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スマホに入れておきたいおすすめの地図・位置情報アプリ 第6回:東京時層地図

地図や位置情報を活用したスマートフォンアプリを紹介するこの連載、第6回となる今回は、明治から現代までのさまざまな東京の地図を収録したiOSアプリ「東京時層地図」を紹介する。

東京時層地図

同アプリは、明治から現代までのさまざまな時代の古地図を現代地図と重ね合わせながら見られるアプリ。収録している古地図は「文明開花期」(明治9~19年)、「明治のおわり」(明治39~42年)、「関東地震直前」(大正5~10年)、「昭和戦前期」(昭和3~11年)、「高度成長前夜」(昭和30~35年)、「バブル期」(昭和59~平成2年)。

このうち「文明開花期」の地図は、陸軍参謀本部の測量による「5千分1東京図測量原図」と「第一軍管区地方2万分1迅速測図原図」を使用している。「5千分1東京図測量原図」は東京中心部に限られるが、彩色が鮮やかで細かい情報まで描かれていて見応えがある。「第一軍管区地方2万分1迅速測図原図」も彩色が施されており、「田」「畑」「茶」といった土地利用分類や、「松」「杉」などの樹種分類などが細かく記載されている。

文明開化期

土地利用分類が掲載

このほか、「明治のおわり」と「関東地震直前」、「昭和戦前期」についてはいずれも陸地測量部によるもので、1万分1地形図や正式2万分1地形図、2万5千分1地形図などを使用。「高度成長前夜」は地理調査所、「バブル期」は国土地理院の測量によるもので、いずれも1万分1地形図を使用している。なお、これら古地図のデータはアプリ内部に含まれるので、オフラインでも地図を表示できる。

明治のおわり

関東地震直前

昭和戦前期

高度成長前夜

バブル期

同アプリでは現代地図に切り替えることも可能で、現代地図は国土地理院の地理院地図と、iOSマップの両方を見られる。また、地理院地図とiOSマップは、いずれも地図だけでなく地形図や航空写真(空中写真)にも切り替えることが可能で、地理院地図の空中写真は昭和11年頃、昭和20~25年、昭和36~39年、昭和49~53年、昭和54~58年、昭和59~61年、昭和63年~平成2年、平成19年~の8つの時代の写真を見られる。

地理院地図

昭和11年頃の空中写真

表示範囲は東京23区を中心としたエリアで、iOSデバイスの衛星測位機能で得られた位置情報をもとに、古地図の上で自分の現在地を表示させることができる。地図は北を上にしたノースアップ表示だけでなく、回転させることも可能だ。古地図の上には建物の形が詳細に描かれており、今はない都電の線路が路上に描かれているなど、昔の東京の姿が想像できて楽しい。また、戦前期の地図を見ると、軍事的に重要な施設を空白にしたり、農地として描かれたりする「戦時改描」が行われているのも確認できる。

昭和戦前期の地図では、新宿の淀橋浄水場は戦時改描で沼地として描かれている

時代ごとに凡例も収録している

このアプリは、iPhone版とiPad版が用意されており、iPad版は2画面表示が可能で、好きな地点を登録できるブックマーク機能や、自分が向かう方向が上になるヘディングアップ機能、地名検索機能などが搭載されている。また、姉妹アプリとして、同コンセプトの“横濱版”として「横濱時層地図」というアプリも用意されている。明治から現代までの時間を軸に、都市の変遷を知ることができるこれらのアプリを活用して、昔に思いを馳せながら散策してみてはいかがだろうか。

URL
東京時層地図
http://www.jmc.or.jp/app/iphone/tokyo/

執筆者ご紹介  片岡義明(かたおかよしあき)様
フリーランスライター。ITの中でも特に地図や位置情報に関することを中心テーマとして取り組んでおり、インターネットの地図サイトから測位システム、ナビゲーションデバイス、法人向け地図ソリューション、紙地図、オープンデータなど幅広い地図・位置情報関連トピックを追っている。測量士。インプレスR&Dから書籍「位置情報トラッキングでつくるIoTビジネス」、「こんなにスゴイ!地図作りの現場」、共著書「位置情報ビッグデータ」「アイデアソンとハッカソンで未来をつくろう」が発売。

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