用語解説

ドローンとは|種類・活用分野・課題

ドローンとは

ドローンとは無人飛行機の総称です。

無人飛行機という点ではラジコンヘリもドローンの一種といえますが、一般には「複数の回転翼を持つ小型の無人飛行機」のことを指します。

「UAV(Unmanned Aerial Vehicle:無人飛行機)」あるいは「無人飛行ロボット」とも呼ばれます。

ドローンの種類

ドローンのサイズは、小型飛行機レベルのものから手のひらサイズのものまでさまざまです。

形状は大まかに以下の3種類に分けられます。

  • 飛行機型
  • ヘリコプター型
  • 複数プロペラ搭載のマルチコプター型

操作面や安定性の面から、現在はマルチコプター型が主流となっています。

操作は、プログラムによる自律制御や自立飛行*1 、専用のコントローラやスマートフォン、タブレット端末を使った遠隔操作によって行います。

飛行時間は20~30分程度が主流ですが、なかには24時間飛行できるタイプもあります。

*1 機体内に搭載されたGPS、加速度センサー、気圧センサー等により、指定された高度・速度・座標を正確に飛行したり、設定したルートを飛行することができる。

活用分野

ドローンは元々軍用目的で開発・利用されてきましたが、近年は小型化、飛行精度の向上、低価格化が進んだことで軍事以外の分野にも利用が拡がってきています。

ドローンにはセンサーやカメラを搭載できるため、さまざまな分野での活用が期待されています。

農業

空中からの農薬/肥料散布、農作物の生育状況のモニタリング

測量

空撮画像を利用した2D/3D地図の制作

警察

事件や事故現場の見取り図の作成

物流

離島、山岳地帯への輸送 、収穫物の即時搬送、災害時の緊急物資輸送、通販商品の配送

災害調査

災害発生時の被害状況の把握、生存者の確認

点検、メンテナンス

橋梁、ダム、プラント設備、送電線、危険箇所での点検・調査・メンテナンス

警備、捜索

企業や私有地の監視、不審者の撮影、山岳地帯での行方不明者の捜索

報道

火災、津波、崖崩れなど立ち入り困難な場所の映像撮影

エンターテインメント

スキー、スノーボード、サーフィンなどのスポーツ大会や花火大会の中継、迫力ある空撮映像を使ったプロモーションビデオの制作

課題

幅広い分野での利用が期待されるドローンですが、現状多くの課題があります。

  • 旅客機との接触リスク(高度な飛行が可能なため)
  • 落下による人身事故・物損事故のリスク
  • プライバシー侵害のリスク(搭載カメラで高精度な画像が撮影可能なため)
  • 関連の法制度や規制が十分に整備されていない など

事故例

  • 湘南国際マラソンで、空撮中のドローンが落下(2014/11/3 神奈川県大磯町西小磯)
  • 首相官邸にドローンが落下(2015/4/22 東京都千代田区永田町)
  • 善光寺境内にドローンが落下(2015/5/9 長野県長野市)

今後の展開

東日本大震災以降、災害時の調査や警備、測量の分野でドローンを利用する企業が増えてきており、今後も普及拡大が見込まれています。

政府は、2015年1月「ロボット革命実現会議」でアクションプランとして5カ年計画を策定。

「近未来技術実証特区検討会」では、企業や自治体が自動飛行や自動走行など70件のプロジェクトを提案しており、実証実験も計画されています。

実証実験例

  • 宅配、セキュリティサービス(千葉市幕張新都心)
  • 陸地と離島間を結ぶ海上軽貨物輸送(瀬戸内海 男木島)
  • 物資輸送、インフラ構造物点検、山林管理(広島県)
  • 海難救助(東京消防庁)

ドローン特区

総務省は政府の方針を踏まえたうえで、ドローンの利用が拡大していることに対応し、混信の防止や違法電波の取り締まり強化を目的としてドローン専用の周波数を割り当てる方針を固めました。

UAV登録の義務化

近年、UAV活用の増加の一方で、事故や無許可での飛行が頻発していることを踏まえ、航空法改正に基づき登録制度が施行されます。

これにより登録が義務化され、2022年6月以降は登録されていないUAVを飛行させることができなくなります。

 

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<参考>
・国土交通省ウェブサイト https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html
・国土交通省無人飛行機登録ポータルサイト https://www.mlit.go.jp/koku/drone/
・DRONEウェブサイト https://www.drone.jp/news

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空間情報クラブ編集部

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