SIS活用講座 第10回 フリービューアMap ExpressからはじめるSIS(2)主題図

はじめに

今回は、SIS 8.0で新たに追加されたフリービューア「SIS Map Express」(以下、Map Express)の主題図機能をご紹介します。

主題図とは?

地図は「一般図」と「主題図」の2種類に分けることができます。
・一般図
地形、水系、建物、道路などの状態を、縮尺に応じて正確に表した白地図や地形図、地勢図
・主題図
利用目的に応じてある特定の主題を表現した地図
例えば、人口などの統計データや経済、自然などの様々な事象をテーマ(主題)として、それを地図上で色分けや円グラフなどを使って表現したものが「主題図」です。20160726_1

図1:主題図の例

色分け主題図の設定

ではさっそく、Map Expressで主題図を作成してみましょう。例として、図形の属性情報ごとに色を設定する、個別値主題図を作成します。
まず、国土数値情報ダウンロードページから「国土数値情報 用途地域データ」をダウンロードして、展開したファイルから「*.shp」ファイルをMap Expressの画面上にドラッグ&ドロップで読み込みます。<設定方法120160726_2

図2:国土数値情報 用途地域データ(神奈川県)

「主題図追加」コマンドを実行してウィザードを進め、用途地域の属性「A29_005」の値によって、用途地域ごとに色分けされた図3のような地図を作成できます。<設定方法220160726_3

図3:個別値主題図の設定

色は、単色だけでなく、縦縞や横縞、チェックなどのパターンも使えます。さらに、Map Manager/Modeller(以下、上位製品)では、それらをスタイルとして登録して、繰り返し利用することもできます。

主題図のあれこれ

このほか、主題図にはグラフで表現(図4)するものなど多くの種類があります。Map Modellerでは、3次元の機能を利用し高さを表現する主題図(図5)も作成できます。20160726_4

図4:棒グラフ主題図図5:3D立ち上げ主題図
(性別、総人口)(建物の高さ情報)

凡例には、名称の改行位置の指定や文字の色、フォント、サイズなど詳細な設定ができ、印刷用レイアウトにあわせて細かく調整できます。20160726_5

図6:初期設定の表示図7:各種設定の変更例
(改行なし、メイリオフォント)(7文字目で改行、HG正楷書体フォント)

主題図で地図の着せ替えをしてみる

地図の図形を分類して色分けする方法には、個別値主題図のほかに、地物のスタイルを一括管理する「地物テーブル」を使うこともできます。重ね合わせる地図や用途に応じてその地図の色合いを簡単に変更して、調整できます。

例えば、ゼンリンZmap-TOWNⅡをMap Expressに読み込むと、標準の表示は図8のようになります。これを分類主題図の「地物コード」で、この地図で使用している地物テーブル「ZMD」の各地物のスタイルを変更すると、図9のように地図全体の雰囲気を簡単に変更できます。住宅地図を背景として利用する時に、主張しすぎない目立たない色に変更したい、といった場合に便利です。20160726_6

 図8:標準表示図9:変更後のイメージ

上位製品では、作成した主題図を定義ファイル(ライブラリ)に登録して、再利用や他の人と共有することができます。登録した主題図は保存主題図としてMap Expressで利用することができます。<設定方法3

さらにSISを使って、さまざまな地図表現を!

図3で作成した色分け主題図を設定した用途地域の地図と、図9の表現を変更した住宅地図を重ねると、図11のようなイメージになります。図3と図8の標準表示を重ねた図10と比較すると、図11は主題図で設定した用途地域の色合いが映えて、各領域が確認しやすくなりました。

それぞれの機能を上手に利用して地図の表現を変更すると、用途に応じた使いやすい地図を簡単に作成できます。20160726_7

  図10:標準表示図11:変更後のイメージ

おわりに

Map Expressの主題図機能は、上位製品とほとんど変わりません。
SISをお持ちでない方でも、ダウンロードできますのでぜひフリーデータをSISに読み込んでお試しください。
Map Expressにはまだまだ沢山の便利な機能がありますので、次回以降もご紹介予定です。ご期待ください!(技術開発部 J.A.)

・SISフリービューア「Map Express」製品情報とダウンロード方法はこちら
・SIS Mapシリーズ 製品情報:Map Modellerなどの上位製品の詳細はこちら


<設定方法1>
  1. 国土数値情報ダウンロードページにアクセスして「国土数値情報 用途地域データ」をダウンロードします。
  2. ダウンロードしたデータを展開します。
  3. Map Expressを起動します。
  4. 「マップ1」の座標参照系が「緯度/経度.日本測地系2000」に設定されていることを確認します。
    20160726_8

    図12:座標系の確認
  5. 展開した用途地域の「*.shp」ファイルをMap Expressの画面上にドラッグ&ドロップします。
    20160726_9

    図13:用途地域データ 読み込みイメージ
<設定方法2>

※以下の手順で紹介している個別値主題図の設定を、上位製品で保存した「保存主題図」で簡単に作成して、確認できます。手順は<設定方法3>をご参照ください。

  1. 「ホーム」タブの「主題図 追加」コマンドを実行します。
    20160726_10

    図14:「主題図 追加」コマンド

    「新規 主題図」ダイアログが表示されます。

  2. 「スタイル」タブで「個別値」を選択して、「次へ」ボタンをクリックします。
    20160726_11

    図15:「新規 主題図」ダイアログ
  3. 「オーバーレイスキーマカラム」のリストから「A29_005」を選択して、「次へ」ボタンをクリックします。
    20160726_12

    図16:「プロパティ/フォーミュラ選択」ダイアログ

    以下の確認ダイアログは「はい」をクリックします。20160726_13

    図17:確認ダイアログ
  4. 「値リスト」の各値に「ブラシ」を設定します。
    例)「商業地域」の設定手順
    「ブラシ」のリストボックスを表示し、「用途地域」のツリーを展開して「商業地域」を選択します。20160726_14

    図18:「個別値主題図スタイル」ダイアログ
    (ブラシの設定)

    この操作をすべての値ごとに繰り返して、各スタイルを設定します。

  5. すべての用途地域の「ペン」に「Gray」を設定します。
    「値リスト」で「商業地域」を選択し、「Shift」キーを押しながら「近隣商業地域」を選択してすべての値を選択します。
    「ペン」のリストボックスを表示し、「Gray」を選択します。20160726_15

    図19:「個別値主題図スタイル」ダイアログ
    (ペンの設定)
  6. 「完了」ボタンをクリックします。20160726_16            図20:個別値主題図設定イメージ
<設定方法3>
  1. こちらからライブラリファイルをダウンロードします。
  2. 「ファイル/開く」コマンドを実行して、ダウンロードしたファイル「YotoChiiki.nol」を選択します。※読み込んだファイルを確認するには「表示」タブで「ライブラリ」にチェックを入れて、ライブラリコントロールバーを表示して、ファイル名を図21のように展開します。20160726_172
  3. 「ホーム」タブの「主題図 追加」コマンドを実行します。
    20160726_18「新規 主題図」ダイアログが表示されます。20160726_21
  4. 「その他」タブで「保存主題図」を選択して、「次へ」ボタンをクリックします。
    20160726_19

    図23:「新規 主題図」ダイアログ
  5. 「用途地域」を選択して「完了」ボタンをクリックします。
    20160726_20

    図24:「保存主題図 呼び出し」ダイアログ

<地図データ出典>株式会社ゼンリン Zmap-TOWNⅡ ©2016 ZENRIN CO.,LTD.  Z16LD第1513号/国土地理院 基盤地図情報、数値地図50mメッシュ/国土交通省国土政策局 国土数値情報(用途地域データ)

※この記事は、GIS NEXT第56号に掲載された記事に加筆したものです。

タイトルとURLをコピーしました