

風速

 

海水温

 

天気予報

同アプリの利用料は月額500円で、日本全国のマップが使い放題となる。上位版となる「new pec smart」は月額960円なので、海の地形を見るだけであればこちらのほうがお得だ。また、「new pec smart」は現在のところiOS版だけなのに対して(2019年9月27日現在)、「海釣図V」はAndroid版も用意されている。

初回登録から30日間は無料で使用可能なので、海釣りが好きな人だけでなく、海底地形などに興味のある人は、とりあえず登録してみてはいかがだろうか?何気なく見ていた海の底が意外と深かったり、凹凸が激しかったりと、さまざまな発見があるはずだ。

■URL
海釣図V https://mapple-on.jp/products/kaichouzu-v

執筆者ご紹介  片岡義明(かたおかよしあき)様
フリーランスライター。ITの中でも特に地図や位置情報に関することを中心テーマとして取り組んでおり、インターネットの地図サイトから測位システム、ナビゲーションデバイス、法人向け地図ソリューション、紙地図、オープンデータなど幅広い地図・位置情報関連トピックを追っている。測量士。インプレスR&Dから書籍「位置情報トラッキングでつくるIoTビジネス」、「こんなにスゴイ!地図作りの現場」、共著書「位置情報ビッグデータ」「アイデアソンとハッカソンで未来をつくろう」が発売。