今回は日本の将来推計人口に関するコラムをお届けします。
将来推計人口とは
2015年は5年に一度の国勢調査の年。第1回(1920年)の調査から数えて、20回目となります。国立社会保障・人口問題研究所では、2010年の国勢調査をもとに「日本の地域別将来推計人口」を作成して公開しています。
将来推計人口とは、直近の国勢調査による人口数をもとに、出生率や死亡率などを考慮して推計したもののことです。
詳しくいいますと、年齢別人口の加齢に伴う年々の変化をその要因(死亡、出生、人口移動)ごとに計算し、既に生存する人口については、加齢とともに生じる死亡と国際人口移動を差し引き、新たに生まれる人口については、再生産年齢人口に生じる出生数とその生存数、さらに人口移動数を順次算出して求め、翌年の人口に組み入れるという推計方法(コーホート要因法)により算出された、将来予測される人口です。
将来推計人口を地域別に表現
2013年3月推計の最新データでは、2010年10月1日から2040年10月1日までの30年間(5年ごと)について、将来人口が算出されています。(ただし、福島県においては全県での推計のみ実施)。
ここでは、GISソフト「SIS8.0」のレンジ主題図機能を使って、「総人口および指数(平成22年=100とした場合)」を市区町村別に80以下、80~90、90~100、100~110、110以上と分類して色分け表示し、2010年を基準として、2015から2040年までをアニメーションで表現しています。青が濃くなるほど、人口減少する地域です。
※本地図は「日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)」結果表1 総人口および指数(平成22年=100とした場合)(国立社会保障・人口問題研究所) を加工して作成しました。
SISバンドルデータ「市区町村行政界.bds」を上記データに合わせて加工しています。
2040年になると、一部を除いてほとんどの地域が人口減少することがわかります。それでもいくつか増加となる市区町村もあります。多くはベッドタウンですが、都市部以外もトップ10のランキングに入っています(以下参照)。
地理的なこと以外に要因があるのか、興味深いところです。
2040年の人口指数トップ10
129.8 粕屋町(福岡県)
125.2 横浜市都筑区(神奈川県)
124.8 川北町 (石川県)
124.4 富谷町 (宮城県)
123.7 豊見城市(沖縄県)
122.2 長久手市(愛知県)
116.5 日進市 (愛知県)
115.5 木津川市(京都府)
115.1 滑川町 (埼玉県)
115.0 吉岡町 (群馬県)
高齢者の割合を地域別に表現
同じく、社会保障・人口問題研究所が公表しているデータ「年齢別人口割合 65歳以上人口」をSISを使用して地図上に表示しました。
※本地図は「日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)」 結果表3_3 年齢別人口割合 65歳以上人口(国立社会保障・人口問題研究所)を加工して作成しました。
ちなみに、WHO(世界保健機構)や国際連合の定義では、65歳以上人口の割合が7%超で「高齢化社会」、14%超で「高齢社会」、21%超で「超高齢社会」となっています。
上記の地図は、この指標をもとにグラデーションで表示してみました。紫が濃くなるほど、高齢者の割合が高い地域です。
2040年の推計人口のデータでは、21%の超高齢社会どころか、65歳の高齢者40%超が半数近くとなり、「超超」高齢社会となることがわかります。
地図に表示してみると、日本は将来人口が減少し、かつ、全ての自治体が高齢者21%以上の「超高齢社会」がやってくることがビジュアル化により、一層実感できますね。
<データ出典>国立社会保障・人口問題研究所
日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計) 結果表1 総人口および指数(平成22年=100とした場合)
日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)」 結果表3_3 年齢別人口割合 65歳以上人口